経済評論家の勝間和代先生から、簿記学習への応援メッセージとともに、検定試験を受験される皆さんへ以下のアドバイスをいただきました。

 

1.簿記を身につけることが目的
 勉強を始める前に、簿記を学ぶ目的を確認することが大切です。試験に合格することが目的だと勘違いしている方が多いのですが、目的は簿記を身に付けることであって、試験は結果を測定する手段にすぎません。
 「なぜこの科目は貸方ではなく借方なのか」「なぜこの決算処理をするのか」など、一つ一つの意味を理解したうえで検定試験を受けていただきたいのです。
 

2.理論を理解することが重要
 それぞれの分野について練習問題を解くことは悪いことではありません。でも、過去問題ばかり解いていると、その解答にとらわれてしまうので気をつけてください。過去問題をやり、間違えた問題だけ解けるようにする、という勉強をしている人が多いのですが、お勧めしません。
 それよりも、なぜ、その解答になるのか、もとになっている簿記の理論を理解することが重要です。そうしないと、見覚えのない問題が出た時に対応ができなくなります。また、言うまでもなく、過去問題は二度と出題されません。

 
3.問題文はよく読んで
 より多くの問題をこなすのは構わないのですが、解答作業に手をつける前に問題文をよく読むようにしてください。特に、試験本番の時は焦らずに問題文をもう一度よく読めば出題の意図が分かります。簿記に限らず、「問題を読んでいない」と感じることがよくあります。

 

4.通学をお勧めします
 簿記の勉強方法には通信教育やテキストによる独学などいろいろありますが、私は、学校で受講する「通学型」をお勧めします。教室には一緒に勉強する仲間がいますし、分からないことはその場で先生に聞くことができます。自分の体験で言うと、検定試験で難しい問題が出た時に、教室での先生の声と授業内容を思い出すことで、解くことができました。

経済評論家 勝間和代さん  ビジネスパーソンに簿記は不可欠