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  》》企業年金総合プランナー(DCプランナー)メールマガジン《《

                        第352号(2017.7.18)
                          日本商工会議所
                    商工会議所年金教育センター

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          〉〉〉CONTENTS〈〈〈
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【連載記事】
1〉「平成29年の年金改正事項の解説」全3回
      第2回 年金受給資格期間の短縮           
───────────────────────────────────
2〉1級DCプランナー(企業年金総合プランナー)認定試験
  答案練習(全8回)
  2017年度試験対策 [第3回] 
  A分野:わが国の年金制度
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【勉強会の開催情報】
3〉東京で開催する勉強会のご案内    
  「DB法改正、DC法改正事項の解説」(再掲)
───────────────────────────────────
4〉大阪で開催する勉強会のご案内    
  「2017年度 DCプランナー2級受験対策講座」(再掲)
───────────────────────────────────
【日本商工会議所からのお知らせ】
5〉DCプランナー資格登録者の住所変更等手続きについて
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 このメールマガジンは、企業年金総合プランナー(DCプランナー)認定試
験に合格し、1級または2級の資格を登録された方々に対する情報提供サービ
スの一環として、原則、毎月2回(1日および15日)送信しています。
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1〉「平成29年の年金改正事項の解説」全3回
      第2回 年金受給資格期間の短縮    松村 正明
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 第2回は「年金受給資格期間の短縮」について解説します。

<法律改正の背景>
 無年金者の問題はかねてから年金制度の課題の一つでした。社会保障・税一
体改革において年金を受け取れる方を増やし、納めた年金保険料を年金の支払
いにつなげる観点から消費税の10%増税を条件に、年金の受給資格期間を25年
から10年に短縮することになっていました。しかし、景気の低迷等で、消費税
の増税時期が2度にわたり延期されました。

 今回、消費税の10%増税が平成29年4月から平成31年10月に再延期されまし
たが、無年金者である高齢者を早期に救済するため、年金受給資格期間の短縮
については、平成29年8月1日から前倒しで実施されることになりました。

<年金受給資格期間短縮の概要>
 短縮年金(年金加入期間が10年以上25年未満の年金)の対象は、老齢給付の
老齢基礎年金、老齢厚生年金、退職共済年金、これに準ずる旧法の老齢年金です。
要件を満たせば加給年金および振替加算も支給されます。遺族給付については、
寡婦年金、旧法の寡婦年金の要件は10年に短縮されましたが、遺族厚生年金の
長期要件は25年のままです。今までは、老齢厚生年金を受給していれば、遺族
厚生年金の長期要件に該当しましたが、平成29年8月1日以降は、短縮年金の
受給者は該当しませんので注意が必要です。

<経過措置者に対する短縮TA(ターンアラウンド)請求書の対応>
 無年金である高齢者も、短縮年金の要件を満たせば、経過措置として、平成
29年8月1日に受給権が発生し9月分から年金が支給されます。

 経過措置者(年金の支給開始年齢に達している年金加入期間10年以上25年未
満の方)のうち65歳以上の方は約40万人、65歳未満の方は約24万人、遺族・障
害年金のみ受給して老齢給付を受給していない方は約10万人で、合計約74万人
の方がいます。この方々に対して日本年金機構は、事前に短縮TA請求書(封
筒および用紙の色は黄色で表紙の右上には短縮と表示)を送付して事前に請求
手続きの受付を行っています。

 老齢給付の受給資格期間は、カラ期間を含めて10年以上となります。年金事
務所では、経過措置者が請求手続きを行う場合、未統合の年金加入記録・カラ
期間(今回の短縮TA請求書にはカラ期間の申立書がついています)の確認を
行います。カラ期間を含めて25年以上ある方は、本来の受給開始年齢に遡って、
10年以上25年未満の方は平成29年8月1日に受給権が得られます。

<年金加入期間10年未満の方への対応>
 年金加入期間が10年未満の方についても、カラ期間を含めて10年を満たす場
合は年金が貰えます。年金加入期間が10年未満の方は、未統合の年金加入記録
・カラ期間の確認を行い、それでも足りない場合は、5年の後納制度(平成30
年9月までの経過措置)を利用して10年を満たせば年金が貰えます。

 それでも足りない場合は、年齢が65歳前の方は国民年金の任意加入制度、65
歳を過ぎている方は70歳までの国民年金の高齢任意加入制度、70歳以上の方は
厚生年金の高齢任意加入制度を利用して保険料を納めることにより、受給資格
期間を満たすことができます。

