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  》》企業年金総合プランナー(DCプランナー)メールマガジン《《

                        第336号(2016.11.15)
                          日本商工会議所
                    商工会議所年金教育センター

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          〉〉〉CONTENTS〈〈〈
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【連載記事】
1〉「最近の企業年金の動向」全3回
   第1回 iDeCoのメリット・デメリット
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2〉1級DCプランナー(企業年金総合プランナー)認定試験
  答案練習(全8回)
  2016年度試験対策 [第7回] 
  C分野:財務指標
  D分野:高齢者雇用と医療保険
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【勉強会の開催情報】
3〉大阪で開催する勉強会のご案内
  平成28年度「DCプランナー1級受検対策講座」(再掲)
───────────────────────────────────  
【日本商工会議所からのお知らせ】
4〉DCプランナー資格登録者の住所変更等手続きについて
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 このメールマガジンは、企業年金総合プランナー(DCプランナー)認定試
験に合格し、1級または2級の資格を登録された方々に対する情報提供サービ
スの一環として、原則、毎月2回(1日および15日)送信しています。
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1〉「最近の企業年金の動向」全3回
   第1回 iDeCoのメリット・デメリット  井出 文太
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 確定拠出年金法等の一部を改正する法律が本年5月に成立し、来年1月には、
今まで加入できなかった第3号被保険者、公務員、企業年金加入者が個人型確定
拠出年金に加入できるようになります。

 また、確定給付企業年金においても変革の波が押し寄せており、給付が確定
しているのが特徴の“確定給付”企業年金でしたが、現在、導入が検討されて
いるのは給付が変動する「リスク分担型企業年金」です。事業主が、不況期等
において掛金増加につながらないように、あらかじめ「将来発生するリスク」
を測定し、その水準を踏まえて、「リスク対応掛金」の拠出を行うことのでき
る仕組みを作り、それを活用し給付に対する財源のバランスを図るため、毎年
度の決算等において給付を増減するものです。

 企業年金の普及・拡大が求められている中、様々な選択肢が生まれようとし
ている反面、マイナス金利や運用環境の悪化等を受けて、逆風も吹いています。
この機会に、この稿では、最近の企業年金の動向をご紹介し、皆さんの企業年
金に対する理解の一助とさせていただきます。

 まずは、個人型確定拠出年金です。法改正を受けてメディアに取り上げられ
ることも多くなりました。さらなる確定拠出年金の推進のために確定拠出年金
普及推進協議会が立ち上がり、愛称の募集を行ったところ、iDeCo(イデコ)
に決定しました。可愛らしい名前ではありますが老後の所得を担う年金という
イメージを出すためにも、これからのアピールが普及の鍵となります。各運営
管理機関ではこの名称と併せて手数料の引き下げや新しい商品を打ち出してお
り、新規参入する運営管理機関もお目見えしています。これは大きなメリット
といえます。

 iDeCoについて特に言及されるのは、掛金拠出時、運用時、給付時における
3重の税制メリットで、例えば一般の個人年金等と比べると、大変有利な制度
となっています。反面、老後の所得形成のための制度であるゆえに、原則60歳
まで引き出せないというデメリットもあります。

 この「原則60歳」という言葉には、60歳以前と60歳超の両方の意味があるこ
とに注意する必要があります。前者については「一定の要件を満たせば」60歳
以前に脱退一時金でもらうことが可能ということは、DCプランナーの方はよ
くご存じだと思います。

 この要件が来年1月から厳しくなります。加入対象者の拡大メリットが図ら
れる一方で、不利益となる改正ともいえるでしょう。自営業者等、iDeCoに加入
できる方は脱退一時金の対象から外れ、加入者資格のない者(加入者期間3年
以下または少額資産者)に認めていた脱退一時金は、国民年金の保険料免除者
に限定されます。さらに少額資産の定義も50万円から25万円に変更されます。
より一層老後所得の性格を帯びてきたiDeCoです。更に60歳超の意味もあり、
通算加入者等期間が10年以上ないと60歳では受給できません。iDeCoは、企業型
確定拠出年金と異なり、確定給付企業年金などの他制度から資産移換ができま
せん。遅くとも65歳から受給できますが、50歳台で新規に加入する方は注意さ
れたほうが良いでしょう。

 iDeCoは企業型確定拠出年金と併用することもできますが、その場合、マッチ
ング拠出は利用できません。また、企業型確定拠出年金とiDeCoを同時に利用
する場合は、前者の拠出限度額が少なくなり、給付設計に影響を与えることに
も注意する必要があります。

 次回は、企業型確定拠出年金の改正を中心に、留意すべき点をご紹介できれ
ばと思います。

 
 ※執筆者紹介
  井出 文太
  年金ライター、1級DCプランナー(企業年金総合プランナー)


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2〉1級DCプランナー(企業年金総合プランナー)認定試験
  答案練習(全8回)
  2016年度試験対策 [第7回] 
  C分野:財務指標
  D分野:高齢者雇用と医療保険
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【問題】(2016年1月出題)

次の各問(《問1》~《問2》)に答えなさい。

《問1》 下図の<財務データ>から算出したインタレスト・カバレッジ・レ
シオの数値として、次のうち最も適切なものはどれか。なお、計算結果は表示
単位<倍>における小数点以下第3位を四捨五入すること。


