日商簿記取得を通じて生徒の自己肯定感を育む

鹿児島女子高校は、生活科学科、商業科、情報会計科の3学科が設置され、主に商業科と情報会計科の生徒が日商簿記を受験し、数多くの合格者を輩出しています。同校は簿記2級・3級のネット試験会場にも認定されており、多くの生徒がネット試験を活用して日商簿記の取得に取り組んでいます。また、日本商業教育振興会の学習コンテンツなどを通じた支援を受けつつ、3級から2級へのステップアップ、そして最上級の1級の取得を目指すことができる環境が整っています。

同校で簿記の指導に尽力されている商業科主任の粟田先生にお聞きしたところ、「ただ資格を取得するのではなく、社会に役立つという思いを持った生徒を育てたい」「今まで自分に自信がない生徒や、自身にコンプレックスを抱いているような生徒でも、日商簿記の試験に合格することによってポジティブに、前向きになれる」とお話いただきました。

簿記学習を生徒のみならずその家族にも波及させる取り組みとして「家族でチャレンジ!―日商簿記検定―」と題した事業も展開しています。この事業では高校が日商簿記の取得に向けて教材や学習支援ツールを提供し、生徒とその家族がともに日商簿記の取得を目指しています。多くの家庭がこの事業に参加しており、親子で切磋琢磨しつつ取得に向けてチャレンジされているそうです。

学習に励む簿記部の生徒
「家族でチャレンジ!―日商簿記検定―」のイメージ図

新学科を創設し会計教育を強化

キャリア教育のさらなる充実と推進を目指し、鹿児島女子高校は2025年度に商業科の学科改編を予定しています。新たにファイナンシャルビジネス科、スポーツビジネス科、ビジネスデザイン科が設置されますが、中でもファイナンシャルビジネス科はこれまで商業科で扱ってきた簿記や財務会計などの「会計分野」に特化したコースです。

同科では大学との高大連携を通して、公認会計士や税理士といった会計専門職を養成するとともに、高度な専門性やスキルを生かして、日商簿記1級・2級といった資格の取得による推薦制度や優遇措置を設けている難関大学等への進学を目指します。生徒は卒業までに日商簿記2級の全員取得、さらに日商簿記1級の合格も視野に入れたカリキュラムで学ぶことができます。

また、地元企業や鹿児島商工会議所をはじめとする経済・業界団体とも連携し、実際のビジネスの現場を知る専門家などを招いて、キャリア形成につながる授業も行います。「日商簿記1級に合格する生徒が毎年出るようサポートしていきたい」と学科改編に向けて粟田先生は抱負を語ってくださいました。

新学科紹介の様子

(2024.7)

鹿児島市立鹿児島女子高等学校
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