企業年金総合プランナー(DCプランナー)メールマガジン第234号(2012.8.15)
А分野:わが国の年金制度

老齢厚生年金と国民年金基金についての問題です。わが国の年金制度は、公的年金として国民年金や厚生年金保険があり、その上乗せとして国民年金基金や確定拠出年金があることを理解して、各制度について覚えると良いでしょう。

《問1》の「解答・解説」

老齢厚生年金に関する問題です。選択肢の中には、正誤の判断がやや難しいものも含まれていますが、基本的な事項を確実におさえ、正解を導くことが重要です。

1) 不適切 障害者の特例とは、障害等級3級以上の者が被保険者資格を喪失している場合、報酬比例部分の支給開始年齢から定額部分と報酬比例部分を合算した特別支給の老齢厚生年金を受給することができる特例のことです。設問の生年月日の場合は、61歳から定額部分と報酬比例部分を合算した特別支給の老齢厚生年金を受給することができます。

2) 不適切 老齢厚生年金が支給停止されるのは、求職の申込みを行った月の翌月から、その求職申込みに係る基本手当の受給期間満了日の属する月、または所定給付日数に相当する日数分の支給を受け終わった日の属する月までの間です。

3) 適切  老齢厚生年金の繰下げ支給制度は、繰下げの申し出をした時期に応じて、老齢厚生年金の額に繰下げ加算額が加算される制度です。加算の対象となる年金額は、原則、65歳時点の老齢厚生年金額ですが、65歳以降に厚生年金保険の被保険者である場合は、在職老齢年金制度による支給調整後の年金額が繰下げによる加算の対象となります。

4) 不適切 年金は一人一年金が原則であり、支給事由が異なる2つ以上の年金はいずれか一つを選択することになっています。ただし、65歳以降の場合は、特例として、障害基礎年金と老齢厚生年金の組み合わせや、障害基礎年金と遺族厚生年金の組み合わせで受け取ることができます。

《解答例》
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《問2》の「解答・解説」

国民年金基金の給付に関する問題です。口数制の仕組や、年金の型による給付の違いについて理解しましょう。

1) 適切  1口目は必ず終身年金を選び、任意で加入する2口目以降は、終身年金だけでなく確定年金からも選ぶことができます。

2) 不適切 保証期間付年金は、年金受給前または保証期間中に年金受給権者が死亡した場合に、死亡時までの掛金納付期間に応じた一時金、もしくは残りの保証期間の年金原資に相当する一時金が、遺族に支給されます。

3) 適切  2口目以降は、終身年金A型(保証期間あり)、終身年金B型(保証期間なし)に加え、受給期間や受給開始年齢の異なる5種類の確定年金(Ⅰ型、Ⅱ型、Ⅲ型、Ⅳ型、Ⅴ型)の中から選ぶことができます。ただし、加入時の年齢が50歳1ヵ月以上の場合、Ⅳ型、Ⅴ型を選ぶことはできません。

4) 適切  確定年金(Ⅰ型、Ⅱ型、Ⅲ型、Ⅳ型、Ⅴ型)の年金額は、1口目を含む終身年金(A型、B型)での年金額を超える組み合わせとなる選択はできません。

《解答例》
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