入学式の次の日の講演 真剣な表情で学ぶ生徒ら

生徒自ら講座を選ぶ市高タイムで充実した学校生活

入学早々、「公認会計士を目指す」明確な目標を持つ生徒もおり、高崎商科大学と連携した専門的な簿記学習の実施により、1年次12月に日商簿記2級、2年次11月に1級に挑戦し、在学中に日商簿記1級、税理士試験簿記論合格者を輩出しています。

3年次の課題研究においては、地域のイベントでの販売など、ビジネスで地域課題を解決するという意識のもと、1~2年次で培った基礎知識を踏まえ実践に移し、変化する時代に対応できる、地域創生を担う起業家の育成に力を入れています。

教員一人ひとりが週2コマ1講座を受け持つ市立タイムでは、漢字検定、中国語、ディベート、部活動など学年横断で生徒の興味・関心や進路希望に応じて、生徒自らが選択・受講し学校生活を充実あるものにしていきます。

簿記・会計を極める生徒たちは、情報ビジネス科の秋好望美先生が担当する講座で、検定試験上位級合格に向け、動画講義や答案練習、振り返り等々、知識を深め、技能を磨きます。また、上級生が下級生に教えることで自身の更なる成長にも繋がっています。

 
地域イベントで販売を実践 中学生に会計授業

市高生が、中学生に簿記入門を指南

今年7月、中学校からの依頼で出前授業をする機会があり、他校は教員が行う中、同中学校の卒業生である市高2年生、3年生が簿記について講義しました。来年お札のデザインがかわるエピソードを切り口に、お小遣い帳など身近な話から中学生の興味を引きます。理解しにくい勘定科目については、トランプを作り、資産科目はあるとうれしいから赤色カードにするなど工夫を凝らしました。秋好先生からの指導は最後のリハーサルのみで、すべて生徒が考え準備を行いました。2クラスの授業で2回目はもっと笑顔で、声を大きくなど自ら改善し、中学生も45分の授業を楽しく学びました。受け入れ中学校の先生方からも「中高でこんなに違うんですね」と成長した卒業生の姿に驚かれていたそうです。

高大連携で市高において簿記学習を深める生徒がいる一方、その成果を中高連携で、中学生に還元し中学生のころから簿記に興味を持ちビジネス社会を意識するという好循環が生まれました。着実に、地域を担う人材が育っています。

「卒業生が、地域で活躍する起業家になってほしいですね。」情報ビジネス科の能勢大志先生は、充実した学校生活のご紹介とともに、お話しくださいました。

(2023.7)

北九州市立高等学校
https://ichiko-ed.jp/