キャリア教育を重視した人材育成

玉商は地元の商店街などと連携する「特別活動」(キャリア教育)に力を入れており、地元の玉島商工会議所とも連携・協働しています。

玉島商工会議所との連携事業では、10数年前に閉店した地元銭湯「みなと湯」の復活プロジェクトに取り組みました。計画・調査の段階から生徒が関わり、また山陽学園大学などから分析の面で協力を受けるなどしプロジェクトを進めました。実際に「みなと湯」は謎解きゲームの舞台として復活を果たし、玉商の生徒が地域活性化に一役買いました。今後は「足湯」事業の実現を通じて「みなと湯」を地域住民の憩いの場にする構想もあるそうです。

また、地元事業者の確定申告に向けた集計表の作成業務を簿記部の生徒が行いました。玉島商工会議所・守永一彦会頭の「普段学習している簿記が実務の中で使われていると分かると、より前向きに勉強に取り組むことができる」という発想のもと、同所が会員事業者に協力を依頼し、実践的な業務を体験しました。

「みなと湯」復活に向け活動する生徒ら 「みなと湯」を舞台に謎解きゲームを実施

事業者の集計表で簿記の実務を体験

集計表の作成業務では簿記部5名が2チームに分かれ、れんこん農家と自転車店を担当しました。各事業者が日々ルーズリーフ(紙)などに記載し記録している「○月○日に○○を○○円購入」といった情報から仕訳を起こし科目ごとにとりまとめるなどして、作成業務に奮闘しました。

日商簿記2級を昨年12月に一発で合格した簿記部2年の増田希望(のぞむ)さんに、今回の体験について伺ったところ、「知らない勘定科目があったり、合計金額を合わせることに苦労した。ただ、簿記を学習していたおかげでどういう取引でどう計算するのかイメージすることができた。また、今回の体験のおかげで減価償却など言葉だけ知っていたもののイメージが湧き、消耗品や雑費の内訳も初めて知ることができた。」と話してくれました。増田さんは簿記を勉強するために玉商へ進学したそうで、普段の学習を生かすことができた経験はとても充実した時間だったそうです。

集計表の作成は、玉島商工会議所の職員の力も借りつつみっちり3時間ほど取り組んだそうです。同所へ連携を働きかけた同校の赤岩康弘教頭は、「集計表の数が合わず苦労した生徒もいたが、普段の簿記学習により力を入れていきたいとむしろ前向きな気持ちになってくれた。今後も継続して取り組みたい。」と連携事業の効果を語ってくださいました。

簿記部の生徒が集計表の作成業務を体験 奮闘する生徒ら

(2024.3)

岡山県立玉島商業高等学校
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