川崎医療福祉大学 医療福祉マネジメント学部(岡山県倉敷市)

少子高齢化が進むなか、医療福祉を支える人材のニーズは年々高まるとともに多様化しており、こうしたニーズに対応できる専門的かつ高度なスキルを持った医療福祉・医療技術のスペシャリストを養成することが不可欠になっています。
川崎医療福祉大学は、こうしたスペシャリストを養成し、最良の医療福祉サービスを提供することを目的に、1991年に日本で初めて設立された4年制の医療福祉の総合大学です。また、最良の医療福祉サービスの提供には、医療福祉施設の運営とマネジメントに関する専門的知識も不可欠との観点から、2005年に医療福祉サービスおよび関連分野で運営・管理が的確に実践できる専門家を養成する「医療福祉マネジメント学部」を創設しました。卒業生は、高い知識や技術はもちろん、患者や要介護高齢者、あるいは障がい者の方に対する心配り、懇切丁寧な説明能力などを兼ね備えた良き医療福祉関連専門職として、全国で活躍しています。
同学部の医療福祉経営学科および医療秘書学科では、医療福祉施設の組織運営に必要なパソコンスキルの習得に力を入れています。そこで、今回は医療福祉経営学科准教授の荒谷眞由美先生にお話をお伺いしました。

 

医療福祉系の大学でパソコンスキルの習得を推進しているのはなぜでしょうか?
医療福祉経営学科は、良質な医療福祉サービスを提供するために、効率的な組織運営・経営管理を目指す専門家を養成する学科です。したがって、事務系の専門職として、文書作成から数値データを用いた医療福祉の経営分析、プレゼンテーションまで幅広く活用できるよう、Word、Excel、PowerPointの学習と資格取得を推奨しています。また、医療秘書学科は、現在、臨床現場の医師をサポートするクリニカルセクレタリー®(電子カルテや診断書の作成等の事務作業補助から臨床現場における医師のサポートで段取りマネジメントを行う医療秘書職)を養成することに力を入れています。電子カルテをはじめとするIT機器を多く利用するので、特にICTに関する知識はもちろん、ビジネスに関する知識や文書の作成能力が必要なことから、学生には日商PC検定の文書作成分野の2級を目指すよう勧めています。
数あるパソコン系の資格の中から日商PC検定を選ばれたのはなぜでしょうか?
学生が卒業後、社会で求められるパソコンスキルとは、WordやExcel、PowerPointの機能をどれだけ知っているかということではなく、日常的によく使われる頻度の高い機能を使いこなして一つの仕事を完結させることだと思っています。その点で、日商PC検定はこうした機能を活用してビジネスシーンにマッチした文書や資料を作成するスキルの習得に役立つと思い選びました。
また、社会に出るといろいろなOfficeのバージョンで作成された資料ファイルを加工することがあると思いますが、日商PC検定は社会で使用頻度の高いOffice2007、2010、2013に対応していることも理由として挙げられます。
平成26年度は、「文書作成」「データ活用」「プレゼン資料作成」の3つの分野の3級と2級で合計91名が受験しました。

 

日商PC検定の合格に向け、どのようなサポートをしていますか?
受験希望者は検定試験の説明会に参加することを受験の条件にしています。説明会では、検定試験の概要や手順について説明します。その後、検定試験の2~3週間前に、「文書作成」「データ活用」「プレゼン資料作成」の3つの分野の勉強会を行います。ここでは、検定試験ホームページや公式テキストにある模擬問題を使って解法のポイントを解説していきます。ただ、限られた時間のため、基本的には学生が自主的に勉強しています。
また、本校はネット試験会場になっていることから、学生は日頃慣れ親しんだ教室で受験できるというメリットもあります(年度3回実施)。
さらに、各種2級試験の合格者と日商PCプロフェッショナル認定証取得者(※)の氏名を学内に掲示しており、学生の受験意欲を高めています。
日商PC検定の資格取得を通じて得たスキルをどのようなことに活かしてほしいとお考えになりますか?
大学での学びの道具として、さらに、就職後の業務遂行上の道具として活かしてほしいと考えています。実際、卒業論文やレポートの作成、研究のための情報分析や発表など大学内での活用にとどまらず、病院や福祉施設、行政機関などの学外実習の現場においてもパソコンのスキルを活用することは多々あります。
最後にこれからパソコンスキルの習得を目指す方にメッセージをお願いします。
大学での学びにおいて、日商PC検定の各分野の3級レベルの知識や技能は最低限必要だと思います。また、頭で考える速度に合わせて入力できるだけのスピードは必要ですので、タッチタイピングのスキルを高めることも重要だと思います。

(※)日商PCプロフェッショナル認定証
日本商工会議所では、日商PC検定の「文書作成」「データ活用」「プレゼン資料作成」の3つの試験が問う、企業実務で求められる高度なIT利活用能力をすべて有する証として、3試験でいずれも2級以上に合格した方に、「日商PCプロフェッショナル認定証」(カード)を交付しています。