企業年金総合プランナー(DCプランナー)メールマガジン第232号(2012.7.15)
B分野:確定拠出年金制度

確定拠出年金の掛金算定と行為準則に関する問題です。具体的な基準は、確定拠出年金法並びにこれに基づく政令及び省令について(法令解釈)に定められていることが多いので、法令の条文に加え、法令解釈の内容を理解することが重要です。

《問1》の「解答・解説」

確定拠出年金の事業主掛金の算定方法に関する問題です。どのような算定方法であれば認められるのか、判断できるようにしておきましょう。

1) 適切 事業主掛金の算定方法を定額とする場合は、原則として、加入者全員の事業主掛金額が同額となるようにしなければなりません。

2) 不適切 事業主掛金算定の基礎となる給与とは、原則として、給与規定や退職金規程などに定められたものを指しますが、年金制度のために特別に定められたものであっても、事業主による恣意性が介入するおそれがないと認められるものであれば、掛金算定の基礎とすることができます。具体的には、厚生年金基金や確定給付企業年金で認められているポイントなどがあげられます。

3) 適切 日給者の月給換算は、就業規則又は労働協約の定めがあればその定めによりますが、定めがない場合は、日給の20~30倍の範囲で換算することが認められています。

4) 適切 事業主掛金の算定方法は、「定額」、「給与に一定の率を乗じる方法」に加え、「定額と給与に一定の率を乗じる方法により算定した額の合計額により算定する方法」が認められています。

《解答例》
2)


《問2》の「解答・解説」

確定拠出年金の運営管理機関の行為準則に関する問題です。運営管理機関に求められているのは中立的な立場で業務を行うことであることを理解した上で、正誤を判断すると良いでしょう。

1) 適切 金融商品等の販売を行う金融機関が、確定拠出年金の運営管理機関である場合、中立的な立場で業務が行われるように、営業職員が運用管理業務を兼務することは禁止されていますが、個人に対する貸付業務を行う職員が兼務することは禁止されるものではありません。

2) 不適切 確定拠出年金の運営管理機関は、もっぱら加入者等の利益のみを考え、加入者等の利益が最大となるように、運用の方法に係る金融商品の選定、提示、及びそれに係る情報の提供を行わなければならないのであり、事業主等の利益のために運営管理業を行うことは認められません。

3) 不適切 確定拠出年金の運営管理機関は、加入者等に対して、特定の運用商品を推奨及び助言することは原則として禁止されていますが、例外として、金融商品取引法第2条第9項に規定する金融商品取引業者(いわゆる投資顧問業者)その他の確定拠出年金運営管理業以外の事業を営む者として行うことを明示して行う場合は、認められることになっています。

4) 不適切 特定の運用商品について、運用の指図を行うことだけでなく、運用の指図を行わないことを推奨することも禁止されています。

《解答例》
1)