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  》》企業年金総合プランナー(DCプランナー)メールマガジン《《

                         第339号(2017.1.5)
                          日本商工会議所
                    商工会議所年金教育センター

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          〉〉〉CONTENTS〈〈〈
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【企業年金あれこれ】
1〉「海外年金からの示唆」(全3回)
    第2回 オランダの年金調査から
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【各種のデータ】
2〉確定拠出年金の施行状況(平成28年11月30日現在)~厚生労働省調べ
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【勉強会の開催情報】
3〉東京で開催する勉強会のご案内    
  「信託の基本と使い方を学ぼう!」(再掲)
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4〉大阪で開催する勉強会のご案内
  平成28年度「DCプランナー1級受検対策講座」(再掲)
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【日本商工会議所からのお知らせ】
5〉DCプランナー資格登録者の住所変更等手続きについて
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 このメールマガジンは、企業年金総合プランナー(DCプランナー)認定試
験に合格し、1級または2級の資格を登録された方々に対する情報提供サービ
スの一環として、原則、毎月2回(1日および15日)送信しています。
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1〉「海外年金からの示唆」(全3回)
    第2回 オランダの年金調査から  遠藤 忠彦    
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 第3の企業年金と言われる「リスク分担型企業年金」が2017年1月1日から始
まります。この制度のモデルとなっているのが、オランダのコレクティブDC
です。

 筆者は、2016年5月にアムステルダムで企業福祉の国際会議に参加してきま
した。年金基金協会会長や大手電機メーカーの年金担当役員による講演もあり
ました。そこで、第2回は、オランダの状況を見てみます。

1.オランダの企業年金の特徴
 DB制度(以下、DB)が主体で労働者のほとんどが加入しています。公私年金
は国際的評価が高く、Melbourne Mercer Global Pension Index 2016で総合評価
A(総合順位は27か国中2位)です。その要因は、公私合わせた年金の給付水準
が高いこと、企業年金が実質的に強制になっていることなどが挙げられます。

 オランダは連帯の意識が強く、共通の制度を持つこと、その制度が継続するこ
とが重視されます。DBも各企業が同じような制度を導入し、勤続を通算できる
ようにしています。DBは主に全期間平均給与制で、勤務年数1年あたり給付率
が1.75~2%程度です。英米のような支払保証制度はありませんが、厳しい財政運
営規制で高い積立率を誇っていました。

 しかし、2008年のリーマンショック後に、運用環境が悪化、高齢化の進展と相
まって、終身年金で物価スライドが付いていることから積立率は急激に悪化しま
した。そのため、多くの基金が終身年金の物価スライドをやめたり、給付率の削
減、掛け金の引き上げを迫られました。

2.コレクティブDCの状況
 コレクティブDCは、集団型DCと訳され、給付はDBの給付算定式で行われ、
掛け金を5年以上固定し、規約に「財政状況が悪化した時(たとえば積立率が105%
を割り込むと)には給付削減がある」としています。会計上は、積立不足が発生
しないことから、DCとして扱われます。財政状況の良い大企業が導入していま
す。労使でリスクを分担しますから、加入者、受給者の代表を入れた委員会で意
思決定をします。

 大会社の基金は、ほとんどコレクティブDCに移行済みか移行中です。中小企
業が集まる産業ごとの基金も、掛け金引き上げに上限を設け、それを超えると給
付減額するのがトレンドです。これもリスク分担の一形態です。

 事例として、ある電機メーカーの基金は3万人の現役加入者、7万人の待期者
・受給者を抱え、2015年5月に、伝統的なDB制度からコレクティブDCに変更
しました。目的は、国際競争上、年金債務の影響を無くしたいということです。
導入時に財政状況をよくするために企業が一括拠出をしました。どれだけの拠出
をするか、労使で折り合った金額を拠出しました。また、加入者に対し給付削減
がありうることを強調したそうです。

3.最近の状況
 加入者からの信頼を回復させるため、新しい制度や新しい運営方法が考えられ
ています。DBでは、世代間の公平性を高めるために若い人の給付率を高めるこ
と、DCでは、掛け金を固定化し、個人勘定を持ち、運用はライフサイクルファ
ンドに限定するものです。早期の実現を目指しています。

 運営方法では、規模の利益を得るため、スマートDCという効率化した運営管
理機関の設立や、DBが対象の複数事業主制度ですが、資産は事業主ごとに分離
されたゆるい結びつきの制度で、共通部分での管理を効率化しようとする制度が
始まっています。

 日本への示唆をまとめると、次の通りです。
 ・絶対に大丈夫ということはない。給付減額の可能性を加入者に周知すること。
 ・一度、加入者の信頼を失うと、回復するには時間とコストがかかる。
 ・リスク分担型の労使交渉のポイントは、委員会運営と将来発生するリスク分
  に対する企業の拠出割合。
 ・規模の利益を得るには、運営管理の集約、基金の合併やセンター化すること
  が有効。
 ・制度の移行のしやすさ、継続性を重視すること。

