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  》》企業年金総合プランナー(DCプランナー)メールマガジン《《

                         第361号(2017.12.1)
                          日本商工会議所
                    商工会議所年金教育センター

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          〉〉〉CONTENTS〈〈〈
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【企業年金あれこれ】
1〉「企業年金改正と海外からの示唆」(全3回)
   第3回  その他改正項目の課題             
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【各種のデータ】
2〉確定拠出年金の施行状況(平成29年10月31日現在)~厚生労働省調べ
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【勉強会の開催情報】
3〉大阪で開催する勉強会のご案内               
  第13回 ホンネで語り合う企業年金事情(再掲)
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4〉大阪で開催する勉強会のご案内
  平成29年度「DCプランナー1級受験対策講座」(再掲)
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【日本商工会議所からのお知らせ】
5〉DCプランナー資格登録者の住所変更等手続きについて
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 このメールマガジンは、企業年金総合プランナー(DCプランナー)認定試
験に合格し、1級または2級の資格を登録された方々に対する情報提供サービ
スの一環として、原則、毎月2回(1日および15日)送信しています。
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1〉「企業年金改正と海外からの示唆」(全3回)
   第3回  その他改正項目の課題    遠藤 忠彦
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  これまでの2回で、リスク分担型企業年金や個人型DCの対象者拡大の課題
と海外との比較を行いました。2016年に決まったDB・DCの改正項目には、
他に様々なものが含まれています。第3回は、ポータビリティの拡充、簡易型
DC、小規模事業主掛金納付制度を海外と比較し、課題や示唆を考えます。
これらの項目は、2018年5月1日の施行が予定されています。

1.ポータビリティの拡充
 DB、DC、中小企業退職金共済(以下、中退金)の間で 資金移動を可能に
することです。これまで、DCからDBへの移換はできませんでした。DCは
最終到達点で行き止まりという感じでした。改正により、DCからDBへの移
換が可能となり、事業再編に伴って中小企業でも2つの制度が併存する場合、
中退金から企業型DCへ、DBや企業型DCから中退金へ移換が可能となりま
す。DBやDCに集約することも可能となるでしょう。ただし、規約変更が伴
うなど労使の合意に委ねられています。

 海外の制度を見ると、米国のIRA(個人退職勘定)がDB、DCの受け皿
としての役割を果たしています。自営業者の企業年金に相当するキオ年金や通
常の企業年金の上乗せとして、相当な高額の収入を受けていない限りは、加入
できますし、一律に限度額(50歳未満で年5,500ドル、50歳以上では6,500ドル)
が設定されています。日本よりもわかりやすさ、限度額の大きさ、個人年金と
しての使いやすさがあると言えるでしょう。

 複雑になった限度額の整理と、老後資金積立の推進のために個人型DCを
IRAのような独立した制度とするかの検討が必要でしょう。

2.簡易型DC
 中小企業(従業員数100人以下)向けに、シンプルな制度設計をする企業型
DCで、設立時の必要書類を簡素化し、手続き、運営の負担を少なくするもの
です。政省令案によると、必要書類を規約案、厚年適用事業所確認書類、労働
組合等の同意等に限定し、事業主掛金については定額となる予定です。現在の
企業型DCは、定額又は給与の一定率です。廃止となった適格退職年金のよう
に、行政手続きを金融機関に委託できます。

 米国でも中小企業向けにSIMPLEプランがあります。もとはSavings Incentive
Match Plan for employeesの略ですが、シンプル(簡易)な制度でもあります。
つまり、従業員100人未満の中小企業が対象で、設立手続きが簡素化されるもの
です。個人向けのIRAに事業主拠出を加えるタイプや企業に導入される401(k)
プランの一部として実施されます。英国でも企業年金の自動加入導入に合わせ、
中小企業向けにDC制度を提供する公的機関のNEST(国家雇用貯蓄信託)は、
運用選択肢が6つとシンプルで手数料の低廉な制度として導入されました。

 中小企業には、担当者を置く余裕がありませんから、企業年金のすそ野を広
げるためには必要な施策でしょう。中小企業を集める総合型のDCと比較して、
コストをどれだけ圧縮できるかが普及のポイントでしょう。

3.小規模事業主掛金納付制度
 個人型DCに加入している従業員に対し、事業主による追加の掛金拠出が可
能となります。対象は、企業型DC、DBを実施していない従業員100人以下の
事業所で、労働組合や従業員の同意も必要となる予定です。財形制度に似た制
度ですが、個人型DCへの掛金は所得控除になり、運用の選択肢も増える点で
有利です。

 日本のDCは、米国の401(k)プランがモデルと言われています。投資教育や
運営方法は似ていますが、米国では老後資金の積立制度で任意拠出です。通常、
積立の奨励として半分から同額の事業主掛金が付きます。日本の場合は退職金
からの流れで企業型DCは、事業主拠出が基本で、従業員拠出も規約で定めれ
ば可能になっています。今回、本来の401(k)タイプの制度が導入されることに
なります。

 企業にとって、投資教育の義務も免れ、管理手数料は従業員負担となると思
われ、401(k)プランや企業型DCと異なりますが、事務は煩雑になりそうです。

 中小企業を中心に、選択肢が増えますが、今後制度選択のアドバイスがます
ます重要でしょう。

 お読みいただき有難うございました。


*執筆者紹介
 遠藤 忠彦
 遠藤年金労務コンサルティング・代表
 1級DCプランナー(企業年金総合プランナー)、特定社会保険労務士


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2〉確定拠出年金の施行状況(平成29年10月31日現在)~厚生労働省調べ
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 厚生労働省のHPに掲載されている「確定拠出年金の施行状況」の直近の
データについて、その内容を以下にご紹介します。
 アドレスは、こちらです。
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/nenkin/nenkin/kyoshutsu/sekou.html

