原作:髙見啓一(鈴鹿大学准教授)
イラスト:高木

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-魔王からの架電は残酷な現実を告げる。

魔王 「・・・というわけで、勇者たちにこちらはやられた。お前たちZAIMのモンスター工場にも、今日あたり総攻撃で攻めて来るはずじゃ。せいぜい頑張るようにな。」(チン)
戦闘員B 「え?マジで?」
戦闘員A 「ついにこの日が来てしまったか・・・。」
統領 「(((((((( ;゚Д゚))))))))ガクガクブルブル」

ピンポーン

戦闘員C 「ハーイ。」
勇者 (ガチャッ)「どうも~勇者軍です。正々堂々戦いましょう!」

最終回ということで、結果は・・・みなさまのご想像のとおりである。FIGHT!!

戦士 「とりゃーっ!伝説の剣っ!!」(ちゅどーん!!)
魔道士 「えーいっ!ファイナルマジックー!!」(ちゅどーん!!)

ピヨピヨピヨ・・・。原価計算の知識を駆使するも、圧倒的なパワーの前に工場内のモンスターは見事に蹴散らされ、ZAIMのモンスター工場は壊滅した。

戦闘員C 「いやー、負けた負けた。さー掃除しよ。」
戦闘員B 「組織壊滅。またハローワーク行かなきゃな。」
戦闘員A 「まあ、こんな感じで最終回が来るのは想像していましたよ。」
統領 「シクシクシク・・・」

戦意喪失の統領に勇者が話しかける。

勇者 「統領さん・・・あなたのウワサはかねてより聞いていました。よろしければ、ZAIMの『財務力』を生かして、世界平和の後の世界統治にご協力いただけませんか?」
戦闘員A 「えっ?ZAIMまさかのM&A?」
戦闘員B 「正義の勇者さまともあろうお方がこんな悪の組織をM&Aだなんて。」
勇者 「武力で平和をおさめたあとも、次なる戦争が待っているからです・・・。」

それまでのほのぼのとした雰囲気から一転。雷雲が立ち込める中、勇者は語り始める。

勇者 「絶対的な正義」なんてあるわけがないじゃないですか。統領さんはよくお分かりだと思いますよ。フフフ・・・。」
統領 「たしかに・・・おたくのような『正義』を旗印にしているヤツラは最も恐ろしい。」
勇者 「これから法律を作り近代的軍隊を合法化し、大量破壊兵器の製造と保有を進め、世界に対して圧力をかけられる武力と経済力を持ちたいと思います。」
戦闘員ABC 「やべえ・・・(((((((( ;゚Д゚))))))))ガクガクブルブル」
勇者 「ZAIMの原価計算。頼りにしていますよ・・・ククク・・・ジャスティスッ!」
統領&ABC 「ははーっ!ジャァァァスティィィィスッ!!」

新たな敬礼で答えるZAIMの面々。世界に平和は訪れた・・・。
しかし、「正義」と「平和」はイコールではない・・・。
いまも世界のどこかで、原価計算が悪を支え、平和を支えているかもしれない・・・。
ZAIMのZAIMよ永遠なれ!!