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  》》企業年金総合プランナー(DCプランナー)メールマガジン《《

                         第359号(2017.11.1)
                           日本商工会議所
                     商工会議所年金教育センター

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          〉〉〉CONTENTS〈〈〈
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【企業年金あれこれ】
1〉「企業年金改正と海外からの示唆」(全3回)
   第2回 個人型DCの課題             
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【各種のデータ】
2〉確定拠出年金の施行状況(平成29年9月30日現在)~厚生労働省調べ
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【勉強会の開催情報】
3〉大阪で開催する勉強会のご案内               
  第13回 ホンネで語り合う企業年金事情
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4〉東京で開催する勉強会のご案内  
  「公的年金と私的年金(DC)の連携 ~オーストラリアの事例~」
                            (再掲)
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5〉大阪で開催する勉強会のご案内
   平成29年度「DCプランナー1級受験対策講座」(再掲)
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【日本商工会議所からのお知らせ】
6〉DCプランナー資格登録者の住所変更等手続きについて
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 このメールマガジンは、企業年金総合プランナー(DCプランナー)認定試
験に合格し、1級または2級の資格を登録された方々に対する情報提供サービ
スの一環として、原則、毎月2回(1日および15日)送信しています。
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1〉「企業年金改正と海外からの示唆」(全3回)
   第2回 個人型DCの課題     遠藤 忠彦
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 確定拠出年金(以下、DC)では、2017年1月から個人型DCの対象者の拡
大が行なわれました。加入対象に公務員、専業主婦や企業年金を持たない従業
員が加わり、これで原則60歳未満の公的年金の被保険者全体が加入対象となり
ました。このように、幅広く加入対象となる個人年金は海外でも見られます。

 第2回は、個人型DCを海外と比較して、課題や示唆を考えます。

 個人型DCの主な課題として、3点を取り上げます。(1)加入時や継続時の
教育が未整備、 (2)拠出限度額の仕組みが複雑、 (3)加入が60歳までと限定的
なことです。

 海外でも公的年金の上乗せとして、国民全体が加入可能な制度が存在します。
国が補助金や税制優遇を通じて、個人の自助努力による老後資金形成を支援す
るのが目的です。米国のIRA(個人退職勘定)は、広く所得のある国民が対
象で、企業年金の上乗せになるものです。401(k)プランや米国での適格年金の
資金の受け皿にもなっています。英国では、従業員は、企業年金か公的機関で
あるNEST(国家雇用貯蓄信託)に自動的に加入する必要があります。他に
はニュージーランドのキウイ年金、ドイツのリースター年金などがあります。

1.加入者教育
 DCは、従業員、個人が運用するため、加入者教育が義務付けられています。
企業型DCでは、事業主の義務であり、加入者セミナーやテキスト、ビデオな
どの媒体を工夫して制度、生活設計、投資知識の周知を図っています。個人型
では、実施主体は国民年金基金連合会ですが、委託を受ける運営管理機関(金
融機関)が、加入時に冊子やホームページで情報提供を行っています。しかし、
対象が、自営業者、専業主婦、会社員と幅広く、金融機関によって内容も様々
です。事業主が給与天引きを行うこともあり、教育の責任の所在がはっきりし
ません。

 自己責任の意識や投資知識が比較的豊富な欧米と違って、日本の場合、幅広
く情報提供することが必要です。教育に国が主体的にかかわるのが1つの方法
です。ニュージーランドのキウイ年金は、国からの補助金、企業拠出があり、
子供から大人まで加入可能で、新入社員は自動加入します。希望しない場合に
は、脱退が可能です。国民性から貯蓄率が低い事情があり、政府機関
(Commission for Financial Capability)が制度説明や生活設計・投資教育を
担っています。インターネットを中心に冊子、パンフレット、ソフトの提供、
企業・学校でのセミナー支援(視聴覚教材、ガイド、テキストの提供)を行っ
ており、わかりやすく楽しめる内容としています。選択肢となる商品の説明は、
各受託の金融機関などが行い、制度説明や手続きの情報提供は、管理機関であ
る国(国税庁)が行っています。日本でも、専門機関が制度説明、生活設計や
投資教育を担い、運営管理機関は、運用商品の説明に注力するのが、加入者間
の公平性や質の担保の点で良いのではないでしょうか。

2.拠出限度額
 個人型に関わる限度額は、公的年金の被保険者の種別や企業年金の有無など
で7パターン(金額は4種類)あり、他に企業型DCが2種類あります。種類
が多く複雑であることから、改正DC法の国会議論でも、拠出限度額の整理は
検討課題になっています。

 米国のIRAでは年間5,500ドル(約62万円)、50歳以上は6,500ドル(約73
万円)〈2017年〉です。会社員はIRAの他に401(k)プランに18,000ドル
(約203万円)、50歳以上は24,000ドル(約271万円)まで拠出できます。

