企業年金総合プランナー(DCプランナー)メールマガジン第240号(2012.11.15)
D分野:個人事業主におけるリタイアメント・プランニング

今回は,D分野から係数を利用したリタイアメント・プランニングの計算問題と,国民年金基金と個人型年金の比較をテーマとした問題を取り上げます。

《問1》の「解答・解説」

65歳から20年間にわたって,毎年60万円ずつを受け取るために65歳時点の年金原資を求める必要があります。計算式は次のとおりです(1万円未満の端数は四捨五入)。
600,000円×16.6785(2%,20年の年金現価係数)=10,007,100円→1,001万円

次に、60歳時点の要積立残高を計算すると、次のとおりになります。
10,010,000円×0.9057(2%,5年の現価係数)=9,066,057円→907万円

最後に,60歳で907万円を積み立てておくために必要な毎年の拠出額を求めると,次のとおりになります。
9,070,000円÷24.7833(2%,20年の年金終価係数)=365,972…円→37万円

<答> 37万円


《問2》の「解答・解説」

〔国民年金基金が優れている点〕以下のような趣旨から2つ

<解答例>
予定利率が決まっているため,基本的に受取年金額が大きく変動することがない。
運用商品の選択に悩む必要がない。
表面的なコスト負担がない。
1年分の掛金を前納すると0.1カ月分の掛金が割引になる。

〔個人型年金が優れている点〕以下のような趣旨から2つ

<解答例>
運用次第では大きな収益を得ることができる。
運用方法を自分で選択できる。
自営業者から会社員になっても,個人型年金または企業型年金で継続することができる。
60歳以降で年金額の一部または全部を一時金で受け取ることができる。


《問3》の「解答・解説」

Qさんのような個人型年金第1号被保険者における拠出限度額は1カ月当たり68,000円です。一方、国民年金の付加保険料は1カ月当たり400円となっています。
したがって,計算上は,68,000円 - 400円=67,600円が個人型年金へ拠出できる金額となります。 しかし,個人型年金の掛金額は,毎月5,000円以上1,000円単位で設定されますので,1000円未満の端数がある67,600円という金額では拠出することはできません。
そのため,67,000円が上限額となります。

<答> 67,000円