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  》》企業年金総合プランナー(DCプランナー)メールマガジン《《

                         第332号(2016.9.15)
                             日本商工会議所
                     商工会議所年金教育センター 

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          〉〉〉CONTENTS〈〈〈
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【連載記事】
1 〉DCプランナー勉強会 レポート
  「ホンネで語り合う企業年金事情(大阪開催)」報告 
───────────────────────────────────
2〉1級DCプランナー(企業年金総合プランナー)認定試験
  答案練習(全8回)
  2016年度試験対策 [第5回] 
  C分野:運用商品の知識とリターンとリスクの計算
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【勉強会の開催情報】
3〉大阪で開催する勉強会のご案内
   「DCプランナーのための年金の「常識・非常識」
       ~年金議論にまつわる誤解・曲解を一刀両断!~」(再掲)
───────────────────────────────────
4〉大阪で開催する勉強会のご案内
    「第9回 ホンネで語り合う企業年金事情」(再掲)
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【日本商工会議所からのお知らせ】
5〉平成28年度資格更新手続きに関する案内文書の送付について
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6〉DCプランナー資格登録者の住所変更等手続きについて
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 このメールマガジンは、企業年金総合プランナー(DCプランナー)認定試
験に合格し、1級または2級の資格を登録された方々に対する情報提供サービ
スの一環として、原則、毎月2回(1日および15日)送信しています。
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1 〉DCプランナー勉強会 レポート
  「ホンネで語り合う企業年金事情(大阪開催)」報告
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 この春夏、みなとグローバル研究会・大阪大手門勉強会主催で行われたDC
プランナー勉強会「ホンネで語り合う企業年金事情」の報告をいたします。本
勉強会は、本紙面でたびたびご紹介させていただいておりますが、企業年金に
関する情報をユニークな切り口で提供し、インタラクティブな議論ができる場
として企業年金総合プランナー(DCプランナー)の皆様に活用していただく
ことを目的としています。
 
 春の開催は、平成28年5月29日の日曜日午前中の開催でした。DC改正法案、
マイナス金利が退職給付会計に与える影響等について解説しました。DC改正
法案では、法案可決に至るまでの衆参両院厚生労働委員会で出された反対意見
などからDCの課題が取り上げられました。法案可決までの過程がよく理解で
きたかと思われます。新春の話題をさらったマイナス金利ですが、企業会計基
準委員会が3月、退職給付会計の計算に使われる割引率について「ゼロやマイ
ナスも認める」との方針を公表しました。退職給付債務の計算にマイナスの割
引率を適用したアコム等、様々な企業の事例が紹介され、ゼロやマイナスの割
引率を用いる論拠が示されました。

 もう一つ旬な話題としては総合型DB基金における会計の正確性に関する課
題についてです。総合型DB基金の場合、他の事業主の拠出分等を確認できな
いため、DB基金全体での会計の不正を各事業主が把握することは困難であり、
外部の専門家による会計監査の実施を検討してはどうかというものです。ガバ
ナンス強化は企業年金に課された問題として益々脚光を浴びていくことでしょ
う。リスク分担型企業年金の話題では、現行DBの掛金拠出の構造と対比した
上で、財政悪化を想定した「リスク対応掛金」の導入について詳しい解説があ
りました。

 夏の開催は、平成28年7月23日の土曜日、夕方からの勉強会でした。DC改
正法、個人型DC、総合型DB基金の様々な課題、リスク分担型企業年金につ
いて、さらに新しい話題が取り上げられました。
 DC改正法案については、これまでの勉強会で何度も取り上げられているの
で、今回は内容を軽くおさらいしたうえで、法案成立後の動きやスケジュール
の修正等についての説明がありました。個人型DCの加入可能範囲が拡大され
たことで、業界が大きく動いています。楽天証券が2016年9月から個人型DC
の取扱いを始めます。口座管理手数料0円キャンペーンと銘打って販売促進を
している事例が紹介されました。併せて個人別管理資産残高に一定条件がある
こと、国民年金基金連合会等への手数料はゼロにならないことなど注意が必要
です。個人型DCについては、確定拠出年金普及・推進協議会も立ち上がり、
個人型DCの愛称、ロゴマーク等が検討されています。NISAのようにある
程度世間の耳目を集めることは、DCの裾野拡大には欠かせない施策の一つと
いえるでしょう。

 次回は平成28年9月17日に開催いたします。個人型DCの様々な愛称候補、
DCの新たな改正、改正法によるDCの活用法と裏技、新規参入予定のDC運
営管理機関とその戦略、厚生年金基金の新しい受け皿制度、DBに迫る課題、
リスク分担型企業年金は本当にDCの会計処理ができるのか、特別法人税凍結
解除の行方、公的年金の改正動向等、皆さんに興味深い話をたくさん用意して
いますので、多くの方の参加をお待ちしております。


 ※執筆者紹介
  上田 雅敏
  みなとグローバル研究会・大阪大手門勉強会 代表
  1級DCプランナー(企業年金総合プランナー)


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2〉1級DCプランナー(企業年金総合プランナー)認定試験
  答案練習(全8回)
  2016年度試験対策 [第5回] 
  C分野:運用商品の知識とリターンとリスクの計算
______________________________________________________________________

