1. 簿記初級はどんな内容が含まれていますか?

簿記は経済活動を記録するしくみで、簿記といえばふつう、「複式簿記」のことを指しますが、業種や規模に関係なく、世界中の国々での企業などで用いられていますので、いわば「ビジネスの言語」であるといえます。また、簿記あるいは会計の知識は、経理担当者はもちろん必要ですが、それ以外の部門で働く人や企業をとりまく外部の人々にとっても自社や他社の状況を正しく把握するためにとても重要です。

そこで、簿記の基本的な用語やしくみを理解し、仕事に活かせるスキルを身につけているかを確かめるための新しい検定試験として「簿記初級」が導入されました。したがって、「簿記初級」では、①会社にとっての成績表にあたる貸借対照表や損益計算書をはじめとして、②複式簿記での基本的な記録のルール、それから③商品の売買や代金の決済、給料などの費用の支払い、あるいは消費税などの税金の処理といった企業の日常的な業務で生じてくる一般的な事項についての簿記の知識や手続きを学ぶとともに、そしてこれらを理解することを通じて、④帳簿からビジネスに必要な情報を読み取る能力が養われます。

2. 簿記初級を学ぶことで、3級の合格までどこまで近づいていますか?

簿記初級では、経理担当者だけでなく広くビジネスパーソン全般を対象とすることを重視しているため、あえて決算の処理に関する部分を除いております。一方で、日商簿記3級では決算に関わる問題が必ず出題されており、しかも配点も相当高いため、3級に合格するためには避けて通れません。したがって、簿記初級を学んだからといってそのまま3級に合格できるわけではありません。しかし、簿記初級で複式簿記の骨格にあたる部分はすでに固まっているでしょうし、決算に至る前の日常的な経営活動に関する簿記の知識はかなり習得しているでしょうから、簿記初級で学んだ内容で3級の範囲の半分強はカバーされているのではないかと思われます。簿記初級に合格した段階で3級合格にかなり近づいていると考えてよいのではないでしょうか。

3. 簿記初級の論点には、2級から出題範囲となっている内容も含まれていますが、それはどれで、なぜなのでしょうか?

若干ですが、簿記初級ではより実践的な簿記の知識を問うという観点から、3級での出題範囲には入っていない項目もあります。3級は個人企業を前提にしているのに対し、簿記初級は、広くビジネスパーソン全般を対象にしている関係で、企業形態は必ずしも個人企業に限定していないためです。具体的には、簿記初級の範囲のうち、クレジットカードを用いた売上げで生じたクレジット売掛金や、新しい決算手段である電子記録債権・電子記録債務、および消費税の処理(ただし税抜処理に限る)が該当します。いずれも2級からの出題範囲とされていますが、簿記初級では基本的な理解を問う出題に留まります。なお、これらの論点が3級で出題されることはありません。