戦う商業高校生 リテールマーケティング戦隊 第8話「万引防止対策」P1
戦う商業高校生 リテールマーケティング戦隊 第8話「万引防止対策」P2
戦う商業高校生 リテールマーケティング戦隊 第8話「万引防止対策」P3
戦う商業高校生 リテールマーケティング戦隊 第8話「万引防止対策」P4

マーケレッドやストアブルーも持っている資格「リテールマーケティング(販売士)検定」についての詳細は、こちら

用語解説

RM戦隊 マーケレッド

本作の主人公。リテールマーケティング(販売士)検定合格後、本人の意思とは無関係に変身能力を獲得。リテールマーケティング(販売士)の授業が好きなのか先生が好きなのか、そこはヒロインらしい乙女心のようだ。
スイーツを食べる時の笑顔は「天使級に可愛い」と評判。

RM戦隊 ストアブルー

レッドの相棒。リテールマーケティング(販売士)検定のほか簿記検定にも合格しており、レッドよりも数字に強く、冷静沈着。
喜怒哀楽の激しい性格ではないが、クールな笑顔は「意外と可愛い」と評判。

先生

レッドとブルーに、ビジネス資格と変身能力を授けた謎の司令官。
爽やか風のつくり笑顔は「悪魔級に嘘くさい」と評判。

商品ロスと万引き

小売店内において発生する商品のロスは、欠品による販売機会ロス、売れ残りによる廃棄ロス、万引きによるロス、などに大別できる。その中でも万引きによるロスは最近の犯罪件数の増加とともに悪質化しており、小売業は早急な自衛策を講じることが求められる。
万引き被害が最も大きいといわれているのが書店である。日本出版インフラセンターの2008年調査結果によると、全国の書店の商品ロス額のうち約74%が万引きによるもので、年間およそ194億円に上る。これは、売上高対比で1.4%のロス率となり、書店の平均利益 (経常利益率0.6%)の2倍以上にあたる。

粗利益(売上総利益)

総売上高から売上原価(商品の仕入原価) とロス高(品減り高)を引いた利益のこと。

万引き対策の三つの視点

1. 人的アプローチ

従業員による積極的な接客や、警備員・保安員の配置などである。接客では、顧客一人ひとりの目を見て、明るくはっきりとした挨拶(声がけ)を励行すると効果的である。また、挙動不審者を見かけた時は、速やかに他の従業員に隠語を使って連絡するとともに、「何をお探しでしょうか」などと積極的にアプローチし、「見られている」という意識を持たせることが肝要である。

2. 店舗改善

デッドスペースの改善、顧客導線の見直し、 クリンリネスの励行、明るい照明への変更などがある。万引き防止対策の基本は、デッドスペースをなくすことに尽きる。物理的なデッドスペースだけでなく、クリンリネスの不徹底や、過剰在庫や乱雑な山積み陳列などにより生じる心理的なデッドスペースをつくら ないように留意すべきである。また、定番コーナーは、わかりやすい基準で商品を分類し、フェイスを整えてすっきりとした売場にしておかないと万引きされる確率が高まる。

3. 防犯設備の設置

防犯カメラ、防犯ミラー、防犯ゲートなどの設置やセンサー・タグ・システムなどがある。防犯ミラーを店内奥の壁面に取り付けておくと、レジなどから顧客の行動が見えるので、心理的防止効果が期待できる。

声かけ励行

万引防止の第1のポイントは、声かけである。挨拶は、小売業の接客の第一歩であるが、万引き防止にも同じことがいえる。「いらっしゃいませ」の一言がかけられる小売店かどうかで、万引きの件数に大きな差が出る。
元気のよい小売店や明るい雰囲気の小売店、常に顧客を意識している小売店では、万引きをしにくいものである。特に「いらっしゃいませ」と声をかけるときは、ただ単に声を出すのではなく、相手の顔を見て笑顔で行うことが大切である。自分の顔を覚えられたと思ったら、万引きはしにくいものだからである。

筆者より

万引き問題は昨今のニュースでも話題になっていますが、「事前対策」はあまり取り上げられないのでテーマにしてみました。