1級DCプランナー(企業年金総合プランナー)認定試験 答案練習 
~2017年度試験対策・第4回~

企業年金総合プランナー(DCプランナー)メールマガジン第354号
(2017.8.15)掲載
B分野:確定拠出年金制度

 他制度から確定拠出年金への資産等の移換、及び国民年金基金連合会の役割等に関する
問題です。加入資格や給付といった従来から頻出項目とされてきた項目に比べると見落と
されがちですが、しっかりと理解しておくようにしましょう。
 
《問1》の「解答・解説」
 他制度から確定拠出年金への資産等の移換に関する問題です。どのような制度からの移
換が認められるのかを中心に学習すると良いでしょう。

1)適切   平成28年1月1日より認められるようになった措置です。これにより、中
       小企業退職金共済の加入対象でなくなった場合に解約手当金相当額を移換
       できる制度は、所定の要件を満たす、確定給付企業年金、特定退職金共済、
       確定拠出年金(企業型年金)の3つとなりました。
       確定拠出年金法施行令第22条1項3号、中小企業退職金共済法第17条

2)不適切  確定給付企業年金の脱退一時金は、企業型年金だけでなく個人型年金にも
       移換することができます。なお、脱退一時金とは、老齢給付金の受給要件
       を満たさずに加入者資格を喪失した場合に一時金で支給される給付のこと
       で、制度そのものを移行する場合とは異なるので注意が必要です。
       確定拠出年金法第54条の2、第74条の2

3)適切   退職一時金から確定拠出年金の企業型年金への資産の移換期間の途中で、
       企業型年金の加入者資格を喪失した場合は、まだ移換されていないものは
       一括して移換されます。
       確定拠出年金法施行令第22条1項4号

4)適切   企業型年金に資産の移換が行われると、原則として移換資産額の算定の基
       礎となった期間は、通算加入者等期間に算入されますが、当該期間が確定
       拠出年金の加入者期間または運用指図者期間等に該当する場合には、算入
       されません。例えば、確定拠出年金と確定給付企業年金を実施している企
       業が、確定給付企業年金の一部または全部を確定拠出年金に移行する場合
       などがあげられます。
       確定拠出年金法施行規則第30条

《解答》 2)

 

《問2》の「解答・解説」
 確定拠出年金における国民年金基金連合会の役割等に関する問題です。個人型年金では、
国民年金基金連合会は、企業型年金における資産管理機関の役割を果たすと同時に、事業
主としての役割を担う場面もあり、法令では、企業型年金に関する規定の「資産管理機関」
「事業主」を国民年金基金に読み替えることにより定められます。

1)適切   国民年金基金連合会は、政令で定めるところにより、運営管理業務を確定
       拠出年金運営管理機関に委託しなければならないため、自らが運営管理機
       関となることはできません。
       確定拠出年金法第60条 

2)適切   国民年金基金連合会は、いわゆる投資教育の実施に関しては、事業主や確
       定拠出年金運営管理機関等と同様に、きわめて重い責務を負っています。
       法令解釈通知「確定拠出年金制度について」第2

3)不適切  国民年金基金連合会が他の者に委託できる事務は、法令で定められていま
       す。具体的には、個人型年金への加入の申出の受理に関する事務、積立金
       の管理に関する事務、掛金の収納又は還付に関する事務、給付の支給に関
       する事務などがありますが、掛金が拠出限度額内であることの確認に関す
       る事務は、委託できる事務に含まれません。
       確定拠出年金法第61条、確定拠出年金法施行規則第37条

4)適切   企業型年金における事業主の行為準則が個人型年金に準用されることによ
       って、国民年金基金は、加入者等に特定の運用の方法について指図を行う
       ことまたは行わないことを勧めることや、確定拠出年金運営管理機関に、
       加入者等に特定の方法について指図を行うことまたは行わないことを勧め
       させることが、禁止されています。
       確定拠出年金法第43条、第73条、確定拠出年金法施行規則第23条

《解答》 3)