■企業年金総合プランナー(DCプランナー)1級試験答案練習
 ~2014年度試験対策・第7回~

■企業年金総合プランナー(DCプランナー)メールマガジン第288号(2014.11.15)
 C分野:投資に関する知識(リターンの計算)
 D分野:高齢者雇用継続給付に関する知識

 今回からC分野およびD分野の基礎編問題を1題ずつ取りあげます。C分野からは、リターンの生起確率に基づいて期待収益率を求める計算問題。D分野からは、高齢者雇用継続給付に関する問題を見ていきます。いずれも最近頻出している論点であり、過去問題の傾向から学習すべき範囲も定めやすいところですので、確実に得点源にしたい問題です。

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《問1》の「解答・解説」

あるファンドの1年間のリターンを観察して、起こりうるリターンに5つのケースがあり、それぞれ  表のような確率で生起する場合の期待リターンを求める問題です。
計算方法はシンプルで、期待リターンはそれぞれのケースのリターンを確率で加重平均して求めます。計算式は、次のとおりになります。

   10×0.2+5×0.3+0×0.2+(-5)×0.2+(-10)×0.1=1.5
    
                                    《解答》 2)1.5%

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《問2》の「解答・解説」

高年齢雇用継続給付には「高年齢雇用継続基本給付金」と「高年齢再就職給付金」があります。まずはこれらの仕組みを理解しておく必要があります。さらに、「働きながらもらう給付」という性格上、在職老齢年金との関係も見過ごせません。
   高年齢雇用継続給付については、ハローワークのホームページも参照してみるとよいでしょう。
  https://www.hellowork.go.jp/dbps_data/_material_/localhost/doc/kourei_kyufu.pdf
   

 1)適切 高年齢雇用継続基本給付金の支給申請手続は、おおよそ下記の流れで行われます(引き続き働くことが前提ですので、事業主を通じて手続を行う場合を示します)。
   
   事業主を通じて、受給資格の確認手続を行う。
    ↓
   受給資格確認通知書、次回支給申請書等が交付される。
    ↓
   以降、2ヵ月ごとに支給申請書を提出する。
  
 2)不適切 高年齢雇用継続基本給付金は、原則として、支給対象月に支払われた賃金額が60歳時点と比べて61%超75%未満に低下した場合(賃金低下率が61%超75%未満の場合)、その低下率に応じて、各月の賃金の15%相当額未満の額となります。一律15%ではありません。
  
 
 3)適切 高年齢再就職給付金の支給要件は下記のとおりです。
イ.60 歳以上 65 歳未満で再就職した一般被保険者であること。
ロ.1年を超えて引き続き雇用されることが確実であると認められる安定した職業に就いたこと。
ハ.再就職する前に雇用保険の基本手当等の支給を受け、その受給期間内に再就職し、かつ支給残日数が100 日以上あること。
ニ.直前の離職時において、被保険者であった期間が通算して5年以上あること。
ホ.その再就職について、再就職手当を受給していないこと。

   
 4)適切 高年齢雇用継続給付と在職老齢年金を同時に受給する場合、在職老齢年金は本来の支給停止
  に加えて、さらに標準報酬月額の6%の範囲内で年金額が支給停止されます。
   

                                      《解答》 2)