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  》》企業年金総合プランナー(DCプランナー)メールマガジン《《

                         第343号(2017.3.1)
                          日本商工会議所
                    商工会議所年金教育センター

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          〉〉〉CONTENTS〈〈〈
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【企業年金あれこれ】
1〉「企業年金の直面する課題」(全3回)
   第1回 DBの現状と今後の方向性(アンケート調査から)             
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【各種のデータ】
2〉確定拠出年金の施行状況(平成29年1月31日現在)~厚生労働省調べ
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【勉強会の開催情報】
3〉大阪で開催する勉強会のご案内
   「いまさら人には聞けない!? 退職給付会計「超」入門」(再掲)
───────────────────────────────────
4〉大阪で開催する勉強会のご案内
  「第10回 ホンネで語り合う企業年金事情」(再掲)
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【日本商工会議所からのお知らせ】
5〉DCプランナー資格登録者の住所変更等手続きについて
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 このメールマガジンは、企業年金総合プランナー(DCプランナー)認定試
験に合格し、1級または2級の資格を登録された方々に対する情報提供サービ
スの一環として、原則、毎月2回(1日および15日)送信しています。
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1〉「企業年金の直面する課題」(全3回)
   第1回 DBの現状と今後の方向性(アンケート調査から)  久保俊一    
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 日本の企業年金の足元は大変良好な財政状態にあります。年金資産が年金債
務を上回る、いわゆるオーバーファンディングの状態です。リーマンショック
前の2006年度にもオーバーファンディングでありましたが、企業年金が現在、
採用する予定利率はより保守的な水準になっており(当時の予定利率は3.3%、
2015年度は2.4%)、その分、財政基盤が一層強まっているのは間違いありませ
ん。2012年末から始まったアベノミクスが追い風となって円安・株高が進み、
年金資産が膨らんだ結果です。

  しかしながら、外国為替や株式相場は常に変動性が大きく、昨秋のアメリカ
大統領選挙でトランプ氏が勝利したあとは、新政権の政策に対する不透明性が
一気に高まり、金融市場でも先行き不透明感が漂っています。こうした経済環
境の中、企業年金の現場ではどんな課題に対し、どんな対策を打とうとしてい
るのでしょうか。第1回はアンケート調査を使いながら企業年金の現状と先行
きを考えます。

<DBの積立水準は1.22倍、2016年度も高水準を維持か>
 初めに企業年金の財政状況を企業年金連合会のアンケート調査で確認してい
きましょう。財政が良いか、悪いかはいくつかの指標でみることが出来ますが、
ここでは最も一般的な「継続基準の積立水準」で検証します。

 連合会は同積立水準について、『企業年金が今後も継続するという観点から
検証する年金資産の積立水準で、将来の給付を賄うために必要な債務である
「責任準備金」と「純資産額」を比較する』と定義しています。「純資産額÷
責任準備金」で算出する倍率が1倍以上であれば財政は健全と言えます。

 2015年度の確定給付企業年金(DB)の積立水準は1.22倍(アンケート調査対
象は948DB、うち回答は529DB、その単純平均)で、大幅に1倍を上回りま
した。2015年度の資産運用利回りがマイナス0.5%と振るわなかったので、積立
水準は前年度の実績1.25倍を下回りましたが、リーマンショック後の2008年度
(0.88倍)などと比べると大幅に改善しています。

 2016年度の資産運用は今のところ順調に推移しており、2017年2月22日現在
の推計運用利回りはプラス2.6%(DBの平均に近いとされる内外株式の割合が
24%のポートフォリオ)です。油断はできませんが、3月末まで株式や為替市場
に大きな波乱がなければ、積立水準は1.2倍を維持できそうです。

<昨春のマイナス金利導入を受け「予定利率の引下げ」意欲が強い>
 歴史的にも稀なほど積立剰余を持つ企業年金は、今後どう動くのでしょうか。
全国の有力DBを中心に組織している企業年金連絡協議会が実施した「財政検
証アンケート」(2017年2月22日現在、回答したのは、厚生年金基金と規約・
基金型DBの合計318)によると、「資産面での対応」について最も多くの回答
が集まったのは「予定利率の引下げ」で、2割を超える72基金が回答しました。