<財務データ>
――――――――――――――――――
   営業利益    | 78,925百万円 | 
――――――――――――――――――
   受取利息  | 20,000百万円 | 
――――――――――――――――――
  受取配当金  |    655百万円 | 
――――――――――――――――――  
  支払利息    |  9,255百万円 | 
――――――――――――――――――
  割引料   |     75百万円 | 
――――――――――――――――――

1) 10.60倍
2) 10.67倍
3) 10.69倍
4) 10.76倍


《問2》 高齢者雇用と医療保険に関する次の記述のうち、最も適切なものは
    どれか。

1)健康保険の適用事業所を退職した場合、一定の要件を満たすことにより
 任意継続被保険者となることができるが、保険料は全額が自己負担となる。

2)任意継続被保険者制度は、原則として、資格を喪失する前の健康保険の
 当然被保険者期間が継続して2年以上あった場合に利用できる。

3)退職後、任意継続被保険者とならず国民健康保険に加入する場合は、退職
 日の翌日から20日以内に手続をする必要がある。

4)家族が加入している健康保険の被扶養者となる要件は、年収103万円未満
 で、かつ同居の場合は原則として被保険者の年収の2分の1未満、別居の
 場合は扶養家族の年間収入が被保険者の仕送り額より少ないなどとなって
 いる。

※ 本練習問題の解答・解説については、資格登録者のみに公開しています。
  

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3〉大阪で開催する勉強会のご案内
  平成28年度「DCプランナー1級受検対策講座」(再掲)
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 例年ご好評をいただいている1級DCプランナー試験の受験対策講座を今年
も開講いたします。本講座では、公的年金、企業年金等のエキスパートとして
活躍されている講師をお招きし、基礎からわかりやすく講義していただきます。
 基本、全科目受講していただく前提で講義を進めます。ご予定の都合で全科
目受講できない方には、一科目ずつ受講することも可能です。料金は、下記の
案内をご覧ください。


●スケジュールは下記のとおりです。

  平成28年11月20日(日)10:00~13:00
  科目:退職給付会計
     A分野・B分野の退職給付会計、退職給付制度の移行について講義
     します。

    平成28年11月20日(日)14:00~17:00
  科目:C分野及びD分野
     C分野・D分野の頻出論点について講義します。

    平成28年12月3日(土)18:30~20:00
    科目:計算演習1
     退職給付会計、C・D分野の計算問題トレーニングです(解説あり)。
     教室で他の受講生とともに一斉に問題を解く。試験本番さながらの
     雰囲気の中で、アウトプット力を高めたい方におすすめです。

    平成28年12月10日(土)18:30~20:00
    科目:計算演習2
          同上。12月3日の演習とは異なる教材を用意する予定です。

  平成28年12月18日(日)10:00~13:00
  科目:企業年金及び確定拠出年金
     A分野の厚生年金基金等、企業年金制度並びにB分野のDC制度に
     ついて講義と問題演習を行います。DC改正法も控えており、外せ
     ない講義です。

  平成29年1月7日(土)18:00~21:00
  科目:直前最終チェック(全分野)
       全分野の総復習です。応用編の答案作成練習を中心に、講義では
     取り上げられなかった解法テクニックなど、目から鱗の演習です。

  ※A分野の公的年金に関する講義は11月10日に終了しました。


●会 場  大阪府立男女共同参画・青少年センター(ドーンセンター)
      (大阪府大阪市中央区大手前1丁目3-49)
      http://www.dawncenter.jp/top/index.jsp

●受講料  全科目パックの受講料:20,000円(税込)
      単科受講の場合、一科目の受講料
                : 5,000円(税込)

      ※受講料は、当日会場にて現金で申し受けます。

◆定 員:20名(先着順)

◆幹 事:みなとグローバル研究会 大阪大手門勉強会

◆申込先:参加を希望される場合は、下記のURLからお申込みください。
     http://www.benkyou-j.com/study/detail.php?sid=202


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【日本商工会議所からのお知らせ】
4〉DCプランナー資格登録者の住所変更等手続きについて
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 DCプランナー資格登録者で、住所や勤務先、メールアドレス等を変更した
場合は、お手数ではございますが以下のいずれかのサイトから登録情報の変更
をご連絡ください。ご連絡をいただかないと、情報誌や資格更新に関する案内
文書の送付、メールマガジンの配信等ができなくなりますのでご注意ください。

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  ※ 1級および2級DCプランナーとして資格をご登録いただいている方の
    専用サイトです。
    同サイトのご利用に当たっては、最初に別途メールアドレス等をご登録
    いただく必要があります。
  ※ ご連絡の際は、ご登録の情報を修正後「資格登録情報も合わせて変更す
    る」ボタンをクリックしてください。

〇『商工会議所検定試験サイト』DCプランナー 登録情報変更連絡コーナー
  (http://www.kentei.ne.jp/dcp/contact)
   ※ 『DCプランナー専用サイト』に未登録の方は、こちらからご連絡くだ
    さい。


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 次号(第337号)は、12月1日(木)に送信予定です。
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【企業年金総合プランナー(DCプランナー)メールマガジン】
  
    編集・発行:日本商工会議所 商工会議所年金教育センター  

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