 日本の場合、税収が減ることを避けるため、なるべく限度額を抑えようとし
ますが、欧米では、老後資金形成が優先されていると感じます。

3.加入年齢
 DCは原則60歳までしか加入できませんが、2014年から企業型においては、
規約に定めれば65歳まで加入が可能です。国民年金基金では可能ですが、個人
型では、国民年金の60歳以降の任意加入者でも加入できません。雇用延長の動
きや自営業者に定年がないことを考慮し個人型でも延長すべきでしょう。
 米国のIRAでは70.5歳まで、キウイ年金でも65歳まで加入可能です。
 不断の見直しが求められます。

 次回は、その他の改正項目の課題を見ていきます。


*執筆者紹介
  遠藤 忠彦
  遠藤年金労務コンサルティング・代表
  1級DCプランナー(企業年金総合プランナー)、特定社会保険労務士


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2〉確定拠出年金の施行状況(平成29年9月30日現在)~厚生労働省調べ
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 厚生労働省のHPに掲載されている「確定拠出年金の施行状況」の直近の
データについて、その内容を以下にご紹介します。
 アドレスは、こちらです。
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/nenkin/nenkin/kyoshutsu/sekou.html

◆企業型年金の規約数等 	       
(1)承認規約数 	       5,564件
(2)加入者数        約6,323千人(平成29年8月末現在 速報値)
 (3)実施事業主数     28,143社

◆個人型年金の加入者等 	
 (1)第1号加入者      103,269人
 (2)第2号加入者      534,244人
 (3)第3号加入者       14,668人
 (4)合 計            652,181人
 (5)事業所登録        275,582事業所
			
◆登録運営管理機関 	   208社
 

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3〉大阪で開催する勉強会のご案内               
  第13回 ホンネで語り合う企業年金事情
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◆内 容
 厚生年金基金、確定給付企業年金、確定拠出年金等、各企業年金の動向や現
場の動き、実際の改革事例、退職給付会計の動向、基金やDBの資産運用動向、
DC投資教育の動向、諸外国の年金動向など、幅広い内容をもとに、年金基金
の担当の方、企業の人事・労務担当の方、財務部門の方、事業主の方、運用機
関の方、コンサルタント等、それぞれの立場から自由に意見を語り合える場に
してまいります。企業年金にご関心のある方のご参加をお待ちしております。

 平成30年に向けて、確定給付企業年金と確定拠出年金、両者に大きな改正が
予定されています。一方でこの改正に反対意見もあり、支障をきたす可能性も
見えてきました。また、働き方改革が進められ様々な施策がとられる中、企業
年金のあり方も変わってくる可能性があり、担当者も頭を柔らかくして臨んで
いかなければならない局面が予想されます。新しいユニークな制度の事例も生
まれてきました。イデコ、つみたてNISA、リスク分担型企業年金等の動向
も含め、この新しい波を解説いたします。

◆日 時:12月17日(日)13:00~15:00 (受付開始12:45)

◆会 費:3,500円(お支払方法は、お申込み完了後にお知らせいたします)

◆講  師:登録講師
      1級DCプランナー(企業年金総合プランナー)

◆会 場:大阪府立男女共同参画・青少年センター(ドーンセンター)
     大阪市中央区大手前1丁目3番49号
     http://www.dawncenter.jp/shisetsu/map.html

◆定 員:20名
         
◆幹 事:みなとグローバル研究会 大阪大手門勉強会 担当:上田 雅敏

◆申込先:参加を希望される場合は、下記のURLからお申込みください。
     http://benkyou-j.com/study/detail.php?sid=211


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4〉東京で開催する勉強会のご案内  
  「公的年金と私的年金(DC)の連携 ~オーストラリアの事例~」
                            (再掲)
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◆内 容

 本勉強会では、オーストラリアの公的年金・私的年金制度の概要と、それぞ
れの役割分担の目安として活用されている「家計アプローチ」について解説し
ます。

 日本の公的年金制度には、制度の持続性を高めることを目的として「マクロ
経済スライド」が2004年から導入され、所得代替率の低下が不可避ですが、
低下した公的年金でどの程度の生活水準が達成できるのか、国民全員が充分に
理解しているとは思えません。公的年金を補完する企業年金制度や自助努力に
ついても、その必要性は強調されていますが、それらによって具体的にどの程
度の生活水準を享受できるのか、客観的な指標が公表され周知されているわけ
ではありません。

 オーストラリアでは、税方式の公的年金制度は「最低生活保障」のための制
度で、「標準的な生活水準」に要する費用には「スーパーアニュエーション
(DC)」の給付を上乗せして達成することとされています。さらに余裕のある
生活のためには、自助努力を追加することとされています。

 それぞれの生活水準に対応した生活費は、「家計アプローチ」によって、物
品や利用するサービスについて具体的な品目・価格・利用頻度などが公表され
国民に周知されています。また、品目や価格は定期的に見直しされます。

