原価計算の理論を学ぶ生徒ら タブレットを活用した学習

簿記の基礎を学びマーケットで実践!

「志を立てて もって万事の源となす」
倉商生は、商業に関する基礎を学びつつ、「成す事により学ぶ」実学を重視した体験的活動を通じて、高い志を抱き、自ら考え学び続ける力を育みます。
日商簿記受験に向けては、通常授業だけでなく、試験前の10日間は、0時限目を実施。1人1台使用しているタブレットでの動画教材なども活用し、基本学習を大事に答案練習はもとより、先生も丁寧な講義でフォローしています。

1年次に企業活動と密接につながる簿記の基礎を学ぶからこそ、実学が身に付くその実践の場が、10月の文化祭での株式会社「倉商」マーケット(2日間実施)です。1~3年の全校生徒が一人3,000円の株式を出資し、株式会社倉商は、1,000万円の売上目標を掲げています。各クラスが市場調査の末、協力企業を決定し、店を並べます。1年生は、仕入原価がピンと来なくて利益をのせすぎて売れなかったり、急な雨で売り切るために値引きに悩んだり、3年生は、セット売りや「自分なら買うか?」(消費者目線での値付け)など、商売感覚が着実に鋭くなっています。夏休み明けから20人1店舗で店長、仕入係、販売係、会計係と役割を決め準備にあたり、商品の選定、仕入れ先との連絡・交渉も全て生徒たちが行います。両日売上集計を行い、値引きしても原価割れしないが大原則ですが、最後の全校での決算報告では、新聞折込の広告宣伝費や場内警備費用など全体にかかる費用も計上され、最終利益に応じて配当されます。(商売の仕組みがよくわかりますね!)

倉商マーケットでの店長によるプレゼン 接客する生徒

市内事業者に育まれ、市内で活躍する人材になってほしい

地域活動についても、北九州市内の事業者は協力的な方が多く、まず生徒たちの提案を聞いていただき、的確なアドバイスで実学を学びます。例えば、課題研究で商品開発(ピザ開発)に取り組む生徒たちは真剣そのもの!食べたい具材を列挙する彼らの意見を聞きながら、連携する事業者からひと言「それだけ盛り込むと売価800円超えるけど、買うかな?」
「市内の事業者に育てていただきながら、卒業後は、北九州市の地で働いてほしい。」簿記指導にあたられている秦陽子先生は、楽しいエピソードを交え、お話しくださいました。

(2023.7)

福岡県立小倉商業高等学校
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