【問題】(2016年1月出題)

次の設例に基づいて、下記の各問《問1》~《問3》に答えなさい。

《設 例》

 Aさん(30歳)は、確定拠出年金の企業型年金(以下、「企業型年金」とい
う)に加入しているが、加入時に掛金の配分指定をして以来、商品変更等の指
図を行っていなかった。先日、運営管理機関から「確定拠出年金のお取引状況
・残高のお知らせ」を受け取ったことをきっかけに、現在の運用商品の再考と
他の商品への運用を検討しており、DCプランナーのMさんに相談することに
した。
 下記は、見直しにあたってAさんが用意した資料である。なお、Aさんの企
業型年金への加入期間は、平成27年12月31日で5年となる。また、Aさんの個
人別管理資産には他の企業年金制度からの移換金はなく、掛金は加入時より事
業主掛金のみの月額2万円である。


<Aさんの運用商品配分の内訳>

  商品名  |  割合  | 
―――――――――――――――
  商品(a) |   34%  |  
  商品(b) |   40%  |   
   商品(c) |   26%  |
―――――――――――――――
   合計    |  100%  |  


<各商品の期待リターン・標準偏差(リスク)>  

    商品名    | 期待リターン   | 標準偏差(リスク) | 
――――――――――――――――――――――――――――――
   商品(a) |     4.9%    |      15.6%      |  
  商品(b) |     1.1%    |        1.8%       |    
   商品(c) |     0.2%    |       0.3%        |  


<Aさんが運用を検討している商品(d)の予想収益率等>

  シナリオ |   1    |   2    |     3     |
――――――――――――――――――――――――――――――
  生起確率 |   30%  |    40%    |   30%   |   
  予想収益率 | ((1))    |    3.0%      ▲1.5%   |    
   

※上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。



《問1》 Aさんは、新たな運用商品について検討している。MさんがAさんに
    対して行った運用商品の説明に関する次の(1)~(4)について、適
       切な説明には〇印を、不適切な説明には×印を解答用紙に記入しなさい。
       また、不適切な説明については、その理由を簡潔に説明しなさい。

(1) 「運用商品の1つである不動産投資信託は、クローズド・エンド型の投
     資法人が年2回決算を行い、組入不動産のテナント料等の配当可能利益の
     80%超を配当として投資者に支払うことが法律で義務付けられています」
(2) 「運用商品の1つである利率保証型積立生命保険は、生命保険契約者保
     護機構の支払対象である元本確保型商品ですが、保証利率適用期間中に他
     の運用商品へスイッチングを行う場合、その時点の市場金利や残存期間に
     よっては、返戻金額が払込保険料を下回る場合があります」
(3) 「運用商品の1つである利率保証型積立生命保険の保証利率は、その保
     証期間満了までの間に、1年に1回、国債等の市場利回りを基に見直しが
     行われます」
(4) 「運用商品の1つである公社債投資信託は、運用対象が公社債やコマー
   シャルペーパーなどに限定されており、株式は組み入れることができない
     証券投資信託です。また、公社債投資信託に限り、購入時手数料を徴収し
   ないノーロード型の取扱いがあります」


《問2》 Aさんは、商品(d)を新たな運用先として検討している。商品(d)
     の期待リターンが4.2%であった場合の《設例》のシナリオ1の「(1)予
     想収益率」および商品(d)の「(2)標準偏差(リスク)」を、計算過
     程を示してそれぞれ求めなさい。なお、<答>は%表示とし、表示単位に
     おける小数点以下第2位を四捨五入すること。

《問3》 「(1) 商品(a)~(d)(商品(d)については《問2》参照)
   のシャープ・レシオ」を求め(計算過程不要)、シャープ・レシオの高い
     商品から順に40%、30%、20%、10%の割合で運用した場合の「(2)ポ
   ートフォリオの期待リターン」を、計算過程を示して求めなさい。リスク
     フリーレートは 0.1%とすること。なお、「(1)商品(a)~(d)の
   シャープ・レシオ」は小数点以下第3位を四捨五入し、「(2) ポート
     フォリオの期待リターン」は表示単位(%)における小数点以下第2位を
     四捨五入すること。

※ 本練習問題の解答・解説については、資格登録者のみに公開しています。
       
   

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3〉大阪で開催する勉強会のご案内
   「DCプランナーのための年金の「常識・非常識」
       ~年金議論にまつわる誤解・曲解を一刀両断!~」(再掲)
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  下記のとおり大阪で勉強会を開催いたします。

<概 要>

「少子高齢化では賦課方式から積立方式に移行すべき!」
「公的年金は数百兆円規模の債務超過に陥っている!」
「給付費が掛金収入を上回ると年金財政が悪化する!」
「未納が増えると年金財政が空洞化して制度が破綻する!」

 年金制度や年金財政に関する議論では、一昔前に比べるとかなり沈静化しつ
つあるものの、上記に掲げたような誤解・曲解に基づく破綻論や抜本改革論が
いまだに囁かれています。DCプランナーの皆様のような実務家からすれば違
和感を覚える主張も少なくないのですが、マスメディアで著名な学者・研究者
が得意げに持論を主張している様をみると、何となくそうなのかもしれない・
・・と思わされてしまいがちです。