◆企業型年金の規約数等 	
(1)承認規約数 	       5,594件
(2)加入者数        約6,316千人(平成29年9月末現在 速報値)
 (3)実施事業主数     28,386社

◆個人型年金の加入者等 	
 (1)第1号加入者      106,621人
 (2)第2号加入者      564,442人
 (3)第3号加入者       16,121人
 (4)合 計            687,184人
 (5)事業所登録        284,920事業所
			
◆登録運営管理機関 	   208社


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3〉大阪で開催する勉強会のご案内               
  第13回 ホンネで語り合う企業年金事情	(再掲)
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 厚生年金基金、確定給付企業年金、確定拠出年金等、各企業年金の動向や現
場の動き、実際の改革事例、退職給付会計の動向、基金やDBの資産運用動向、
DC投資教育の動向、諸外国の年金動向など、幅広い内容をもとに、年金基金
の担当の方、企業の人事・労務担当の方、財務部門の方、事業主の方、運用機
関の方、コンサルタント等、それぞれの立場から自由に意見を語り合える場に
してまいります。企業年金にご関心のある方のご参加をお待ちしております。

 平成30年に向けて、確定給付企業年金と確定拠出年金、両者に大きな改正が
予定されています。一方でこの改正に反対意見もあり、支障をきたす可能性も
見えてきました。また、働き方改革が進められ様々な施策がとられる中、企業
年金のあり方も変わってくる可能性があり、担当者も頭を柔らかくして臨んで
いかなければならない局面が予想されます。新しいユニークな制度の事例も生
まれてきました。イデコ、つみたてNISA、リスク分担型企業年金等の動向
も含め、この新しい波を解説いたします。

◆日 時:12月17日(日)13:00~15:00 (受付開始12:45)

◆会 費:3,500円(お支払方法は、お申込み完了後にお知らせいたします)

◆講  師:登録講師
      1級DCプランナー(企業年金総合プランナー)

◆会 場:大阪府立男女共同参画・青少年センター(ドーンセンター)
     (大阪市中央区大手前1丁目3-49)
     http://www.dawncenter.jp/shisetsu/map.html

◆定 員:20名
         
◆幹 事:みなとグローバル研究会 大阪大手門勉強会

◆申込先:参加を希望される場合は、下記のURLからお申込みください。
     http://benkyou-j.com/study/detail.php?sid=211


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4〉大阪で開催する勉強会のご案内
  平成29年度「DCプランナー1級受験対策講座」(再掲)
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 例年ご好評をいただいている1級DCプランナー試験の受験対策講座を今年
も開講いたします。本講座では、公的年金、企業年金等のエキスパートとして
活躍されている講師をお招きし、基礎からわかりやすく講義いたします。
 基本、全科目受講していただく前提で講義を進めておりますが、ご予定の都
合で全科目受講できない方は、一科目ずつ受講することも可能です。

●スケジュールは下記のとおりです。

   平成29年12月3日(日)10:00~12:00
    科目:企業年金及び確定拠出年金
     A分野の国民年金基金や企業年金制度並びにB分野について講義と
     問題演習を行います。改正点も多く、外せない講義です。

    平成29年12月10日(日)10:00~12:00
    科目:C分野・D分野
     C分野・D分野の頻出論点について講義します。

  平成29年12月17日(日)10:00~12:00
  科目:計算演習
     退職給付会計、C・D分野の計算問題トレーニングです(解説あり)。
     教室で他の受講生とともに一斉に問題を解く。試験本番さながらの
     雰囲気の中で、アウトプット力を高めたい方におすすめです。

  平成29年12月17日(日)13:00~14:30
  科目:AB分野補習
      公的年金、私的年金、DCの問題演習

  平成30年1月8日(月・祝)13:00~17:00
  科目:直前最終チェック(全分野)
       全分野の総復習です。応用編の答案作成練習を中心に、講義では
     取り上げられなかった解法テクニックなど、目から鱗の演習です。

 ※A分野公的年金、B分野退職給付会計、退職給付制度の移行に関する講義は
  11月に実施し、終了しております。  


●会 場  大阪府立男女共同参画・青少年センター(ドーンセンター)
      (大阪市中央区大手前1丁目3-49)
      http://www.dawncenter.jp/shisetsu/map.html

●受講料  単科受講の場合、一科目の受講料
                : 5,000円(税込)
      ※受講料は、当日会場にて現金で申し受けます。

◆定 員:20名(先着順)

◆幹 事:みなとグローバル研究会 大阪大手門勉強会

◆申込先:参加を希望される場合は、下記のURLからお申込みください。
          http://www.benkyou-j.com/study/detail.php?sid=210


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5〉DCプランナー資格登録者の住所変更等手続きについて
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 DCプランナー資格登録者で、住所や勤務先、メールアドレス等を変更した
場合は、お手数ではございますが以下のいずれかのサイトから登録情報の変更
をご連絡ください。ご連絡をいただかないと、情報誌や資格更新に関する案内
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  (https://www.kentei.ne.jp/dcp/contact)
   ※ 『DCプランナー専用サイト』に未登録の方は、こちらからご連絡くだ
    さい。


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 次号(第362号)は、12月15日(金)に送信予定です。
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【企業年金総合プランナー(DCプランナー)メールマガジン】
  
    編集・発行:日本商工会議所 商工会議所年金教育センター 

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