事業者と協働してオリジナル商品を開発

簿記やマーケティング等を学ぶ千葉商科大学付属高校商業科2年生の生徒は、近隣の「道の駅いちかわ」を舞台に商品開発プロジェクトに取り組みました。本プロジェクトでは、道の駅に新しい特産品を作るというミッションのもと、フリーペーパーを作成し協力事業者を紹介するとともに、事業者と生徒でチームを組み、協働して商品開発や販売促進を行いました。実際に、道の駅いちかわの店頭に並んだ商品の評判は良く、売り切れになったものもありました。また生徒の発案で事業者間のコラボ企画が実施され、例えば、農家チームと洋菓子チームが話し合うことで、農産物を使った菓子も開発されるなど、本プロジェクトがなければ、異業種の接点は生まれず、事業者から大変喜ばれているそうです。同活動は、2017年度から、毎年2年生が実践しており、3年前に開発された商品の中には、現在も引き続き売られている商品もあるとのことです。

商業科主任の田名先生は、「商業科の生徒たちが、事業者とのやり取りで出てくる『値頃感』『CS(顧客満足)』といったビジネス用語をスムーズに理解できるのは、簿記をはじめとする商業科の学習によるもの。実学実践のこのプロジェクトを通して、『地域社会に貢献しようとする心』や『自分や社会の将来について考えようとする心』を成長させて欲しい」と、話していました。

生徒制作のフリーペーパー 道の駅での販売の様子 コラボ企画で誕生した「ビーツマカロン」

検定試験学習による成長

簿記学習については、千葉商科大学の会計研究所「瑞穂会」から、テキストや動画を提供してもらうなどのバックアップを受けています。また、簿記学習のため、本人たちが希望する放課後の時間帯に合わせて授業を行っています。生徒には一人一台iPadが配付されており、授業を録画したものを視聴することや、ポイント解説を教員が作成し、昼夜問わず送ったりすることもできるそうです。日頃からの生徒の自主性を重視する指導方針も奏功し、授業中や放課後学習において生徒同士で教えあうことも当たり前の光景になっているそうです。

田名先生に検定試験学習についてお聞きしたところ、「商業科では1年次に日商簿記検定3級を受験し、特に卒業までに2級の取得を目標としているが、合格、不合格以上に生徒の成長を重視している。あくまで検定試験はツールであって、学習を通じて、向上心や計画力など目に見えない価値観やスキル成長させて欲しい。」とお話いただきました。実際に、検定試験の学習を通じて、「こういう自分になりたい」という生徒の気持ちは強くなっているそうです。