埼玉県立熊谷商業高等学校

電卓早打ちに憧れて入部

熊商では全生徒が授業で簿記を勉強します。では、なぜ簿記部に入ったのかというと、「体験授業に参加して面白いと思った」「簿記は地味なイメージがあったが、電卓の早打ちを見て憧れた」「親に勧められて」などきっかけは様々。「中学時代、できなくて悔しくなるほど打ち込むものがなかったので、自分を変えたくて『厳しい』と評判の簿記部に入った」という部員もいました。

電卓早打ちに憧れて入部

難問が解けた時はとてつもない快感

では、実際に入部してどうだったのでしょうか。「最初は難しいと思ったが、検定合格が励みになった。続けてよかった」「中学校時代は大会に出たこともなかったが、簿記の競技大会で県大会優勝、その後、全国大会に出場して入賞もした。とてもいい経験をした!」という感想や、「自宅でどうしても解けなかった問題が、翌日、学校で簿記部の仲間と試行錯誤して解けた時に『とてつもない快感』」を味わい、「中学時代は勉強嫌いだったのに、簿記を始めたら他の教科も好きになった」という部員も。「やりたいことが見つからない人には、将来、何にでも使えるから」と簿記の勉強を勧める声もありました。日商簿記1級合格を目指す高崎商科大学のプロジェクトに参加し、進学の道を選んだ部員は「将来は公認会計士として中小企業を支援するか、教師として簿記を教えたい」と夢を語ってくれました。

難問が解けた時はとてつもない快感

進路の選択肢が広がる

部員たちに「簿記は他の教科と違って、全員が高校からスタートを切れる」と語る顧問の武藤先生は、熊商簿記部を指導して9年目。「初めて学ぶので誰でも得意科目にできる」「そのためには継続が大切。継続には『簿記嫌い』にさせないことが指導者の役割」と強調。簿記の勉強を進学や就職など次のステップにつなげることも教師の重要な役割」「部員が日商簿記1級に合格し、熊谷商工会議所の会報で、地元出身者が熊商で学び、努力が実ったことが紹介されて嬉しかった」とおっしゃっています。

武藤先生の最大の願いは「中学生とその親御さんに簿記の可能性を知ってもらう」こと。「商業高校に進学し簿記を学ぶことで、大学推薦入学の道が開け、就職先での実務にも役立つなど、将来に役立つことをぜひ知ってほしい」と熱く語っていただきました。