日本商工会議所は8月5日~7日に日商簿記検定試験1級合格を目指す高校生・大学生および、その指導者等を対象とした「簿記坂セミナー」を高崎市内で開催し、約120名が参加した。同セミナーは、日商簿記1級を突破する実力を養うとともに、簿記を学ぶ意義や有用性を再認識し、参加者同士の親交を深めることなどを目的に開催したもの。

同セミナーでは、受験者向けに日商簿記全国大会「簿記―1グランプリ」と同様のチーム対抗形式による日商簿記1級の模擬試験を実施し、高校生・大学生が挑戦して得点を競い合った。その後、同試験の解説を含めた日商簿記1級対策講義を行い、11月に実施される日商簿記1級の本試験に向けた学習に取り組んだ。

また、指導者向けに日商簿記各級の重要な論点および最新の動向に関する説明や、各学校における簿記教育への取り組み事例の紹介等を行い、日商簿記の有用性やその指導法について、より理解を深めていただいた。

さらに、全ての参加者を対象とした特別講演を実施し、鈴鹿大学 准教授(日商検定推進アドバイザー)の高見啓一氏(ネット小説「悪の組織の原価計算」作者)と、(一財)アスリートデュアルキャリア推進機構 代表理事の奥村武博氏(元阪神タイガース)が講演した。高見氏は「悪の統領式 難関資格合格法」と題して、資格取得を実現するための学習法や考え方について事例を踏まえながら分かりやすく解説した。奥村氏は、「簿記会計が拡げる未来」と題して、自身がプロ野球選手を引退後に公認会計士を取得した経験を踏まえ、簿記・会計の知識が経済社会で役立ち、スポーツ選手の引退後のキャリア形成にも有用であることを説明した。

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日商簿記1級対策講義を受講する高校生・大学生 簿記・会計知識の有用性について説明する奥村講師