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  》》企業年金総合プランナー(DCプランナー)メールマガジン《《

                         第323号(2016.5.1)
                          日本商工会議所
                    商工会議所年金教育センター

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          〉〉〉CONTENTS〈〈〈
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【企業年金あれこれ】
1〉「企業年金の実務における留意点」(全3回)
   第3回 個人情報保護とマイナンバー    
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【勉強会の開催情報】
2〉大阪で開催する勉強会のご案内    
  「第7回 ホンネで語り合う企業年金事情 」(再掲) 
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【日本商工会議所からのお知らせ】
3〉DCプランナー資格登録者の住所変更等手続きについて
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 このメールマガジンは、企業年金総合プランナー(DCプランナー)認定試
験に合格し、1級または2級の資格を登録された方々に対する情報提供サービ
スの一環として、原則、毎月2回(1日および15日)送信しています。
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1〉「企業年金の実務における留意点」(全3回)
   第3回 個人情報保護とマイナンバー 中田 博 
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 今年はマイナンバー元年です。企業年金の実務においても、まず税分野に限
定した形でスタートしましたが、一般の民間企業とは異なり個人番号利用事務
実施者という立場で業務を行うところが大きな特徴です。

 マイナンバー(特定個人情報)については、漏えい事案が発生した時の報告
義務が課されるなどさらに厳格な運営が求められるようになりました。一方、
個人情報についても昨年9月に改正された個人情報保護法や、今後公表される
「私的年金分野における個人情報保護に関するガイドライン」において、一段
と厳しい取扱いが求められる見込みです。これらの背景にあるのは、ズバリ情
報漏えいの防止です。したがって、特定個人情報と個人情報を別々に切り離し
て考えるのではなく、大きな流れを意識しながら実務を行うことが大切だと思
います。

1.改正個人情報保護法のポイント
 まず個人情報保護法がどのように変わったのか、重要なものをチェックして
おきましょう。

 ● 個人情報の定義の中に、生体認証データやマイナンバー等の「個人識別符
  号」が新たに加わりました。 
 ● 従来の「機微情報」が「要配慮個人情報」という形で新たに定義されまし
  た。要配慮個人情報は取得時に本人の事前同意が必要で、オプトアウト(*)
  による第三者提供も禁止されます。実務上の留意事項として、たとえば本籍
  地は要配慮個人情報に該当しますから、遺族の確認等で戸籍謄本を取り寄せ
  る際は注意が必要です。
 ● 利用する必要がなくなった時の個人データの消去について、努力義務が課
  されました。
 ● オプトアウトが厳格になり、個人情報保護委員会への届出が義務付けられ
  ました。
 ● 第三者から個人情報の提供を受ける場合は、その第三者がデータを取得し
  た経緯等について確認し、提供を受けた記録を作成・保存することが義務付
  けられました。
 ● 個人情報データベース等を不正に提供又は盗用した場合は、刑事罰が適用
  されます。

 *オプトアウトとは、個人情報保護法では個人情報を第三者に提供する際には、
 本人の同意を得なければならないとしているが、事前に提供することを表明
 するなど一定の要件を満たしている場合に限り、本人の個別同意をとらなく
 ても第三者への提供が可能としていること。


2.個人番号利用事務実施者として実務を行う場合の留意点
 次にマイナンバー(特定個人情報)ですが、企業年金は主として個人番号利
用事務実施者の立場で業務を行うので、まずその観点で考えてみます。

 ● 個人番号利用事務実施者から委託を受けた者も個人番号利用事務実施者に
 なります。したがって、企業年金から個人番号の取得事務を委託された会社
  は、従業員規模の大小に関わらず、ガイドラインの安全管理措置で示された
 中小規模事業者の緩和措置は適用されません。
 ● 個人番号利用事務を処理する中で特定個人情報の漏えいが発生した場合、
  件数に関わらず重大事案として扱われるので、1件でも個人情報保護委員会
  宛に報告義務があります。
 ● 個人番号利用事務を行う上で必要がある場合は、地方公共団体情報システ
  ム機構(以下「機構」という)から企業年金連合会等を経由して個人番号を
  取得することができます。

3.企業年金が特定個人情報を扱う場合の10箇条
  「企業年金等に関する特定個人情報の取扱い準則」では、特定個人情報ガイ
ドライン(事業者編)よりも厳しい基準が設けられたり、具体的な形で義務化
されたりした箇所があります。これら企業年金スペシャルの部分を中心に、特
に留意すべきポイントについて10箇条にまとめました。

