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  》》企業年金総合プランナー(DCプランナー)メールマガジン《《

                        第354号(2017.8.15)
                          日本商工会議所
                    商工会議所年金教育センター

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          〉〉〉CONTENTS〈〈〈
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【連載記事】
1〉「平成29年の年金改正事項の解説」全3回
      第3回 平成29年年金改正の意味するもの      
───────────────────────────────────
2〉1級DCプランナー(企業年金総合プランナー)認定試験
  答案練習(全8回)
  2017年度試験対策 [第4回] 
  B分野:確定拠出年金制度
───────────────────────────────────
【勉強会の開催情報】
3〉大阪で開催する勉強会のご案内
  「2017年度 1級DCプランナー受験対策講座 プレ講座」  
───────────────────────────────────
4〉大阪で開催する勉強会のご案内
  「第12回 ホンネで語り合う企業年金事情」
───────────────────────────────────
【日本商工会議所からのお知らせ】
5〉DCプランナー資格登録者の住所変更等手続きについて
───────────────────────────────────
 このメールマガジンは、企業年金総合プランナー(DCプランナー)認定試
験に合格し、1級または2級の資格を登録された方々に対する情報提供サービ
スの一環として、原則、毎月2回(1日および15日)送信しています。
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1〉「平成29年の年金改正事項の解説」全3回
      第3回 平成29年年金改正の意味するもの  松村 正明
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 第3回では、その他の改正事項として「短時間労働者への被用者保険の適用
拡大」の概要および「平成29年年金改正のポイント」について解説します。

<短時間労働者の被用者保険の拡大>
 平成28年9月までは、所定労働時間が正社員の4分の3未満の短時間労働者は、
厚生年金・健康保険の適用が受けられませんでした。それが、平成28年10月から
労働者数 501人以上の企業で働く者で週20時間以上の勤務等の一定の条件を満た
す者について、厚生年金・健康保険が適用されることになりました。さらに平成
29年4月からは、500人以下の企業についても労使合意があれば、短時間労働者の
厚生年金・健康保険の適用が可能になりました。今回の改正は、法施行後3年以
内に検討を加え、その結果に基づき必要な措置を講ずることになっていますので
近い将来すべての企業に適用されることになると思います。

<年金保険料の水準固定>
 平成16年の年金法の制度改正で保険料水準固定方式が採用され、年金の保険料
は毎年引上げられてきましたが、平成29年度以降は、厚生年金保険料は18.3%、
国民年金保険料は16,900円(平成16年度価格)に保険料改定率を乗じた額に固定
されることになります。ただし、国民年金の保険料は、平成31年度からは、国民
年金第1号被保険者の産前産後期間の保険料免除のための財源として、月額100円
の追加負担が予定されています。

<平成29年の改正のポイント>
 平成29年の改正で年金制度は大きくかわりました。
 厚生年金保険の加入条件ついて、今までは所定労働時間が正社員の4分の3以
上であったものとなっていましたが、これからは一定の条件を満たせば週20時間
以上の短時間労働者も対象になります。非正規社員の方は、年金・保険の適用で
メリットは大きいのですが、国民年金の第3号の方は、厚生年金保険料・健康保
険料等の社会保険料を負担することになります。

 年金受給資格については、現在の受給資格期間25年が、10年に短縮されます。
年金は貰えないと諦めていた方が貰えるようになりました。ただし、貰える年金
は少額です。また、今回の改正は高齢無年金者の救済措置であり、保険料を10年
払えばそれで払わなくてよくなるわけではありません、年金保険料の納付は義務
です。年金保険料の未納者に対す強制徴収措置は、今後はマイナンバー制度も活
用して今以上に強化されます。

 年金受給者の方は、年金額の改定ルールの見直しによって賃金が下がった場合
は年金額が下がり、物価が上がってもマクロ経済スライドによって年金は据え置
かれることになります。公的年金収入だけの年金受給者の実質的な生活水準は低
下していきます。年金受給者にとっては厳しい時代になります。

<今回の改正は年金の賦課方式の維持のため>
 日本の年金制度は、賦課方式を採用しています。賦課方式とは、現役世代が納
めた保険料でそのときの年金受給者の年金の支払いを賄う方式です。しかし日本
は少子高齢化で超高齢化社会になっています。支え手である保険料の負担者は少
子化により減少し、貰い手である年金受給者は高齢化により増加します。年金保
険料は、現役世代の負担を考慮して保険料水準固定方式によって、これ以上引上
げができません。