 今回の勉強会では、年金政策議論において散見される誤解・曲解について、
民間の実務家であるDCプランナーの視点から「何が正しいか」「何が間違っ
ているか」を分析・検証し、もって、年金議論について誤解・曲解に惑わされ
ないための知識の整理を行うことを目的としています。皆様のご参加を、心よ
りお待ちしております。


<主な構成(予定)>

・積立方式と賦課方式に関する今更ながらの考察
・「会計に詳しい」「数字に強い」ほど勘違いする年金財政
・未納が増えると年金が破綻するって誰が言った?
・抜本改革(建て替え)は地道な制度改善(リフォーム)に如かず など


◆日 時:9月30日(金)18:30~20:30 (受付開始18:00)

◆会 費:3,500円(お支払方法は、お申込み完了後にお知らせいたします)

◆講  師:谷内 陽一(たにうち よういち)氏

◆会 場:大阪府立男女共同参画・青少年センター(ドーンセンター)
     4階 中会議室1
     大阪府大阪市中央区大手前1丁目3番49号
     【アクセス】
       http://www.dawncenter.jp/top/index.jsp

◆定 員:30名(先着順)

◆幹 事:みなとグローバル研究会 大阪大手門勉強会

◆申込先:参加を希望される場合は、下記のURLからお申込みください。
           http://benkyou-j.com/study/detail.php?sid=201


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4〉大阪で開催する勉強会のご案内
    「第9回 ホンネで語り合う企業年金事情」(再掲)
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 下記のとおり大阪で勉強会を開催いたします。

 厚生年金基金、確定給付企業年金、確定拠出年金等、各企業年金の動向や現
場の動き、実際の改革事例、退職給付会計の動向、基金やDBの資産運用動向、
DC投資教育の動向、諸外国の年金動向など幅広い内容をもとに、年金基金の
担当の方、企業の人事・労務担当の方、財務部門の方、事業主の方、運用機関
の方、コンサルタント等、それぞれの立場から自由に意見を語り合える場にも
してまいります。企業年金にご関心のある方のご参加をお待ちしております。


◆日 時:9月17日(土)18:00~20:00 (受付開始17:45)

◆会 費:3,500円(お支払方法は、お申込み完了後にお知らせいたします)

◆講  師:登録講師
      1級DCプランナー(企業年金総合プランナー)

◆会 場:大阪府立男女共同参画・青少年センター(ドーンセンター)
     4階
     大阪府大阪市中央区大手前1丁目3番49号
     【アクセス】
       http://www.dawncenter.jp/top/index.jsp

◆定 員:15名(先着順)

◆幹 事:みなとグローバル研究会 大阪大手門勉強会

◆申込先:参加を希望される場合は、下記のURLからお申込みください。
           http://benkyou-j.com/study/detail.php?sid=200


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【日本商工会議所からのお知らせ】
5〉平成28年度資格更新手続きに関する案内文書の送付について
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 平成28年度1級および2級DCプランナー資格更新手続きに関する案内文書
を、今年度更新対象者の方(有効期限:平成29年3月31日までの方)宛てに、
9月12日(月)に郵送いたしました。
 対象者の方で、9月19日(月)を過ぎても案内文書が届かない場合は、日本
商工会議所・事業部までご連絡くださいますようお願いいたします。

(本件連絡先)
 日本商工会議所 事業部 都筑
 TEL:03-6402-6154
 E-mail:kentei@jcci.or.jp


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6〉DCプランナー資格登録者の住所変更等手続きについて
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 DCプランナー資格登録者で、住所や勤務先、メールアドレス等を変更した
場合は、お手数ではございますが以下のいずれかのサイトから登録情報の変更
をご連絡ください。ご連絡をいただかないと、情報誌や資格更新に関する案内
文書の送付、メールマガジンの配信等ができなくなりますのでご注意ください。

〇『DCプランナー専用サイト』基本メニュー内 登録情報変更(住所変更な
  ど)のコーナー(https://dcplanner.cloud-cafe.biz)
  ※ 1級および2級DCプランナーとして資格をご登録いただいている方の
    専用サイトです。
    同サイトのご利用に当たっては、最初に別途メールアドレス等をご登録
    いただく必要があります。
  ※ ご連絡の際は、ご登録の情報を修正後「資格登録情報も合わせて変更す
    る」ボタンをクリックしてください。

〇『商工会議所検定試験サイト』DCプランナー 登録情報変更連絡コーナー
  (http://www.kentei.ne.jp/dcp/contact)
   ※ 『DCプランナー専用サイト』に未登録の方は、こちらからご連絡くだ
    さい。

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 次号(第333号)は、10月1日(土)に送信予定です。
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【企業年金総合プランナー(DCプランナー)メールマガジン】
  
    編集・発行:日本商工会議所 商工会議所年金教育センター  

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 ください。
 E-Mail:nenkin@jcci.or.jp
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《禁・無断転載》
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