簿記検定試験出題区分表(平成23年2月9日改定)

日本商工会議所では、簿記検定試験の出題の基礎的な指針として、「商工会議所簿記検定試験出題区分表」(以下「区分表」と略す)を昭和34年9月に制定以来、8度にわたり会計諸基準の設定・改訂および関係法令の制定・改正等を踏まえ、出題区分表の改定を行ってきました。しかし、平成22年4月以降にも、企業会計基準委員会から新たな企業会計基準が設定・公表されており、これらに対応するため修正を行う必要が生じております。
そこで、企業会計を取り巻く環境の変化に的確に対応すべく、「区分表」等を改めて見直し出題項目の修正または追加等を行いました。ただし、「工業簿記・原価計算」につきましては、今回の改定事項はありません。
なお、今回改正の「区分表」等については、平成23年4月1日から適用(平成23年6月12日施行の第128回簿記検定試験から適用)することとします。

簿記検定試験出題区分表
出題区分表の改定について(改定の趣旨) PDFダウンロード
商業簿記・会計学 PDFダウンロード
工業簿記・原価計算(今回変更なし) PDFダウンロード
許容勘定科目表の作成及びその利用方法について PDFダウンロード

改定箇所

商業簿記・会計学

出題項目 改定内容 趣旨
第二
5.手形
イ.裏書譲渡、割引
2級に「保証債務の計上」を追加 保証債務の計上が出題範囲に含まれていることを明示するため
第二
12.固定資産
ア.有形固定資産の取得
1級の「資産除去債務」を「資産除去費用の資産計上」に修正 出題内容を具体的に明示するため
第二
12.固定資産
カ.臨時償却
削除。なお、これに伴い「総合償却」および「取替法」の記号を繰り上げる 企業会計基準第24号「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」において臨時償却が廃止されたため
第二
19.資産除去債務
1級に新設。なお、これに伴い「純資産(資本)」、「収益と費用」、「税金」、「税効果会計」、および「未決算」の番号を繰り下げる 資産除去債務はすでに出題範囲に含まれているが、出題内容をより明確に示すため
第二
25.会計上の変更および誤謬の訂正
1級に新設 企業会計基準第24号「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」が制定されたため
第三
3.決算整理
1級の具体例「資産除去費用に係る費用配分額と時の経過による調整」を「資産除去債務の調整」に修正 文言の簡潔化を図ったため
第三
3.決算整理
1級の具体例「繰延税金資産・負債の計上」、「外貨建資産・負債の換算」、および「社債の利息法による評価替」の追加、ならびに「社債発行費等の利息法による償却」の削除 比較的出題頻度の高い項目を具体例として示すとともに、比較的頻度の低い項目を削除したため
第六
7.連結財務諸表上の税効果会計
「連結会計上の税効果会計」に修正 文言の修正を図ったため
第六
9.包括利益、その他の包括利益
1級に新設。なお、これに伴い「連結財務諸表、中間連結財務諸表の作成(四半期・半期)」および「セグメント情報など」の番号を繰り下げる 企業会計基準第25号「包括利益の表示に関する会計基準」が制定されたため
第七
会計基準および企業会計に関する法令
「会計基準および企業会計に関する法令等」に修正 「財務会計の概念フレームワーク」が新設されたため
第七
1. 企業会計原則、連結財務諸表原則、および企業会計基準などの会計諸基準ならびに中小企業の会計に関する指針
「企業会計原則および企業会計基準などの会計諸基準ならびに中小企業の会計に関する指針」に修正 企業会計基準第22号「連結財務諸表に関する会計基準」が制定されたため、連結財務諸表原則を削除した
第七
2.商法、会社法、商法施行規則、会社法施行規則、会社計算規則および財務諸表等規則などの企業会計に関する法令
「会社法、会社法施行規則、会社計算規則および財務諸表等規則などの企業会計に関する法令」に修正 商法および商法施行規則は出題実績に乏しいため削除した
第七
3.「財務会計の概念フレームワーク」
1級に新設 財務会計の概念フレームワークが出題範囲に含まれていることを明示するため

許容勘定科目表

A欄の表記 改定内容 趣旨
純資産(資本)
株式払込剰余金
B欄の「資本準備金」とA欄の「株式払込剰余金」を入れ替える 会社法・会社計算規則上、「資本準備金」を標準的な勘定科目とするのが適切なため
純資産(資本)
合併差益
削除 会社法・会社計算規則上、「資本準備金」または「その他資本剰余金」勘定を用いて処理ことが適切であるため
収益
貸倒引当金戻入(益)
削除 企業会計基準第24号「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」が制定され、1級の範囲とされたため
収益
償却債権取立益
削除 企業会計基準第24号「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」が制定され、1級の範囲とされたため
費用
棚卸減耗費
A欄の「棚卸減耗費」とB欄の「棚卸減耗損」を入れ替える 近年の出題実績を反映させたため
費用
商品評価損
B欄の「低価法評価損」を削除 企業会計基準第0号「棚卸資産の評価に関する会計基準」が制定されたため
費用
前期減価償却修正損
削除 企業会計基準第24号「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」が制定され、1級の範囲とされたため

過去の改定

> 平成22年4月1日施行
> 平成21年4月1日施行
> 平成19年4月1日施行