簿記を楽しくわかりやすく

高校時代に簿記を猛勉強

-酒井さんはNHK高校講座の新シリーズ、簿記講座で司会をされています。ご自身も高校生の時に簿記を勉強されたのですね。

故郷である宮崎県延岡市の商業高校に入学して、必修の授業で初めて簿記を勉強しました。いつも担任の先生から「就職する時に簿記の資格があれば非常に有利」と言われて、課外授業を受けるなど、朝から晩までかなり勉強しました。二人ずつのペアを組んで、一人が問題を解けないと、わかるまで二人とも居残りになるので、必死でした。その時は辛かったのですが、おかげで資格試験は3級、2級、1級といずれも1回で合格できたので、今はとても感謝しています。また、簿記部の友達に教わったり、私自身が友達に教えることもありました。教えることで自分自身の理解が進むんですよね。わかるようになると簿記を勉強するのが楽しくなって、特に仕訳が好きになりました。

簿記講座では司会を務めています。番組を進行するだけではなく、講師のお話を視聴者の皆さんにわかりやすく解説するのも大切な役割です。高校時代に学んだ経験が活かせるので、簿記を勉強しておいて本当に良かったと実感しています。この番組に出演することが決まって高校時代の恩師に連絡したところ、とても喜んでくださいました。

 

初心者が簿記を楽しく学べる番組に

-番組の特長を教えてください。

簿記は固いイメージが強いかもしれませんが、番組スタッフの皆さんが、楽しく学ぶための工夫をしてくれていて、私たちもとても楽しく演じています。
例えば、簿記の用語は高校生にとって難しいものが多くて、私自身、覚えるのに苦労しました。でも、この番組では、「資産」「負債」など簿記のキーワードを散りばめたオープニングソングを、私がメインボーカルとして、出演者全員で歌っています。簿記用語を楽しく覚えられるのでぜひ聞いていいただきたいですね。

また、商店をイメージしたスタジオで、出演者の人形や、模型を使って、取引の様子や簿記のしくみを説明するところが売り物です。CG(コンピュータ・グラフィックス)を使う方法もあるのですが、わかりやすさを大切にするため、あえてこうしたやり方にこだわっています。

高校生だけではなく、簿記を初めて勉強する人が楽しみながら学べる番組にしたいので、ご覧になった感想をぜひお聞きしたいです。

資格を取れば決して損はしない
簿記は裏切らない!

-番組の視聴者や、簿記を勉強中の方にメッセージをお願いします。

簿記の資格があれば仕事につながります。私がそうですから(笑)。テレビや映画のオーディションでは、自己紹介で「簿記1級」をアピールすることにしていて、いつも「すごいね」と反応が返ってきます。特に、今回のお仕事をすることになったのは、簿記の資格を持っていたことが大きかったと思います。

資格を取っておけば、決して損はしません。簿記は裏切らないと実感しています。NHK高校講座は、高校生だけではなく、一般の方も大勢ご覧になっているそうです。楽しく勉強して、将来の進路やお仕事にも役立てていただきたいですね。私たち出演者も、視聴者の皆さんに「もっと見たい」と言われるほど好評な番組になるよう頑張ります。

【番組放送日などが掲載されているNHK高校講座のホームページはこちら】
http://www.nhk.or.jp/kokokoza/tv/boki/

Profile

酒井 瞳 Sakai Hitomi
1989年、宮崎県生まれ。宮崎県立延岡商業高校2年次に全国商業高等学校協会簿記実務検定(全商)1級取得。株式会社ソニー・ミュージックアーティスツ所属。元アイドリング!!!14号。
NHK連続テレビドラマ「まれ」をはじめ、テレビ、映画、舞台、コマーシャルなどに出演。2016年、「NHK高校講座 簿記」司会。