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  》》企業年金総合プランナー(DCプランナー)メールマガジン《《

                         第337号(2016.12.1)
                            日本商工会議所
                      商工会議所年金教育センター

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          〉〉〉CONTENTS〈〈〈
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【企業年金あれこれ】
1〉「海外年金からの示唆」(全3回)
    第1回 英国の年金調査から 	         
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【各種のデータ】
2〉確定拠出年金の施行状況(平成28年10月31日現在)~厚生労働省調べ
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【勉強会の開催情報】
3〉東京で開催する勉強会のご案内    
  「信託の基本と使い方を学ぼう!」
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4〉大阪で開催する勉強会のご案内
  平成28年度「DCプランナー1級受検対策講座」(再掲)
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【日本商工会議所からのお知らせ】
5〉DCプランナー資格登録者の住所変更等手続きについて
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 このメールマガジンは、企業年金総合プランナー(DCプランナー)認定試
験に合格し、1級または2級の資格を登録された方々に対する情報提供サービ
スの一環として、原則、毎月2回(1日および15日)送信しています。
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1〉「海外年金からの示唆」(全3回)
    第1回 英国の年金調査から 	 遠藤 忠彦    
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 老後生活への対応は世界共通の関心事です。私的年金の充実が重要となり、
複雑化していることからファイナンシャル・アドバイスのニーズも高まってい
ます。欧米主要国では高齢化も進んでおり、高齢化先進国の日本の動向は注目
されています。

 このような中で、毎年春に欧州のいずれかの都市で行われるIBIS会議
(45年続く企業福祉の国際会議)が2015年英国(ブリストル)、2016年オランダ
(アムステルダム)で開催され参加してきました。年金も主要なテーマの一つ
でした。英国、オランダなどの動きを紹介しながら、日本への示唆を考えたい
と思います。第1回は、英国の状況を見てみます。

 2016年6月に、国民投票によりEU離脱を決めたことが話題になりました。
企業年金への影響では、株安、金利低下の影響を受けて積立不足が拡大し財政
が悪化しました。公的年金では、2016年度から1階部分の基礎年金と2階部分
の付加年金が一本化され、日本の厚生年金基金の代行部分のモデルとなった適
用除外制度が廃止となりました。また、次のような私的年金の普及率と利便性
向上のための改革が進んでおり、成果を上げています。

1.自動加入制度
 日本と同じように企業年金の普及率低下が問題となり、企業年金にいったん
全員が加入する自動加入制度が2012年10月から始まりました。企業年金のない
企業に勤める従業員は公的機関であるNEST(National Employment Savings 
Trust)に加入します。希望しない場合は脱退できますが、3年後にはまた自動
加入させられます。NESTはDC制度であり6種類の運用選択肢から自身が
選択します。

 自動加入は大企業から段階的に導入され、対象が従業員30人未満の企業に拡
大し、本格的導入期になっています。加入した人の9割が継続しており、加入
率向上には自動加入が有効であるのがわかります。日本でも個人型DCは現役
世代のほぼ全員が加入対象となることから、公的年金を補完する制度として、
自動加入が有効かもしれません。

2.年金選択の自由化と投資アドバイス
 英国では、DB制度の給付は終身年金で、DC制度でも原則終身年金を保険
会社から購入する必要がありました。一時金の給付は懲罰的課税があるので、
実質的に25%までとなっていました。2015年4月から税制改正され全額一時金
でも受け取れるようになりました。そこで、一時金で受け取る人は増え、年金
販売が減少し保険会社に打撃を与えています。既に年金を受給している人も、
自分の年金を保険会社に売却して一時金にできる制度が2017年4月から始まる
予定です。

 従業員の受け取り方法の選択肢が増えたことにより、政府は無料の年金ガイ
ダンスサービス(ペンションワイズ)を導入しました。50歳以上のDC加入者
は、電話または対面で45分程のアドバイスを受けることができます。内容は、
選択肢、税制、おすすめ、検討にあたっての進め方等です。具体的な運用方法
や商品の説明はありません。その先のアドバイスとして、FPサービスの需要
が高まると言われています。

 英国のFPは、富裕層向けに投資アドバイザーとして運用商品を売ることを
目的に発足しているので、金融監督機関(FCA)に投資アドバイスの登録を
しています。個別銘柄のアドバイスができるのは日本と異なる点です。DC制
度は日米のように、運用を選択しますが、ほとんどの人がデフォルトファンド
(加入者の年代に合わせた資産配分となるライフスタイルファンド)です。
投資教育もデフォルトファンドが強調されています。

 日本でもDC法の改正により、個人型DCの対象者拡大の他に、簡易型DC
や小規模事業主掛金納付制度などが始まる予定で、個人や中小企業主に向けた
アドバイスサービスのニーズが高まるでしょう。元本確保型商品の提供義務が
外れますので、バランスファンドなどによるデフォルトファンドの果たす役割
も大きくなるでしょう。

 次回は、第3の企業年金と言われるリスク分担型企業年金のモデルとなった
オランダの状況を見ていきます。

*執筆者紹介
  遠藤 忠彦
  遠藤年金労務コンサルティング・代表
  1級DCプランナー(企業年金総合プランナー)
  特定社会保険労務士


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2〉確定拠出年金の施行状況(平成28年10月31日現在)~厚生労働省調べ
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 厚生労働省のHPに掲載されている「確定拠出年金の施行状況」の直近の
データについて、その内容を以下にご紹介します。
 アドレスは、こちらです。
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/nenkin/nenkin/kyoshutsu/sekou.html


(1)承認規約数       5,140件
(2)加入者数     約5,812千人(平成28年9月末現在 速報値)
(3)実施事業主数     24,318社
 
◆個人型年金の加入者等(平成28年9月末現在)
(1)第1号加入者     74,376人
(2)第2号加入者     212,058人
(3)合 計        286,434人(資格喪失者を除く)
(4)事業所登録      173,537事業所

