簿記はスポーツだ。継続は力なり
(浜崎雄輝さん)

 簿記資格を生かして、活躍する社会人の方を紹介する本コーナー。
 今回は、株式会社東武宇都宮百貨店(栃木県宇都宮市)にお勤めの浜崎雄輝さんにお話を伺いました。

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-日商簿記は、いつごろ取得されたのでしょうか。

 高校1年生の11月に2級を取得しました。簿記の勉強については、授業で分からない部分があったので簿記部へ聞きに行ったところ、そのまま入部することになりました(笑)。簿記部に入部してからは授業に加え、放課後は午後6時30分くらいまで簿記部で活動していました。時には、午後9時過ぎまで簿記に取り組む日もあり、先生方も熱心に協力してくださり、簿記学習に集中して取り組めた環境は、今思えばとても恵まれていたと感謝しています。

-日商簿記の学習では、どのようなことを意識されていましたか。

 継続して勉強をしないと知識や問題を解く手法が抜けていく感覚があったので、スポーツのように継続することを意識していました。実際に高校時代の恩師に「簿記はスポーツだ」と言われたこともあります。また、多くの問題に触れることで自分の苦手分野を把握し、出題形式の変化に戸惑わないようにしていました。
 進学した大学では、商学系の勉強をしました。高校までは資格取得を念頭に置いた学習が中心でしたが、大学ではより一歩踏み込んだ理論的な部分を学びました。

-今の会社を選ばれた背景を教えてください。

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 就職活動は、「多くの人と関われること」「生まれ育った栃木に貢献できること」の2つの考えを基に活動しました。その中でも、よく家族で買い物に来ていた思い出の場所である百貨店に勤めることで、その思いを遂げられるのではないかと考え選びました。
 面接でも、「新しく挑戦してみたいこと」「これまで簿記を勉強してきたこと」の2つの側面を話すことができ、マルチな人材であることのアピールにもつながりました。また、熱心に勉強してきた事実として日商簿記の有資格者であったことが、自信にもつながりました。

-実際に働く中で、簿記の知識はどのような場面で役立っていますか。

 現在、経理部経理課に所属し、伝票作成・仕訳業務・月次業務・監査対応・税務申告書作成などの業務にあたっています。経理業務では、適切な科目計上の判断や、誤処理の発見に簿記の知識やセンスが必要になるタイミングがあり、かつ、実務において新たな知識を学ぶ際には簿記の知識がどうしても下地として必要になります。簿記に触れたことがないまま経理職に就いた方から、まず「貸借」の概念が分からず科目管理や元帳管理で苦労したという話を聞いたことがあるので、簿記の知識がある人は、スタート地点からアドバンテージがあると感じています。
 今後に向けては、簿記の知識を生かし、実務経験を積み、キャリア形成し、会社の経営を経理の側面からサポートしていけるようになりたいと思っています。

-簿記資格の取得を目指している方へ、メッセージをお願いします。

 日商簿記の勉強は、どの会社にも必要とされる経理職の仕事内容を知る良い機会になります。そこから経理職を目指すも良し、キャリアの選択肢を増やすも良しとなるので勉強は決して無駄にはなりません。ぜひ資格取得を目指して頑張ってください。

「総務部人事課人事係長の中村裕美枝さんからのコメント」

 簿記を取得している方は基礎があり、即戦力として活躍していただける印象があります。専門用語などもスムーズに頭に入っている印象もありますね。
 経理業務はミスが許されない仕事であり、ミスが企業としての信頼を失うことにもつながるので、浜崎さんのように日商簿記を取得している人がいると安心感があります。

Profile

eton5浜崎 雄輝 Hamazaki Yuki
 1992年栃木県生まれ。栃木県立宇都宮商業高等学校1年次に日商簿記2級に合格。明治大学商学部に進学し、卒業後、2015年に株式会社東武宇都宮百貨店に入社。営業部門での販売職、総務部人事課、総務課を経て、現在、経理部経理課に所属し活躍中。好きな勘定科目は「預り金」。

株式会社東武宇都宮百貨店について

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 栃木県宇都宮市に本社を置く、1958年設立の百貨店。

 栃木県内唯一の百貨店として県内に3店舗を構え、「奉仕・進取・和親」の経営理念のもと地域密着都市型百貨店をコンセプトに営業を続けている。ハレの日(特別な時)の訪問先として全世代から愛され、イベントプラザで開催される物産展は毎回多くの人で賑わう人気の百貨店。
 宇都宮商工会議所常議員企業。

https://www.tobu-u-dept.jp/