  日本でも、公的年金・私的年金・自助努力の役割分担・連携を議論するため
の参考事例として家計アプローチを検討する必要がありますが、検討の留意点
なども解説します。


◆日 時:平成29年11月22日(水)18:30~20:30(受付18:10~)

◆会 費:3,500円(会場にて申し受けます)

◆講 師:佐野 邦明
     (株)CAC専門顧問(元 三菱UFJ信託銀行)
     年金数理人
     日本アクチアリー会正会員
     日本年金学会会員

◆会 場:エムワイ貸会議室高田馬場
     東京都新宿区高田馬場1-29-9 TDビル
http://meijiyasuda-life-hall.com/kashikaigishitsu-takadanobaba/access.html

◆定 員:40名(先着順)

◆申込み:Eメールにて、タイトルに「11月22日勉強会参加希望」と記載し、
     お名前、所属につきまして、以下のアドレス宛てにお送りください。
      admin@globalmind.co.jp

◆幹 事:みなとグローバル研究会 (旧:企業実務研究会)
     事務局 大高 直美


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5〉大阪で開催する勉強会のご案内
   平成29年度「DCプランナー1級受験対策講座」(再掲)
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 例年ご好評をいただいている1級DCプランナー試験の受験対策講座を今年
も開講いたします。本講座では、公的年金、企業年金等のエキスパートとして
活躍されている講師をお招きし、基礎からわかりやすく講義いたします。
 基本、全科目受講していただく前提で講義を進めますが、ご予定の都合で全
科目受講できない方は、一科目ずつ受講することも可能です。

●スケジュールは下記のとおりです。

   平成29年11月16日(木)18:00~21:00
    科目:公的年金
     A分野の公的年金について講義します。

  平成29年11月18日(土)18:00~21:00
    科目:退職給付会計
     A分野・B分野の退職給付会計、退職給付制度の移行について講義
     します。
  
   平成29年12月3日(日)10:00~12:00
    科目:企業年金及び確定拠出年金
     A分野の国民年金基金や企業年金制度並びにB分野について講義と
     問題演習を行います。改正点も多く、外せない講義です。

    平成29年12月10日(日)10:00~12:00
    科目:C分野・D分野
     C分野・D分野の頻出論点について講義します。

  平成29年12月17日(日)10:00~12:00
  科目:計算演習
     退職給付会計、C・D分野の計算問題トレーニングです(解説あり)。
     教室で他の受講生とともに一斉に問題を解く。試験本番さながらの
     雰囲気の中で、アウトプット力を高めたい方におすすめです。

  平成30年1月8日(月・祝)13:00~17:00
  科目:直前最終チェック(全分野)
       全分野の総復習です。応用編の答案作成練習を中心に、講義では
     取り上げられなかった解法テクニックなど、目から鱗の演習です。


●会 場  大阪府立男女共同参画・青少年センター(ドーンセンター)
      (大阪市中央区大手前1丁目3-49)
      http://www.dawncenter.jp/shisetsu/map.html

●受講料  全科目パックの受講料:20,000円(税込)
      単科受講の場合、一科目の受講料
                : 5,000円(税込)
      ※受講料は、当日会場にて現金で申し受けます。

◆定 員:20名(先着順)

◆幹 事:みなとグローバル研究会 大阪大手門勉強会

◆申込先:参加を希望される場合は、下記のURLからお申込みください。
          http://www.benkyou-j.com/study/detail.php?sid=210


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6〉DCプランナー資格登録者の住所変更等手続きについて
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 DCプランナー資格登録者で、住所や勤務先、メールアドレス等を変更した
場合は、お手数ではございますが以下のいずれかのサイトから登録情報の変更
をご連絡ください。ご連絡をいただかないと、情報誌や資格更新に関する案内
文書の送付、メールマガジンの配信等ができなくなりますのでご注意ください。

〇『DCプランナー専用サイト』基本メニュー内 登録情報変更(住所変更な
  ど)のコーナー(https://dcplanner.cloud-cafe.biz)
  ※ 1級および2級DCプランナーとして資格をご登録いただいている方の
    専用サイトです。
    同サイトのご利用に当たっては、最初に別途メールアドレス等をご登録
    いただく必要があります。
  ※ ご連絡の際は、ご登録の情報を修正後「資格登録情報も合わせて変更す
    る」ボタンをクリックしてください。

〇『商工会議所検定試験サイト』DCプランナー 登録情報変更連絡コーナー
  (https://www.kentei.ne.jp/dcp/contact)
   ※ 『DCプランナー専用サイト』に未登録の方は、こちらからご連絡くだ
    さい。


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 次号(第360号)は、11月15日(水)に送信予定です。
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【企業年金総合プランナー(DCプランナー)メールマガジン】
  
    編集・発行:日本商工会議所 商工会議所年金教育センター 

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 ください。
 E-Mail:nenkin@jcci.or.jp
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