◆登録運営管理機関      202社



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3〉東京で開催する勉強会のご案内    
  「信託の基本と使い方を学ぼう!」
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◆内 容
 年金の世界でもその資産管理において主要な役割を果たす「信託」。
 信託とは、委託者が信託行為、例えば信託契約、遺言によってその信頼できる
人(受託者)に対してお金や土地、建物などの財産を移転し、受託者は委託者が
設定した信託目的に従って、受益者のためにその財産(信託財産)の管理・処分
等行う制度です。

 本勉強会では信託とは何か、その基本について事例を交え講義いただきます。
講師は、信託に関する書籍の執筆やセミナー講師をはじめ、信託業界では有名な
ブロガーでもある税理士の菅野真美先生にご登壇いただきます。
 当日はご参加者とのディスカッションの時間も設ける予定です。信託の専門家
だけでなく、信託の基礎知識について学んでみたい方も是非御参加下さい。

◆日 時:1月19日(木)18:30~20:30(受付18:10~)

◆会 費:3,500円(会場にて申し受けます)

◆講 師:菅野 真美  税理士 社会福祉士 CFP(R)

◆会 場:エムワイ貸会議室お茶の水
     東京都千代田区神田駿河台2-1-20 お茶の水ユニオンビル4F
  http://meijiyasuda-life-hall.com/kashikaigishitsu-ochanomizu/access.html
     ※従来の虎ノ門からお茶の水に変更になっています。ご留意ください。 

◆定 員:45名(先着順)

◆申込み:Eメールにて、タイトルに「1月19日勉強会参加希望」と記載いただき、
     お名前、所属につきまして以下アドレスにお送りください。
      admin@globalmind.co.jp

◆幹 事:みなとグローバル研究会 (旧:企業実務研究会)
     事務局 大高 直美


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4〉大阪で開催する勉強会のご案内
  平成28年度「DCプランナー1級受検対策講座」(再掲)
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 例年ご好評をいただいている1級DCプランナー試験の受験対策講座を今年
も開講いたします。本講座では、公的年金、企業年金等のエキスパートとして
活躍されている講師をお招きし、基礎からわかりやすく講義していただきます。
 基本、全科目受講していただく前提で講義を進めます。ご予定の都合で全科
目受講できない方には、一科目ずつ受講することも可能です。料金は、下記の
案内をご覧ください。


●今後のスケジュールは下記のとおりです。

    平成28年12月3日(土)18:30~20:00
    科目:計算演習1
     退職給付会計、C・D分野の計算問題トレーニングです(解説あり)。
     教室で他の受講生とともに一斉に問題を解く。試験本番さながらの
     雰囲気の中で、アウトプット力を高めたい方におすすめです。

    平成28年12月10日(土)18:30~20:00
    科目:計算演習2
          同上。12月3日の演習とは異なる教材を用意する予定です。

  平成28年12月18日(日)10:00~13:00
  科目:企業年金及び確定拠出年金
     A分野の厚生年金基金等、企業年金制度並びにB分野のDC制度に
     ついて講義と問題演習を行います。DC改正法も控えており、外せ
     ない講義です。

  平成29年1月7日(土)18:00~21:00
  科目:直前最終チェック(全分野)
       全分野の総復習です。応用編の答案作成練習を中心に、講義では
     取り上げられなかった解法テクニックなど、目から鱗の演習です。

  
●会 場  大阪府立男女共同参画・青少年センター(ドーンセンター)
      (大阪府大阪市中央区大手前1丁目3-49)
      http://www.dawncenter.jp/top/index.jsp

●受講料  全科目パック(7講座)の受講料:20,000円(税込)
      単科受講の場合、一科目の受講料
                : 5,000円(税込)

      ※受講料は、当日会場にて現金で申し受けます。

◆定 員:20名(先着順)

◆幹 事:みなとグローバル研究会 大阪大手門勉強会

◆申込先:参加を希望される場合は、下記のURLからお申込みください。
     http://www.benkyou-j.com/study/detail.php?sid=202


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【日本商工会議所からのお知らせ】
5〉DCプランナー資格登録者の住所変更等手続きについて
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 DCプランナー資格登録者で、住所や勤務先、メールアドレス等を変更した
場合は、お手数ではございますが以下のいずれかのサイトから登録情報の変更
をご連絡ください。ご連絡をいただかないと、情報誌や資格更新に関する案内
文書の送付、メールマガジンの配信等ができなくなりますのでご注意ください。

〇『DCプランナー専用サイト』基本メニュー内 登録情報変更(住所変更な
  ど)のコーナー(https://dcplanner.cloud-cafe.biz)
  ※ 1級および2級DCプランナーとして資格をご登録いただいている方の
    専用サイトです。
    同サイトのご利用に当たっては、最初に別途メールアドレス等をご登録
    いただく必要があります。
  ※ ご連絡の際は、ご登録の情報を修正後「資格登録情報も合わせて変更す
    る」ボタンをクリックしてください。

〇『商工会議所検定試験サイト』DCプランナー 登録情報変更連絡コーナー
  (http://www.kentei.ne.jp/dcp/contact)
   ※ 『DCプランナー専用サイト』に未登録の方は、こちらからご連絡くだ
    さい。


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 次号(第338号)は、12月15日(木)に送信予定です。
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【企業年金総合プランナー(DCプランナー)メールマガジン】
  
    編集・発行:日本商工会議所 商工会議所年金教育センター 

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 このメールマガジンの内容に関するご意見・ご感想は、編集部までお寄せ
 ください。
 E-Mail:nenkin@jcci.or.jp
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《禁・無断転載》
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