12月、日本商工会議所の会議にて千葉ジェッツふなばしの島田慎二会長に、「プロバスケットボールチーム千葉ジェッツふなばしの経営に見る会計の重要性」をテーマにクラブ経営や活動について以下のとおりご講演いただきました。

「プロバスケットボールチーム千葉ジェッツふなばしの経営に見る会計の重要性」代表取締役会長 島田慎二氏

-クラブ再建の鍵は「会計」にあり-shimadamid

千葉ジェッツふなばし」は、今でこそ、人気、実力そして営業面でもトップチームとなり、バスケ界では日本人初の1億円プレイヤーである富樫勇樹選手も所属しているが、2011年の社長就任時は、倒産寸前のクラブであった。

そこで、経営者としてクラブの再建を果たすため、会計の基本要素である資産、負債、純資産、収益、費用を重視し、自社経営の見直しに着手した。簿記・会計の知識を有効活用し、「財務諸表」をもとに、地元の企業やクラブのスタッフに対して、クラブの将来性・可能性を分かりやすく数字で示して経営を立て直していった。

スポーツビジネス界においては、地元スポンサーに対し、チーム補強のためだけに寄付を求めることは多く見受けられるが、還元がなければ、そのお金はムダ金になってしまう。「会社たるもの赤字は悪」ということを心掛け、「経営の黒字化」にこだわり、経営面での安心感を武器にスポンサーからの信頼を勝ち取っていった。そうすることで、徐々に収入を増やし、それを原資に、良い選手を獲得して、チームの人気を上げていくという、「黒字化」を原動力とした好循環を生み出した。

-プロスポーツと地域貢献活動-

「千葉ジェッツふなばし」は「チームを取り巻くすべての人たちと共にハッピーになる」を経営理念に、バスケットボールの面白さ、楽しさの魅力発信だけではなく、地元への地域貢献にも力を入れ活動している。地元と向き合い、地元とともに成長していくプロスポーツチームを目指し、選手、社員が一丸となって行政等と連携し、災害復興支援や各種イベントへの協力にも取り組んでいる。

今後も、プロバスケットチームとしての実力を底上げするだけではなく、「地域愛着」を掲げ、地元の魅力発信や地域貢献活動にも力を入れていく。そのためには、チームとして、ただ理想や夢を掲げるのではなく、健全経営の証として、簿記・会計の知識を活かした、「数字による企業価値の明確化」にこだわっていき、100年後も輝けるチームを目指して、チャレンジし続けたい。

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<応援メッセージ>※ 肩書きは取材当時のものです。
「企業価値」を高め、スポーツを通じた地域創生を 千葉ジェッツふなばし代表取締役会長 島田慎二さん