日本商工会議所は8月5日~7日に日商簿記1級合格を目指す高校生・大学生および、その指導者等を対象として「簿記坂セミナー」を高崎市内で開催し、約100名が参加した。同セミナーは、日商簿記1級を突破する実力を養うとともに、簿記を学ぶ意義や有用性を再認識し、合格を目指す学習者・指導者同士の交流を深めネットワークを構築することなどを目的に、昨年度に続き開催したもの。

同セミナー初日には、学習者向けに11月に実施する日商簿記全国大会「簿記―1グランプリ」と同様のチーム対抗形式による模擬試験を実施した。2・3日目は、同模擬試験の解説をはじめ、11月の日商簿記1級合格に向けた講義を行い、参加者は11月に実施される日商簿記1級の本試験に向けた学習に集中して取り組んだ。

また、指導者向けに日商簿記各級の重要な論点および最新の動向に関する説明や、各学校における簿記教育への取り組み事例の紹介等を行い、日商簿記の有用性やその指導法について、より理解を深めていただいた。

また指導者向けには、初級から上級へと基礎固めをしながら知識の集積と合格を目指す「簿記坂」の考え方とそれに基づく指導法、日商簿記1級合格を見据えた重要論点に関する説明、各学校における簿記教育への取り組み事例の紹介と意見交換等を行い、日商簿記の有用性やその指導法について、より理解を深めていただいた。

さらに、特別講演として、鈴鹿大学准教授(日商検定推進アドバイザー)の髙見啓一氏(ネット小説「悪の組織の原価計算連結会計」作者)と、渡部崇文氏(公認会計士・税理士・証券アナリスト、NHK高校講座簿記インストラクター)が講演した。髙見氏は「悪の統領式 難関資格合格法」というテーマで、難関資格合格のための学習法や考え方について自らの経験を交えた説得力ある講演を行った。渡部氏は「笑って楽しく簿記を学ぼう~簿記を学べば、世界が変わる!」と題して、簿記学習のモチベーションアップの観点から、馴染みの深い企業の分析事例を中心に、簿記・会計の知識を習得した後の活用方法を説明した。いずれも、参加者が自らの将来をイメージする際のきっかけとなるとともに、同年代の同じ目標を掲げる参加者にとって互いに切磋琢磨し刺激を受ける機会となった。

 

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日商簿記1級対策講義に熱心に耳を傾ける参加者 企業分析事例を基に簿記・会計の面白さを説く渡部講師