 今回の年金制度の改正は、持続可能な年金制度の運営にむけて(=賦課方式を
維持するため)、支え手となる現役世代の保険料収入を増やすため、短時間労働
者の被用者保険の適用拡大により、保険料の納付者を増やします。非正規の方は
厚生年金の保険者となり、国民年金第3号の方は、今まで自ら保険料負担をしな
かったのが納付の義務を負うことになります。また、貰い手である年金受給者の
年金額を抑えるために、年金額の改定ルールの見直しを行いました。

<自分の老後は自分で守る>
 公的年金は、マクロ経済スライドにより所得代替率の50%の支給水準(今の水
準の約2割の減額)まで下がっていきます。公的年金だけでは、老後生活を賄う
ことができなくなります。そのため、老後の生活資金を準備するための自助努力
を支援するため、平成29年1月から個人型確定拠出年金の加入者範囲の見直しが
行われました。

 自分の老後は自分で守るため、出来るだけ長く厚生年金に加入(今回の短時間
労働者の適用拡大で加入しやすくなりました)して年金額を増やす、個人型確定
拠出年金等を活用して老後資金を準備する等を考える必要があります。


*執筆者紹介
 松村 正明 (まつむら まさあき)
 社会保険労務士FP事務所 所長 (元みずほ信託銀行)
 1級DCプランナー(企業年金総合プランナー)、特定社会保険労務士
 CFP(R)、1級ファイナンシャルプランニング技能士


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2〉1級DCプランナー(企業年金総合プランナー)認定試験
  答案練習(全8回)
  2017年度試験対策 [第4回] 
  B分野:確定拠出年金制度
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【問題】(2017年1月出題)

 次の各問(《問1》~《問2》)に答えなさい。

《問1》 確定拠出年金の企業型年金への資産等の移換に関する次の記述のう
 ち、不適切なものはどれか。  

 1) 中小企業者でなくなったために中小企業退職金共済に加入できなくな
   った企業は、所定の要件のもとに、解約手当金相当額を確定拠出年金の
   企業型年金に移換できる。
 2) 確定給付企業年金を実施している企業を退職し、転職先で確定拠出年
   金の企業型年金の加入者となった場合は、確定給付企業年金の脱退一時
   金相当額を当該企業型年金に移換することができるが、自営業者となり
   確定拠出年金の個人型年金の加入者となった場合は、移換することがで
   きない。
 3) 退職一時金から確定拠出年金の企業型年金に制度を移行する場合の資
   産の移換は複数年にわたり行われるが、移換期間の途中で企業型年金加
   入者がその資格を喪失することとなる場合は、当該企業型年金加入者に
   係る移換資産のうちまだ移換されていないものは一括して移換される。
 4) 確定拠出年金の企業型年金に資産の移換が行われた場合、移換された
   資産の額の算定の基礎となった期間は、原則として通算加入者等期間に
   算入されるが、当該期間が確定拠出年金の加入者期間または運用指図者
   期間等と重複する場合は、算入されない。

《問2》 確定拠出年金における国民年金基金連合会の役割等に関する次の記
 述のうち、不適切なものはどれか。

 1) 国民年金基金連合会は、運営管理業務を確定拠出年金運営管理機関に
   委託しなければならず、自らが確定拠出年金運営管理機関として個人型
   年金を実施することはできない。
 2) 国民年金基金連合会は、確定拠出年金を実施する事業主や確定拠出年
   金運営管理機関等と同様に、資産の運用に関する情報提供(いわゆる投
   資教育)の実施について、きわめて重い責務を負っている。
 3) 国民年金基金連合会は、個人型年金の掛金の収納または還付に関する
   事務、および掛金が拠出限度額の範囲内であることの確認に関する事務
   を、銀行その他の政令で定める金融機関に委託することができる。
 4) 国民年金基金連合会は、加入者等に特定の運用の方法について指図を
   行うことまたは行わないことを勧めてはならないのみならず、確定拠出
   年金運営管理機関に、加入者等に特定の運用の方法について指図を行う
   ことまたは行わないことを勧めさせることもしてはならない。


※ 本練習問題の解答・解説については、資格登録者のみに公開しています。
    

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3〉大阪で開催する勉強会のご案内
  「2017年度 1級DCプランナー受験対策講座 プレ講座」
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 下記のとおり大阪で勉強会を開催いたします。

 1級DCプランナーについては、2級より広範囲から出題され、記述式もあ
り、難しいと思われている方も多いと思います。とはいえ、2級との共通範囲
も多く、ここをしっかり押さえておくことが合格の早道でもあります。
 今回の勉強会では、DCプランナー試験に習熟した講師がABCDの4分野
にわたって基礎からじっくり解説いたします。
 

