資格を生かして活躍する社会人の方を紹介する本コーナーですが、今回は将来社会で活躍される大学生に焦点を当て、現在会計を学んでいる日本大学商学部3年の畠山さん(写真右)、同2年の水口さん(写真中央)、芹澤さん(写真左)にお話を伺いました。
-皆さんは所属しているゼミで「会計離れ」について研究しているとのことですが、研究内容について教えてください。
畠山さん)
「会計離れ」は簿記や会計を学ぼうとする若者が減少していること、また高度な会計知識を目指す者が減少していることを指しますが、日商簿記などの会計系の資格や試験の受験者数はピーク時よりも減少しています。会計系の資格や試験は人気があるというイメージを持っていた中で、授業でこの会計離れについて知り興味を持ったのが研究のきっかけですが、様々な団体・機関等にインタビューを実施するなどして、なぜ会計系の資格や試験の受験者減少に見られるような会計離れが起きたのか、その因果関係を解明すべく研究を進めています。
-こちらも関心があるので、ぜひ会計離れの原因を解明してください。ところで、お三方とも簿記の学習経験をお持ちとのことですが、どのように学習を進めていましたか。
畠山さん)
大学2年次に日商簿記3級相当の授業を履修し、現在は今年度中の日商簿記2級合格を目指して学習に取り組んでいます。2級は3級と比べて範囲が広く覚えなければならないことが多いので苦労する部分もありますが、通学時間や授業のないコマなどを活用して勉強時間を確保しています。また、苦手な部分はYouTubeの動画を活用するなど、日商簿記に関する解説動画も参考にしつつ勉強しています。
水口さん)
高校1年次に日商簿記3級の合格を目指して学習していたのですが、3級の精算表や試算表の問題に苦労しました。克服するために過去問を大量に解くことを重視し、試験直前は一日に4、5時間ほど勉強していました。そのかいあって1年次の2月に3級に合格することができました。
芹澤さん)
高校1年生のときは全商簿記の取得に向けて学習していましたが、在籍していた高校では、2年次に日商簿記2級合格が推奨されていたこともあり、日商簿記2級の合格を目標にしていました。2級は商業簿記と工業簿記に分かれており、暗記よりも理解が重要な商業簿記に特に苦労しましたが、過去問やテキストをうまく活用し理解を深めることで合格することができました。現在はゼミの研究に注力していますが、今後は1級の合格も目指したいです。
-高校生あるいは大学生のうちから簿記を学習するメリットは何でしょうか。
畠山さん)
現在就職活動を行っているのですが、企業の財務諸表を読むことができるので、志望する企業を財務面から分析することができますし、グループワークでも会計に関する知識を持っていない学生と差をつけることもできます。
水口さん)
高校生で日商簿記3級に合格していたので、他の資格と合わせて、大学の推薦入試を受験し合格することができました。また、現在一人暮らしをしていますが、自分の収支管理もできるようになりました。固定費・変動費を管理して家計簿をつけることで、節約にもつなげることができています。
芹澤さん)
大学入試では一般入試と推薦入試がありますが、高校での履修科目が受験科目と異なる商業高校の生徒にとって、一般入試で受験するのが現実的ではないような大学であっても、日商簿記の取得を生かした推薦入試で受験することができるなど、将来の進路につなげることができます。また大学に入学してからも、会計に関する講義の内容がスムーズに頭に入るなど役に立っています。
-簿記の資格取得を目指している方へ、メッセージをお願いします。
畠山さん)
簿記は学生でも社会人でも役に立つものです。簿記の知識は武器となります。一緒に頑張りましょう!
水口さん)
私は簿記に出会ったことで、大学にも入学することができ、自分の未来を変えてくれたと思います。日々の生活や就職などの場面で役立ち、社会人になっても変わらず役に立つ、自身に付加価値をつけてくれるものです。
芹澤さん)
社会では経理にしか使えないというイメージもありますが、社会に出る前も出た後も役に立つものです。簿記の学習を通じて自身の選択肢が広がります。