 今回の受給資格期間の短縮によって、60歳まで年金に未加入であっても任意
加入制度を利用して60歳から10年間国民年金の保険料を納めることによって、
70歳から年金をもらうことができます。

<海外の方は、社会保障協定を利用>
 海外の方も日本を出国した場合は脱退一時金を受け取っていましたが、受給
資格期間が10年に短縮され、社会保障協定(通算制度がある場合は日本の加入
期間+海外の加入期間が10年以上の場合)を利用することにより日本から年金
が支給されます。

<受給資格期間の短縮の年金額>
 受給資格期間の短縮によって、今まで年金が貰えないと諦めていた方が年金
を貰えるようになりました。年金額は,国民年金10年の方は、年額19.5万円、
厚生年金加入期間20年平均給与25万円の方は、81.7万円です。さらに、要件を
みたせば、加給年金や振替加算も支給されます。たとえ少額の年金であっても、
老齢年金は終身でもらえるありがたい制度です。これまでもらえなかった年金
が一生貰えるわけですから、老後生活にはとてもプラスです。

 しかしながら、短縮年金の請求書を送付しても実際に手続きをとられた方は
半分以下です。日本年金機構では、短縮年金の請求書を送っても手続きをとっ
ていない方に対して請求の勧奨を行っています。みなさんの周りの方で手続き
を取られていない方がいましたら、手続きを行うように勧めてください。

*執筆者紹介
 松村 正明 (まつむら まさあき)
 社会保険労務士FP事務所 所長 (元みずほ信託銀行)
 1級DCプランナー(企業年金総合プランナー)、特定社会保険労務士
 CFP(R)、1級ファイナンシャルプランニング技能士


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2〉1級DCプランナー(企業年金総合プランナー)認定試験
  答案練習(全8回)
  2017年度試験対策 [第3回] 
  A分野:わが国の年金制度
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【問題】(2017年1月出題)

 次の各問(《問1》~《問2》)について答えなさい。

《問1》 公的年金制度の老齢給付に関する次の記述のうち、不適切なものは
       どれか。 
 

 1) 65歳到達時に老齢基礎年金の受給権を有する昭和21年10月5日生まれ
   の男性が、70歳到達後の平成29年1月に老齢基礎年金の繰下げ支給の申
   出をした場合、その男性に対する老齢基礎年金は、平成28年11月分から
   支給される。
 2) 65歳到達時に老齢基礎年金と老齢厚生年金の受給権を有する昭和27年
   1月15日生まれの男性は、所定の手続により、老齢厚生年金の受給開始
   を65歳からとし、老齢基礎年金の受給開始を66歳からとすることができ
   る。
 3) 昭和27年1月20日生まれの障害基礎年金の受給権者が、65歳到達時に
   老齢基礎年金および老齢厚生年金の受給権を取得した場合は、老齢基礎
   年金および老齢厚生年金の繰下げ受給はできない。
 4) 在職中の者が老齢厚生年金の繰下げ支給の申出をした場合、繰下げ加
   算の対象となる年金額は在職老齢年金の仕組みによる調整後の年金額で
   ある。


《問2》 国民年金基金の加入員としての資格に関する次の記述のうち、不適
       切なものはどれか。
 

 1) 国民年金基金は、国民年金の保険料を納めている20歳以上60歳未満の
   第1号被保険者が加入できる制度であるため、日本国内に住所を有する
   60歳以上65歳未満の国民年金の任意加入被保険者は加入できない。
 2) 国民年金基金の加入員が、国民年金の第1号被保険者の資格を喪失し
   た場合、または第2号もしくは第3号被保険者となった場合は、加入員
   の資格を喪失する。
 3) 国民年金基金の加入員が、国民年金の保険料に係る申請免除により保
   険料の全額免除あるいは半額免除等を受けた場合は、加入員の資格を喪
   失する。
 4) 学生納付特例制度の適用を受けている者は、国民年金基金に加入でき
   ない。

※ 本練習問題の解答・解説については、資格登録者のみに公開しています。
    

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3〉東京で開催する勉強会のご案内    
  「DB法改正、DC法改正事項の解説」(再掲)
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◆内 容
  DB制度において、今年1月の政省令改正により、新しい財政運営ルールが
適用となり、リスク対応掛金の設定やリスク分担型企業年金の設計が行えるこ
ととなりました。また、DC制度においても、昨年の改正法公布後、個人型DC
適用範囲拡大等の改正が進むと共に、直近では、社会保障審議会(確定拠出年
金の運用に関する専門委員会)において、運用商品提供数の上限・指定運用方
法の基準等について議論が行われ報告書が取りまとめられました。

