企業年金総合プランナー(DCプランナー)メールマガジン第178号(2010.4.15)
A分野:わが国の年金制度

中小企業退職金共済(中退共)と確定給付企業年金に関する問題です。制度の概要について、確定拠出年金との相違点などをまとめておくとよいでしょう。

《問1》の「解答・解説」
中退共の掛金に関する問題です。中退共は適年の移行先のひとつとして注目されていますので、掛金についてだけでなく、加入事業所の範囲や給付などの項目についても、中退共のホームページなどで情報を確認しておきましょう。

(1)不適切:中退共の掛金は、全従業員定額とする他に、従業員の賃金や勤続年数に応じて定めることもできます。
(2)不適切:パートタイマー等の短時間労働者の場合、5,000円から3万円までの16種類の他に2,000円、3,000円、4,000円の掛金を選択することができます。したがって、最低額は2,000円となります。
(3)不適切:中退共の新規加入の掛金助成制度は、加入4カ月目から1年間、掛金月額の2分の1(従業員ごとに上限5,000円)を、国が助成する制度です。
(4)適切:中退共の掛金変更助成制度は、掛金月額が1万8,000円以下の従業員の掛金を増額する場合に、増額分の3分の1を増額月から1年間、国が助成する制度です。

《解答》
(4)


《問2》の「解答・解説」
確定給付企業年金制度の概要に関する問題です。導入要件・掛金・給付など出題頻度の高い基本的な項目は、確実におさえておきましょう。

(1)適切:確定給付企業年金の基金型を導入するためには、制度運営の主体となる企業年金基金の設立について、厚生労働大臣の認可を受けなければなりません。厚生労働大臣の認可を受けるためには、常時加入者である者が原則として300人以上存在すること等の要件を満たすことが必要です(確定給付企業年金法施行令第6条)。
(2)不適切:1つの厚生年金適用事業所について、原則として1つの確定給付企業年金に限り実施することができる(確定給付企業年金法第3条第2項)という点は正しい記述です。ただし、確定給付企業年金を実施する事業所同士が合併した場合に、例外的に複数の確定給付企業年金を実施することが認められるのは、原則として合併の日から1年以内に限られます(確定給付企業年金法施行規則第1条第2項)。
(3)不適切:確定給付企業年金の老齢給付金の支給要件は、規約で定める事項ですが、20年を超える加入期間を支給要件とすることはできません(確定給付企業年金法第36条第4項)。加入者期間が3年以上で支給しなければならないのは、脱退一時金です(確定給付企業年金法第41条第3項)
(4)不適切:加入者が負担することができる掛金は、事業主が拠出する掛金の額の2分の1を超えない範囲内です(確定給付企業年金法施行令第35条第1項)。

《解答》
(1)