 次いで「今年から制度導入されたリスク対応掛金の設定」が38基金、「特例
掛金の設定」が27基金と続きました。昨年2月にマイナス金利が導入され金利
水準が一段と下がったことを受けて、過去最低水準にある予定利率をさらに引
き下げたいとする意向が強く、企業年金の慎重な運営姿勢がみてとれます。
財政的に剰余があるので予定利率を引き下げやすいという側面もありそうです。

<新年度も資産運用はリスク抑制の方針を継続へ>
 「負債面での対応」については「対応策の情報収集など」「特段の検討をし
ていない」が圧倒的に多いのですが、具体策としてあがったなかでは「確定拠
出年金(DC)への移行」(29基金)、「リスク分担型企業年金の採用」(10基金)
が目立ちました。いずれの対応策も企業、あるいは企業年金の運用リスクを軽
減する効果が期待できます。このアンケートでは資産運用の方向性については
聞いていませんが、以上の回答内容から判断すると、多くの企業年金は2017年
度もリスク資産を抑制した安全第一の運用方針を継続するとみられます。現在
の剰余を多少減らしても、資産運用で無理をしないという考え方です。

 なお、ここで登場したリスク分担型企業年金は、今年1月から認められた新
制度であり、第2回で詳しく説明いたします。

 本稿における意見に関する部分は、筆者個人の見解であり、所属する組織・
法人のものではありません。


*執筆者紹介
  久保  俊一
  公益財団法人 年金シニアプラン総合研究機構 特任研究員 


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2〉確定拠出年金の施行状況(平成29年1月31日現在)~厚生労働省調べ
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 厚生労働省のHPに掲載されている「確定拠出年金の施行状況」の直近の
データについて、その内容を以下にご紹介します。
 アドレスは、こちらです。
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/nenkin/nenkin/kyoshutsu/sekou.html

◆企業型年金の規約数等
(1)承認規約数       5,198件
(2)加入者数     約5,891千人(平成28年12月末現在 速報値)
(3)実施事業主数     24,869社
 
◆個人型年金の加入者等(平成28年12月時点)
(1)第1号加入者     77,249人
(2)第2号加入者     229,065人
(3)合 計        306,314人
(4)事業所登録      190,354事業所

◆個人型年金の加入者等(平成29年1月時点)
(1)第1号加入者     78,769人
(2)第2号加入者     250,878人(うち共済組合員 8,722人)
(3)第3号加入者      1,938人
(4)合 計        331,585人
(5)事業所登録      198,114事業所

◆登録運営管理機関      204社


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3〉大阪で開催する勉強会のご案内
   「いまさら人には聞けない!? 退職給付会計「超」入門」(再掲)
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 下記のとおり大阪で勉強会を開催いたします。

◆内 容

「なぜいちいち割引計算するんだ?」
「勤務費用って掛金のことじゃないの?」
「企業年金をやると債務が増えるの?」

 年金財政よりも更に難解でとっつき難いとされている退職給付会計ですが、
基本原則さえ踏まえれば、決して理解できないものではありません。
 今回の勉強会では、DCプランナーならば最低限押さえておきたい退職給付
会計のしくみを、初級者の視点に立ってイロハのイから紐解いて解説いたしま
す。バリバリの専門家の方にとっては物足りない内容ですが、企業年金の実務
担当者の知識整理にお役立ていただければ幸いです。

主な構成(予定)
・退職給付会計はややこしさの極み
 (会計のややこしさ+年金財政のややこしさ)
・退職一時金のみの場合で考える
・実は企業年金の方が低負担!?