 本勉強会では、DB政省令改正を踏まえたDB制度運営の方向性や留意点、
社会保障審議会での最新議論の内容も踏まえたDC制度の運営における課題と
対応について、わかりやすく解説します。

◆日 時:7月25日(火)18:30~20:30(受付18:10~)

◆会 費:3,500円(会場にて申し受けます)

◆講 師:田尻 一臣 
     三菱UFJ信託銀行 年金コンサルティング部 リサーチG

◆会 場:エムワイ貸会議室高田馬場
     東京都新宿区高田馬場1-29-9 TDビル
 http://meijiyasuda-life-hall.com/kashikaigishitsu-takadanobaba/access.html

◆定 員:40名(先着順)

◆申込み:Eメールにて、タイトルに「7月25日勉強会参加希望」と記載し、
     お名前、所属につきまして以下アドレスにお送りください。
      admin@globalmind.co.jp

◆幹 事:みなとグローバル研究会
     事務局 大高 直美


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4〉大阪で開催する勉強会のご案内    
  「2017年度 DCプランナー2級受験対策講座」(再掲)
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 下記のとおり大阪で勉強会を開催いたします。
 お知り合いでこれから2級試験を受験される方にも是非ご案内ください。

 2017年9月10日(日)に実施される2級DCプランナー試験のための対策講座
です。2級に合格して1級受験を考えている方や、DCや投資教育のお仕事を
されている方の基礎知識の復習や苦手分野のブラッシュアップにも最適です。

 独学で参考書を読んでもよくわからない。
 公的年金がなかなか覚えられない。
 企業年金や確定拠出年金が理解できない。
 シグマとかルート、正規分布やシャープレシオとか・・・投資は苦手。 
 問題の解き方に早道や裏技なんかあるの?
 こんな勉強法で本当に受かるの?自信が持てない。

 このようなお悩みの貴方には、この講座をお勧めします。経験豊富でオール
マイティな講師が、A、B、C、D全ての分野のかゆい所まで手が届くように
しっかりとレクチャーします。満足すること間違いなしです。

 ご受講をお待ちしております。

◆日 時:全2回コース
     第1回:8月19日(土)13:00~17:00 (受付開始12:45)
          第2回:8月26日(土)13:00~17:00 (受付開始12:45)

◆会 費:10,000円(お支払方法は、お申込み完了後にお知らせいたします)

◆講  師:登録講師
      1級DCプランナー(企業年金総合プランナー)

◆会 場:大阪府立男女共同参画・青少年センター(ドーンセンター)
     大阪府大阪市中央区大手前1丁目3番49号
    【アクセス】
     http://www.dawncenter.jp/shisetsu/map.html

◆定 員:10名

◆幹 事:みなとグローバル研究会 大阪大手門勉強会

◆申込先:参加を希望される場合は、下記のURLからお申込みください。
     http://benkyou-j.com/study/detail.php?sid=206


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【日本商工会議所からのお知らせ】
5〉DCプランナー資格登録者の住所変更等手続きについて
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 DCプランナー資格登録者で、住所や勤務先、メールアドレス等を変更した
場合は、お手数ではございますが以下のいずれかのサイトから登録情報の変更
をご連絡ください。ご連絡をいただかないと、情報誌や資格更新に関する案内
文書の送付、メールマガジンの配信等ができなくなりますのでご注意ください。

〇『DCプランナー専用サイト』基本メニュー内 登録情報変更(住所変更な
  ど)のコーナー(https://dcplanner.cloud-cafe.biz)
  ※ 1級および2級DCプランナーとして資格をご登録いただいている方の
    専用サイトです。
    同サイトのご利用に当たっては、最初に別途メールアドレス等をご登録
    いただく必要があります。
  ※ ご連絡の際は、ご登録の情報を修正後「資格登録情報も合わせて変更す
    る」ボタンをクリックしてください。

〇『商工会議所検定試験サイト』DCプランナー 登録情報変更連絡コーナー
  (https://www.kentei.ne.jp/dcp/contact)
   ※ 『DCプランナー専用サイト』に未登録の方は、こちらからご連絡くだ
    さい。


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 次号(第353号)は、8月1日(火)に送信予定です。
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【企業年金総合プランナー(DCプランナー)メールマガジン】
  
    編集・発行:日本商工会議所 商工会議所年金教育センター  

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 ください。
 E-Mail:nenkin@jcci.or.jp
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