2月1日、航空自衛隊熊谷基地で、任期制で勤務する自衛官約20人を対象に、任期満了後の再就職に備えた勉強会が開催された(写真は同基地ホームページより)。

この勉強会は、再就職の準備に役立つ情報提供を行うために、同基地が毎年2回、開催しているもの。今回、熊谷商工会議所が同基地および日本商工会議所、東京商工会議所と連携し、再就職にあたり資格の取得が役に立つことや、商工会議所検定試験の特徴、および、簿記やビジネス実務法務など個別の検定試験の紹介を行った。

勉強会では、日本商工会議所および東京商工会議所から、資格を持てば「自分の強みになる」(慶応大・竹中平蔵氏)、「職場で評価される」(経済評論家・勝間和代氏)など、有識者のコメントを引用しながら、資格が就職に役立つことを説明。特に、商工会議所の検定試験は会員企業の声に基づいてつくられた制度であり、「企業現場で求められる実践的な能力が身に付く」ことが特徴であると強調した。

また、簿記検定やビジネス実務法務検定を例に「企業が応募者に求める資格ランキングトップ10」で第1位(日商簿記2級)を占めるなど、高い知名度と評価を得ていることや、様々な業種の方が受験し幅広い職種でご利用いただいていることなどを説明。併せて、民間企業においてジョブ・カード制度を活用した有期実習型訓練を受けて、正社員として就職する道についても紹介した。

自衛隊は、組織の精強さを保つため、若年定年制および任期制という制度を採用しており、多くの自衛官が50歳代半ば(若年定年制自衛官)および21歳~30歳前後(任期制自衛官)で退職する。そのため、若年定年制自衛官には定年の10年程度前から、任期制自衛官には入隊3年目以降、それぞれ、再就職に対する意識を高めるため具体的な準備を始めており、今回の勉強会は、その一環として行われた。

自衛官の再就職支援は全国的な課題であり、商工会議所が地元自衛隊と連携し、現役自衛官を対象にした簿記講座を開催した例もある(陸上自衛隊小倉駐屯地と北九州商工会議所)。