1級DCプランナー(企業年金総合プランナー)認定試験 答案練習(全8回)
~2015年度試験対策・第5回~
■企業年金総合プランナー(DCプランナー)メールマガジン第308号(2015.9.15)掲載
C分野:リターンとリスクの計算
今回はC分野からの問題です。リターン、リスクを求める基本的な問題ですが、収益分配金込みのトータルリターンを算出する問題、シナリオとその生起確率に基づいてファンドの期待収益率を求める問題、正規分布の知識を絡めた問題、と総合的な出題となっています。
《問1》の「解答・解説」
投資信託Aの過去4年間の平均リターンを求めます。
[{(1+0.12)(1+0.06)(1-0.06)(1+0.05)} の4乗根]-1=0.0404…→4.0%
上記リターンの標準偏差は、次のとおりになります。
(12-4)×(12-4) × 0.25
+(6-4)× (6-4)× 0.25
+(-6-4) × (-6-4) × 0.25
+(5-4)× (5-4) × 0.25 =42.25
42.25の平方根=6.5 よって、標準偏差は6.5%となります。
《解答》 リターン 4.0% 標準偏差 6.5%
《問2》の「解答・解説」
各シナリオの収益率は、基準価額の変動(キャピタルゲイン)と収益分配金(インカムゲイン)を合わせたトータルリターンで算出します。
{(1年後の基準価額+年間収益分配金)÷現在の基準価額-1}×100
各シナリオのトータルリターンは次のとおりになります。
シナリオⅠ:{(750 円+50 円)÷500 円-1}×100=60%
シナリオⅡ:{(580 円+20 円)÷500 円-1}×100=20%
シナリオⅢ:{(400 円+0 円)÷500 円-1}×100=-20%
最後に、各シナリオの収益率を生起確率で加重平均します。
期待収益率=60%×0.3+20%×0.4+(-20%)×0.3=20%
《解答》 期待収益率 20.0%
《問3》の「解答・解説」
投資信託Aに60%、投資信託Bに40%投資するポートフォリオの期待収益率、及びその標準偏差を求めます。
期待収益率: 5.5%×0.6+3.0%×0.4=4.5%
標準偏差: 0.6×0.6×6.5×6.5
+0.4×0.4×3.5×3.5
+2×0.6×0.4×0.2×6.5×3.5
=19.354
19.354の平方根=4.399… → 4.4 標準偏差は4.4%となります。
「リターンが約68%の確率で収まる範囲」とは、「期待収益率±1標準偏差に収まる範囲」を示しますので、上記結果を踏まえると、4.5%±4.4%の範囲内となります。
したがって
上限:4.5%+4.4%=8.9%
下限:4.5%-4.4%=0.1%
となります。
《解答》 0.1%~8.9%
今回の問題は、解答にあたり方針を立てるのには苦労しませんが、計算量が多いので、慎重に取り組みたいところです。