 次回は、国際的な労働移動に伴う年金の課題などについて見ていきます。


*執筆者紹介
  遠藤 忠彦
  遠藤年金労務コンサルティング・代表
  1級DCプランナー(企業年金総合プランナー)
  特定社会保険労務士 


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2〉確定拠出年金の施行状況(平成28年11月30日現在)~厚生労働省調べ
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 厚生労働省のHPに掲載されている「確定拠出年金の施行状況」の直近の
データについて、その内容を以下にご紹介します。
 アドレスは、こちらです。
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/nenkin/nenkin/kyoshutsu/sekou.html

◆企業型年金の規約数等
(1)承認規約数       5,157件
(2)加入者数     約5,886千人(平成28年10月末現在 速報値)
(3)実施事業主数     24,551社
 
◆個人型年金の加入者等(平成28年10月末現在)
(1)第1号加入者     75,543人
(2)第2号加入者     217,508人
(3)合 計        293,051人(資格喪失者を除く)
(4)事業所登録      176,854事業所

◆登録運営管理機関      203社


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3〉東京で開催する勉強会のご案内    
  「信託の基本と使い方を学ぼう!」(再掲)
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◆内 容
 年金の世界でもその資産管理において主要な役割を果たす「信託」。
 信託とは、委託者が信託行為、例えば信託契約、遺言によってその信頼できる
人(受託者)に対してお金や土地、建物などの財産を移転し、受託者は委託者が
設定した信託目的に従って、受益者のためにその財産(信託財産)の管理・処分
等行う制度です。

 本勉強会では信託とは何か、その基本について事例を交え講義いたします。
講師は、信託に関する書籍の執筆やセミナー講師をはじめ、信託業界では有名な
ブロガーでもある税理士の菅野真美先生にご登壇いただきます。
 当日は参加者とのディスカッションの時間も設ける予定です。信託の専門家だ
けでなく、信託の基礎知識について学んでみたい方も是非御参加下さい。

◆日 時:1月19日(木)18:30~20:30(受付18:10~)

◆会 費:3,500円(会場にて申し受けます)

◆講 師:菅野 真美  税理士 社会福祉士 CFP(R)

◆会 場:エムワイ貸会議室お茶の水
     東京都千代田区神田駿河台2-1-20 お茶の水ユニオンビル4F
http://meijiyasuda-life-hall.com/kashikaigishitsu-ochanomizu/access.html
     ※従来の虎ノ門からお茶の水に変更になっています。ご留意ください。 

◆定 員:45名(先着順)

◆申込み:Eメールにて、タイトルに「1月19日勉強会参加希望」と記載いただ
     き、お名前、所属につきまして以下アドレスにお送りください。
      admin@globalmind.co.jp

◆幹 事:みなとグローバル研究会 (旧:企業実務研究会)
     事務局 大高 直美


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4〉大阪で開催する勉強会のご案内
  平成28年度「DCプランナー1級受検対策講座」(再掲)
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 例年ご好評をいただいている1級DCプランナー試験の受験対策講座を今年
も開講しています。本講座では、公的年金、企業年金等のエキスパートとして
活躍されている講師を招き、基礎からわかりやすく講義いたします。
 詳細は、下記の案内をご覧ください。

  平成29年1月7日(土)18:00~21:00
  科目:直前最終チェック(全分野)
       全分野の総復習です。

●会 場  大阪府立男女共同参画・青少年センター(ドーンセンター)
     (大阪府大阪市中央区大手前1丁目3-49)
      http://www.dawncenter.jp/top/index.jsp

●受講料  5,000円(税込)
      ※受講料は、当日会場にて現金で申し受けます。

◆定 員:20名(先着順)

◆幹 事:みなとグローバル研究会 大阪大手門勉強会

◆申込先:参加を希望される場合は、下記のURLからお申込みください。
     http://www.benkyou-j.com/study/detail.php?sid=202


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【日本商工会議所からのお知らせ】
5〉DCプランナー資格登録者の住所変更等手続きについて
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 DCプランナー資格登録者で、住所や勤務先、メールアドレス等を変更した
場合は、お手数ではございますが以下のいずれかのサイトから登録情報の変更
をご連絡ください。ご連絡をいただかないと、情報誌や資格更新に関する案内
文書の送付、メールマガジンの配信等ができなくなりますのでご注意ください。

〇『DCプランナー専用サイト』基本メニュー内 登録情報変更(住所変更な
  ど)のコーナー(https://dcplanner.cloud-cafe.biz)
  ※ 1級および2級DCプランナーとして資格をご登録いただいている方の
    専用サイトです。
    同サイトのご利用に当たっては、最初に別途メールアドレス等をご登録
    いただく必要があります。
  ※ ご連絡の際は、ご登録の情報を修正後「資格登録情報も合わせて変更す
    る」ボタンをクリックしてください。

〇『商工会議所検定試験サイト』DCプランナー 登録情報変更連絡コーナー
  (http://www.kentei.ne.jp/dcp/contact)
   ※ 『DCプランナー専用サイト』に未登録の方は、こちらからご連絡くだ
    さい。


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 次号(第340号)は、1月16日(月)に送信予定です。
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【企業年金総合プランナー(DCプランナー)メールマガジン】
  
    編集・発行:日本商工会議所 商工会議所年金教育センター 

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 ください。
 E-Mail:nenkin@jcci.or.jp
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