企業年金総合プランナー(DCプランナー)メールマガジン第264号(2013.11.15)
D分野:リタイアメントプランニングにおける計算

係数を利用したリタイアメントプランニングの計算を核とした問題です。単なる計算だけではなく、税金や国民年金基金との結びつきを理解しているかどうかがポイントです。

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《問1》の「解答・解説」

(1) Aさんが60歳時点で受け取る一時金に課税されない範囲で受け取り金額を最大限にするには、拠出期間25年を勤続年数とした退職所得控除額を、受け取り可能な最大の金額と仮定すればよいことになります。まず、退職所得控除額は、下記のとおりになります(1万円未満切捨て)。

退職所得控除額=40万円×20年+70万円×(25年-20年)=1,150万円
結局、上で求めた1,150万円を拠出期間25年、年率2%の運用利率で受け取るための、毎年の拠出額を求めると、下記のとおりとなります。

毎年の拠出額=1,150万円÷32.6709(2%、25年の年金終価係数)
=35.199…万円→35万円
(2) 毎年35万円ずつ2%、25年で拠出した場合の60歳時点の一時金、65歳時点の年金原資を求め、毎年の受取額を算出します。次のとおりになります(1万円未満切捨て)。

60歳時点の一時金=35万円×32.6709(2%、25年の年金終価係数)
=11,434,815円→1,143万円

65歳時点の年金原資=1,143万円×1.1041(2%、5年の終価係数)
=12,619,863円→1,261万円

毎年の受取額=1,261万円÷13.1062(2%、15年の年金現価係数)
=962,140.055…円→96万円

《解答》(1)35万円 (2)96万円

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《問2》の「解答・解説」

個人型年金に加入した場合、加入者掛金については、その全額が((1) 小規模企業共済等掛金)控除の対象となり、所得控除を受けることができる。
給付段階においては、分割(年金)払いの老齢給付金は、((2) 雑 )所得として、公的年金等控除の対象となる。
また、一時金払いの老齢給付金は、退職所得として、他の所得と( (3) 分離 )して課税されるが、退職所得の金額は、退職手当等の収入金額から退職所得控除額を控除した残額の((4) 2分の1 )に相当する金額となる。

《解答》 (1)小規模企業共済等掛金 (2) (3)分離 (4)2分の1

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《問3》の「解答・解説」

個人型年金と、国民年金保険料または国民年金基金の双方に加入している場合の拠出限度額に関する問題です。個人型年金の掛金設定は、5,000円以上1,000円単位であることに注意して問題を解く必要があります。

(1) 個人型年金に加入し、かつ、国民年金付加保険料400円(月額)を支払うケースに相当します。
両者の合算で個人型年金の加入者掛金の拠出限度額(月額)は、68,000円ですから、理論的には68,000円-400円=67,600円となるはずです。
個人型年金掛金は1,000円単位で設定されますから、結局、67,000円が限度額(月額)となります。

(2) 個人型年金に加入し、かつ、国民年金基金に加入するケースです。この場合、両者の掛金の合算で68,000円の月額限度額となりますので、理論的には、個人型年金には68,000円-11,740円=56,260円充当できるはずです。
しかし、上で記述のとおり個人型年金掛金は1,000円単位で設定されますから56,000円が限度額(月額)となります。

《解答》 (1)67,000円 (2)56,000円