◆日 時:9月18日(月)13:00~14:45 (受付開始12:45)

◆会 費:3,500円(お支払方法は、お申込み完了後にお知らせいたします)

◆講  師:登録講師
      1級DCプランナー(企業年金総合プランナー)

◆会 場:大阪府立男女共同参画・青少年センター(ドーンセンター)
          中会議室3
     大阪府大阪市中央区大手前1丁目3番49号
    【アクセス】
     http://www.dawncenter.jp/shisetsu/map.html

◆定 員:20名

◆幹 事:みなとグローバル研究会 大阪大手門勉強会

◆申込先:参加を希望される場合は、下記のURLからお申込みください。
      http://www.benkyou-j.com/study/detail.php?sid=208


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4〉大阪で開催する勉強会のご案内
  「第12回 ホンネで語り合う企業年金事情」
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 下記のとおり大阪で勉強会を開催いたします。

 厚生年金基金、確定給付企業年金、確定拠出年金等、各企業年金の動向や現
場の動き、実際の改革事例、退職給付会計の動向、基金やDBの資産運用動向、
DC投資教育の動向、諸外国の年金動向など幅広い内容をもとに、年金基金の
担当の方、企業の人事・労務担当の方、財務部門の方、事業主の方、運用機関
の方、コンサルタント等、それぞれの立場から自由に意見を語り合える場にも
してまいります。企業年金にご関心のある方のご参加をお待ちしております。

 今回の勉強会も内容盛りだくさんとなります。DCについては、平成30年実
施予定の改正に加え、ゆうちょが全国の直営郵便局2万局で紹介業務を開始す
るなど、イデコの動きが活発になっていますので、イデコの加入状況、一般の
方にどのくらい広がってきているか、個人・法人の眼で探ります。
 DBの話もあり、リスク分担型企業年金の動向や、総合型DBの運営が厳し
くなる議論、今後の行く末等にまつわる話をご紹介いたします。 
 公的年金についても、支給開始年齢の75歳引き上げ議論や10年の加入期間で
年金がもらえるようになることが企業年金等に与える影響など、他ではなかな
か聞けない話をいたします。


◆日 時:9月18日(月)15:00~17:00 (受付開始14:45)

◆会 費:3,500円(お支払方法は、お申込み完了後にお知らせいたします)

◆講  師:登録講師
      1級DCプランナー(企業年金総合プランナー)

◆会 場:大阪府立男女共同参画・青少年センター(ドーンセンター)
          中会議室3
     大阪府大阪市中央区大手前1丁目3番49号
    【アクセス】
     http://www.dawncenter.jp/shisetsu/map.html

◆定 員:20名

◆幹 事:みなとグローバル研究会 大阪大手門勉強会

◆申込先:参加を希望される場合は、下記のURLからお申込みください。
           http://www.benkyou-j.com/study/detail.php?sid=209


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【日本商工会議所からのお知らせ】
5〉DCプランナー資格登録者の住所変更等手続きについて
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 DCプランナー資格登録者で、住所や勤務先、メールアドレス等を変更した
場合は、お手数ではございますが以下のいずれかのサイトから登録情報の変更
をご連絡ください。ご連絡をいただかないと、情報誌や資格更新に関する案内
文書の送付、メールマガジンの配信等ができなくなりますのでご注意ください。

〇『DCプランナー専用サイト』基本メニュー内 登録情報変更(住所変更な
  ど)のコーナー(https://dcplanner.cloud-cafe.biz)
  ※ 1級および2級DCプランナーとして資格をご登録いただいている方の
    専用サイトです。
    同サイトのご利用に当たっては、最初に別途メールアドレス等をご登録
    いただく必要があります。
  ※ ご連絡の際は、ご登録の情報を修正後「資格登録情報も合わせて変更す
    る」ボタンをクリックしてください。

〇『商工会議所検定試験サイト』DCプランナー 登録情報変更連絡コーナー
  (https://www.kentei.ne.jp/dcp/contact)
   ※ 『DCプランナー専用サイト』に未登録の方は、こちらからご連絡くだ
    さい。


◆◆━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━◆◆

 次号(第355号)は、9月1日(金)に送信予定です。
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【企業年金総合プランナー(DCプランナー)メールマガジン】
  
    編集・発行:日本商工会議所 商工会議所年金教育センター  

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 ください。
 E-Mail:nenkin@jcci.or.jp
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