(1) 基本方針、取扱規程等は必ず策定する。
(2) 事務取扱責任者を設置し、特定個人情報を扱う事務取扱担当者を明確に。
(3) 従業者に対し年1回以上定期的に研修を。その際研修記録も忘れずに。
(4) システムへのログイン実績や利用実績等は1年間保存。
(5) 電子媒体やコンピュータに保存する場合は必ず暗号化またはパスワードを
 付与。また電子媒体については、事務取扱担当者が週に1回程度定期的に保
 管状況を確認
(6) 特定個人情報を送付する場合の留意点
 ● 電子媒体:暗号化又はパスワードで保護し施錠できる搬送容器を使用。
       また送付履歴が分かる方法で。
 ● 書面等  :封緘の上、簡易書留等の送付履歴が分かる方法で。
 ● 通 信  :暗号化又はパスワードで保護した上で専用回線等を利用。
        絶対に電子メールで送らない。
(7) 特定個人情報を扱う作業はインターネットに接続していないパソコンで。
(8) 法令上の保存期限が経過し利用事務等を行う必要がなくなった場合は、
  速やかに廃棄又は削除し、その記録を残す。復元不可能な手段で行うこと
  が重要。
(9) 委託する場合は、委託先の安全管理措置を見る。再委託は最初の委託者
   の許諾が必要。
(10) 個人番号を取得する場合の留意点
 ● 本人から直接取得:本人確認、利用目的の事前明示、届出様式等は規程に
  明記。
 ● 母体企業等に委託して取得:母体企業等と書面で契約。
 ● 連合会に委託して機構から取得:取得対象者に対する十分な周知,規約で
  定めた上で連合会と書面で契約。

  最後までお読みいただき、ありがとうございました。
 

 本稿における意見に関する部分は、筆者個人の見解であり、所属する組織
 ・法人のものではありません。

 執筆者紹介
   中田 博
   三井住友信託銀行 年金信託部 審議役
   社会保険労務士、 社団法人年金綜合研究所 上席研究員


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2 〉大阪で開催する勉強会のご案内
    「第7回 ホンネで語り合う企業年金事情」(再掲) 
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 下記のとおり大阪で勉強会を開催いたします。

 厚生年金基金、確定給付企業年金、確定拠出年金等、各企業年金の動向や現
場の動き、実際の改革事例、退職給付会計の動向、基金やDBの資産運用動向、
DC投資教育の動向、諸外国の年金動向など幅広い内容をもとに、年金基金の
担当の方、企業の人事・労務担当の方、財務部門の方、事業主の方、運用機関
の方、コンサルタント等、それぞれの立場から自由に意見を語り合える場にも
してまいります。企業年金にご関心のある方のご参加をお待ちしております。


◆日 時:5月29日(日)10:00~12:00 (受付開始9:30)
     ※いつもの時間帯と異なり、午前中の開催となります。

◆会 費:3,500円(お支払方法は、お申込み完了後にお知らせいたします)

◆講  師:登録講師
      1級DCプランナー(企業年金総合プランナー)

◆会 場:大阪府立男女共同参画・青少年センター(ドーンセンター)
     大阪府大阪市中央区大手前1丁目3番49号
    【アクセス】
      https://www.dawncenter.or.jp/shisetsu/map.html

◆定 員:10名(先着10名の少人数勉強会となります)
     
◆幹 事:みなとグローバル研究会 大阪大手門勉強会

◆申込先:参加を希望される場合は、下記のURLからお申込みください。
     http://benkyou-j.com/study/detail.php?sid=76


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3〉DCプランナー資格登録者の住所変更等手続きについて
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 DCプランナー資格登録者で、住所や勤務先、メールアドレス等を変更した
場合は、お手数ではございますが以下のいずれかのサイトから登録情報の変更
をご連絡ください。ご連絡をいただかないと、情報誌や資格更新に関する案内
文書の送付、メールマガジンの配信等ができなくなりますのでご注意ください。

〇『DCプランナー専用サイト』基本メニュー内 登録情報変更(住所変更な
  ど)のコーナー( https://dcplanner.cloud-cafe.club/ )
  ※ 1級および2級DCプランナーとして資格をご登録いただいている方の
    専用サイトです。
    同サイトのご利用に当たっては、最初に別途メールアドレス等をご登録
    いただく必要があります。
  ※ ご連絡の際は、「資格登録情報も合わせて変更する」ボタンをクリック
    してください。

〇『商工会議所検定試験サイト』DCプランナー 登録情報変更連絡コーナー
  ( http://www.kentei.ne.jp/dcp/contact )
   ※ 『DCプランナー専用サイト』に未登録の方は、こちらからご連絡くだ
    さい。

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 次号(第324号)は、5月15日(日)に送信予定です。
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    編集・発行:日本商工会議所 商工会議所年金教育センター 

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