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  》》企業年金総合プランナー(DCプランナー)メールマガジン《《

                         第349号(2017.6.1)
                          日本商工会議所
                    商工会議所年金教育センター

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          〉〉〉CONTENTS〈〈〈
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【企業年金あれこれ】
1〉「企業年金の制度・財政運営に係わる要望」(全4回)
   第1回 企業年金を取り巻く環境とその持続化に向けた要望事項
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【各種のデータ】
2〉確定拠出年金の施行状況(平成29年4月30日現在)~厚生労働省調べ
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【日本商工会議所からのお知らせ】
3〉DCプランナー資格登録者の住所変更等手続きについて
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 このメールマガジンは、企業年金総合プランナー(DCプランナー)認定試
験に合格し、1級または2級の資格を登録された方々に対する情報提供サービ
スの一環として、原則、毎月2回(1日および15日)送信しています。
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1〉「企業年金の制度・財政運営に係わる要望」(全4回)
   第1回 企業年金を取り巻く環境とその持続化に向けた要望事項
                           田川 勝久
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 平成20年のリーマン・ショックで傷んだ企業年金の財政状況は、平成24年度
以降の3年連続での高い運用実績で大きく回復し、昨年は5年振りにマイナス
実績となったものの、多くの基金では十分な積立水準が維持されています。
 しかしながら株式市場などにおいて相場が大きく変動するボラタイルな運用
環境が常態化し、マイナス金利政策による低金利状態が続くなか、企業年金の
制度運営において、特に財政検証での非継続基準や退職給付会計での対応につ
いて不安材料もあり、企業年金を取り巻く環境は引き続き厳しい状況が続くも
のと思われます。

  一方、制度面では、厚生労働省社会保障審議会の企業年金部会でのこれまで
の議論の中間整理を受けて、個人型DCの対象拡大やポータビリティ拡充など、
改正DC法の成立から政省令等が順次整備され、DB制度についても拠出弾力
化として「リスク対応掛金」と制度運営安定化の実現を目指す「リスク分担型
企業年金」の政省令等が1月に施行され、新たなハイブリッド年金制度の導入
が実現しました。

  また、今般の特別法人税の凍結再延長を受けて、来年度は年金課税のあり方
が税制検討課題の第一に掲げられ、企業年金部会でも「拠出時・給付時のDB
とDCイコールフッティング(取り扱いの平等)」の議論が再開されようとし
ています。こうした企業年金への課税対応如何では、各企業の退職給付制度の
今後の行方を大きく左右するものであり、企業年金にとって最大の正念場を迎
えるものと考えます。

 我が国企業年金制度は、昭和37年の税制適格年金スタート以来、半世紀以上
が経過しておりますが、ここまで普及・発展してきた企業年金を、公的年金を
補完し老後の所得保障を確保する安定した制度として、今後も持続・拡充させ
ていくことが企業年金関係者の責務と考えます。

 そのようなことを踏まえ、私の所属する年金実務者が多数集まる民間団体で
ある企業年金連絡協議会は、「平成28年度税制改正に関する要望」として下記
の事項について取りまとめ厚生労働省宛提出しました。


<DB関係要望事項>
 1.特別法人税の撤廃
 2.イコールフッティング議論への慎重対応  
 3.財政運営基準(特に財政検証基準)の見直し
 4.確定給付企業年金及び厚生年金基金における過去勤務債務(積立不足)
   に係る事業主掛金での一層の弾力的取扱い
 5.確定給付企業年金(基金型・規約型)における予算に基づく特例掛金等
   の掛金拠出の弾力化
 6.企業年金連絡協議会が提言した「新ハイブリッドDC(協働運用型DC
   制度、元本保証付き協働運用型DC制度)」及び「年金給付専用口座」
   の制度創設と非課税措置適用
 7.「退職所得の受給に関する申告書」「公的年金等の受給者の扶養親族等
   申告書」など、各種申告書への個人番号の記載不要化。また、「帳簿」
   要件の緩和 
 8.eLTAX届出に係る企業年金基金の法人証明の取得及び運用改善        
 9.一時金裁定請求での生年月日証明の不要化、及びマイナンバー活用によ
   る年金裁定請求における生年月日証明廃止など、各種裁定請求時の添付
   書類の不要化
 10.遺族・障害年金の支給・停止情報の提供、及び遺族給付金・未支給給付
   の支給・清算のための遺族情報の提供
 11.遺族給付金と過払金の相殺
 12.少額の過払い金等の債権放棄       
 13.職権による失権処理の実施                
 14.e-文書化の推進                         


<DC関係要望事項>
  1.確定拠出年金における拠出限度額の見直し、及びマッチング拠出での規
   制緩和
  2. 老齢給付金での通算加入者等期間に関する支給要件の撤廃
  3.関連会社転籍でのDC加入者資格の継続
  4.脱退一時金の受給要件の厳格化における外国籍非居住者への緩和措置及
      び大規模災害時等での脱退一時金受取りの緊急措置 
  5.給付金手続きの簡素化(特に生年月日証明での印鑑証明の徴求、非居住
      者の在留証明等での事業主証明対応への切り替え) 
  6.退職所得控除の見直し
  7.給付等手続き方法の統一化、簡素化
  8.運用方法(商品)除外に係る弾力化(企業年金部会で審議予定)
  9.退職一時金制度から確定拠出年金への資産移換における一括移換等の取
      扱い
  10. DCからDBへの制度移行の認可                         
  11.DCから企業年金連合会への移換の可能化
  12.個人型DCの拡大で判りにくくなった企業型DC制度の内容整理
 
  次回以降、上記要望事項について具体的に解説いたします。


*執筆者紹介
  田川 勝久
  特定社会保険労務士 中小企業診断士
  1級DCプランナー(企業年金総合プランナー)
  1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)	

  
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2〉確定拠出年金の施行状況(平成29年4月30日現在)~厚生労働省調べ
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 厚生労働省のHPに掲載されている「確定拠出年金の施行状況」の直近の
データについて、その内容を以下にご紹介します。
 アドレスは、こちらです。
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/nenkin/nenkin/kyoshutsu/sekou.html

◆企業型年金の規約数等 	
(1)承認規約数 	5,371件
(2)加入者数  	約5,914千人(平成29年3月末現在 速報値)
 (3)実施事業主数   	26,487社

 
◆個人型年金の加入者等 	
(1)第1号加入者         89,558人
(2)第2号加入者        391,039人
(3)第3号加入者          8,411人
(4)合 計              489,008人
(5)事業所登録          235,125事業所
			
◆登録運営管理機関 	   206社 		

 		
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【日本商工会議所からのお知らせ】
3〉DCプランナー資格登録者の住所変更等手続きについて
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 DCプランナー資格登録者で、住所や勤務先、メールアドレス等を変更した
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  (http://www.kentei.ne.jp/dcp/contact)
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 次号(第350号)は、6月15日(木)に送信予定です。
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    編集・発行:日本商工会議所 商工会議所年金教育センター 

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 ください。
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