企業年金総合プランナー(DCプランナー)メールマガジン第130号(2008.4.15)
B分野:確定拠出年金の企業型年金加入者、運営管理機関

《問1》の「解答・解説」
確定拠出年金の企業型年金の加入者の資格に関する問題です。「企業型年金を実施する企業の被用者年金被保険者を加入者とする」という原則がありますが、一定の資格を定めたときは、一定の範囲の者を加入者としないことができます。

1) 適切
企業型年金の加入者に一定の資格を設ける場合、「一定の勤続年数」を一定の資格とすることができます。したがって、選択肢のように勤続年数5年以上の従業員のみに加入者の資格を与えることができます。この他にも、「一定の職種」「一定の年齢」「希望する者」が一定の資格として認められます(確定拠出年金法第3条第3項第6号、法令解釈第1-1-(1))。

2)不適切
企業を退職すれば、加入者としての資格は喪失します。しかし、障害給付金を受給している者の場合、個人別管理資産を運用しながら給付金を受給することになるので、企業型年金の運用指図者となります(確定拠出年金法第15条第1項第2号)。

3)不適切
同時に2つ以上の企業型年金の加入者の資格を取得した場合は、加入者がどちらかを選択することになり、2つ以上の企業型年金の加入者となることはできません。また、加入者がこの選択をしなかった場合は、(1)掛金の高いほう、(2)掛金が等しい場合は、加入者の資格を取得した日が早いほう、(3)資格取得も同日の場合、厚生労働大臣の指定する企業型年金の順に決定されます(確定拠出年金法第13条、確定拠出年金法施行令第10条)。

4)不適切
希望者のみを企業型年金の加入者とすることはできますが、その場合は企業型年金加入者とならない者に対し、不当に差別的な取り扱いをしないことが求められます。具体的には、確定給付企業年金または退職金前払い制度を含む退職手当制度が適用され、これらの制度において、企業型年金で事業主が拠出する掛金に係る相当な措置が講じられる必要があります(法令解釈第1-1-(2)イ)。したがって、掛金相当額の半額を退職金前払い制度として毎月の給与に上乗せすることは認められません。(確定拠出年金法第9条第2項)。

(答) 1)


《問2》の「解答・解説」
運営管理業務に関する問題です。確定拠出年金制度のどの部分に関与しているのか、理解しておきましょう。

1)正しい
運営管理業務のうち、確定拠出年金における運用の方法の選定及び加入者等に対する提示並びに当該運用の方法に係る情報の提供は、運用関連運営管理業務といいます(確定拠出年金法第2条第7項)。

2)誤り
記録関連業務には、(1)加入者等に関する事項の記録・保存及び通知 (2)運用指図の取りまとめ及びその内容の資産管理機関または国民年金基金連合会への通知 (3)給付を受ける権利の裁定の3つがあります(確定拠出年金法第2条第7項)。

3)正しい
個人型年金の加入者の資格の確認に係る業務、加入者の掛金の限度額の管理に係る業務は、国民年金基金連合会が行います(確定拠出年金法施行規則第1条)。

4)正しい
運営管理業務は、企業型年金の実施企業がすべて行っても良いし、一部または全部を運営管理機関に委託しても良いとあり(確定拠出年金法第7条)、法律上、委託しなければならないという規定はありません。

(答) 2)