◆日 時:3月17日(金)18:30~20:30 (受付開始18:00)

◆会 費:3,500円(お支払方法は、お申込み完了後にお知らせいたします)

◆講  師:谷内 陽一(たにうち よういち)氏
     りそな銀行 りそな年金研究所 担当マネージャー
     1級DCプランナー(企業年金総合プランナー)
     証券アナリスト(CMA(R))
     MBA(経営管理修士 (専門職))

◆会 場:大阪府立男女共同参画・青少年センター(ドーンセンター)
     4階 中会議室2
     大阪府大阪市中央区大手前1丁目3番49号
     【アクセス】
           http://www.dawncenter.jp/shisetsu/map.html 

◆定 員:30名(先着順)

◆幹 事:みなとグローバル研究会 大阪大手門勉強会

◆申込先:参加を希望される場合は、下記のURLからお申込みください。
           http://benkyou-j.com/study/detail.php?sid=204


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4〉大阪で開催する勉強会のご案内
  「第10回 ホンネで語り合う企業年金事情」(再掲)
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 下記のとおり大阪で勉強会を開催いたします。

 厚生年金基金、確定給付企業年金、確定拠出年金等、各企業年金の動向や現
場の動き、実際の改革事例、退職給付会計の動向、基金やDBの資産運用動向、
DC投資教育の動向、諸外国の年金動向など幅広い内容をもとに、年金基金の
担当の方、企業の人事・労務担当の方、財務部門の方、事業主の方、運用機関
の方、コンサルタント等、それぞれの立場から自由に意見を語り合える場にも
してまいります。企業年金にご関心のある方のご参加をお待ちしております。

  この1月から個人型DC、いわゆるiDeCoとリスク分担型DBが始動し
ました。企業や個人がこの新しい制度をどのくらい活用するか気になるところ
で、既存の制度を含めて、これらの活用状況を整理し、ご紹介したいと思いま
す。導入して見えてくる課題や、新たなメリットを共有していきましょう。
 また、今後予定されている改正もあり、これらの解説や問題となるところも
ご紹介いたします。

◆日 時:3月25日(土)18:00~20:00 (受付開始17:45)

◆会 費:3,500円(お支払方法は、お申込み完了後にお知らせいたします)

◆講  師:登録講師
      1級DCプランナー(企業年金総合プランナー)

◆会 場:大阪府立男女共同参画・青少年センター(ドーンセンター)
     大阪府大阪市中央区大手前1丁目3番49号
    【アクセス】
     http://www.dawncenter.jp/shisetsu/map.html

◆定 員:20名
         
◆幹 事:みなとグローバル研究会 大阪大手門勉強会

◆申込先:参加を希望される場合は、下記のURLからお申込みください。
     http://benkyou-j.com/study/detail.php?sid=203


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5〉DCプランナー資格登録者の住所変更等手続きについて
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 DCプランナー資格登録者で、住所や勤務先、メールアドレス等を変更した
場合は、お手数ではございますが以下のいずれかのサイトから登録情報の変更
をご連絡ください。ご連絡をいただかないと、情報誌や資格更新に関する案内
文書の送付、メールマガジンの配信等ができなくなりますのでご注意ください。

〇『DCプランナー専用サイト』基本メニュー内 登録情報変更(住所変更な
  ど)のコーナー(https://dcplanner.cloud-cafe.biz)
  ※ 1級および2級DCプランナーとして資格をご登録いただいている方の
    専用サイトです。
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    いただく必要があります。
  ※ ご連絡の際は、ご登録の情報を修正後「資格登録情報も合わせて変更す
    る」ボタンをクリックしてください。

〇『商工会議所検定試験サイト』DCプランナー 登録情報変更連絡コーナー
  (http://www.kentei.ne.jp/dcp/contact)
   ※ 『DCプランナー専用サイト』に未登録の方は、こちらからご連絡くだ
    さい。


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 次号(第344号)は、3月15日(水)に送信予定です。
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【企業年金総合プランナー(DCプランナー)メールマガジン】
  
    編集・発行:日本商工会議所 商工会議所年金教育センター 

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 ください。
 E-Mail:nenkin@jcci.or.jp
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