企業年金総合プランナー(DCプランナー)メールマガジン第134号(2008.6.15)
C分野:シャープレシオ・期待効用の計算

今回は、アセット・アロケーションの見直しをテーマとした計算および理論の問題です。主要論点は次のとおりです。いずれも頻出ですので、満点を目指していただきたいところでした。
(1)シャープレシオの計算
(2)期待効用の計算
(3)アセット・アロケーションの見直しが必要となる要因

《問1》の「解答・解説」
シャープレシオを求める式を示しておきます。本問における「ベンチマークのリターン」のように、解答にあたって不必要な事項を紛れ込ませている問題もありますので、確実に覚えておくようにしてください。

シャープレシオ
=(ポートフォリオの期待リターン-リスクフリーレート)÷ポートフォリオリターンの標準偏差

ポートフォリオA~Cのそれぞれのシャープレシオを求めると次のとおりになります。
A:(10-1.2)÷20=0.44
B:(7-1.2)÷13=0.446…
C:(5-1.2)÷8=0.475

したがって、シャープレシオの値が最大になるものはポートフォリオCとなります。

(答) ポートフォリオC


《問2》の「解答・解説」
期待効用を求める式が与えられているので、各々あてはめていけばよいだけです。ポートフォリオA~Cのそれぞれの期待効用を求めると、次のようになります。
A:10-0.02×202=2
B:7-0.02×132=3.62
C:5-0.02×82=3.72
以上より、ポートフォリオCが最も効用が大きいので、XさんはポートフォリオCを選好すると判断できます。

(答) ポートフォリオC


《問3》の「解答・解説」
1年半前の「いざなぎ超え」景気が転じ、サブプライムローン問題に起因する金融市場の混乱がニュースになっている昨今ですから、時価の大幅な変動によって資産配分が当初設定の資産配分と乖離するという点については思い浮かんだことでしょう。そのほかには、リスク許容度の変化等を挙げることができます。
(解答例)
・時価の変動による資産配分のズレ
・期待リターンやリスク、相関係数の予測の変化
・ライフイベントによるリスク許容度の変化
・投資している商品についての運用方針の不適合
など