1級DCプランナー(企業年金総合プランナー)認定試験 答案練習 
~2016年度試験対策・第8回~

■企業年金総合プランナー(DCプランナー)メールマガジン第338号
 (2016.12.15)掲載
 C分野:債券投資  
 D分野:退職所得の計算

《問1》の「解答・解説」
 債券の最終利回りとは、既発債を購入から満期償還まで所有していた場合の利回り
をいいます。
債券の単利・最終利回りは、以下の式で求められます。
 
                    額面価格 - 購入価格  
              クーポン+―――――――――――――
                        残存年数
債券の最終利回り(単利)=―――――――――――――――――――――×100(%)
                    購入価格

 
ややこしい式に見えますが、分子はインカムゲインとキャピタルゲイン(年換算した
もの)すなわち債券投資におけるトータルリターンを表します。
分母は、言うまでもなく投資元本と考えればわかりやすいでしょう。

上の式に数値をあてはめると、以下のとおりになります。

                  100円 - 100.80円  
              1+―――――――――――――
                     4年
債券の最終利回り(単利)=―――――――――――――――――――――×100(%)
                    100.80円
              
             =0.79(%)
 

(補足)
 債券の利回り(単利)には、最終利回りのほか、所有期間利回り、応募者利回りが
あります。考え方は最終利回りと同じで、投資元本からいくらのトータルリターンを
獲得したか、つまり債券の投資収益率を表しています。

<所有期間利回り>
 債券の購入時点から償還前に途中売却した時点までの所有期間に得られる利回り。

                     売却価格 - 購入価格  
               クーポン+―――――――――――――
                        所有年数
 所有期間利回り(単利)=―――――――――――――――――――――×100(%)
                     購入価格

<応募者利回り>
 新発債を発行時に購入して、満期償還まで保有した場合に得られる利回り。

                     額面価格 - 購入価格  
               クーポン+―――――――――――――
                        償還年数
 応募者利回り(単利)=―――――――――――――――――――――×100(%)
                     購入価格

《解答》 1)

《問2》の「解答・解説」
 退職所得とは、「退職手当、一時恩給その他の退職により一時に受ける給与及び
これらの性質を有する給与に係る所得」のことです。退職所得は、被雇用者等が勤
務関係の終了時点で一時に受ける一括払いの給与という性格をもちます。
それゆえ老後の生活の原資にあてられることが多く、一般に担税力が低いと考えら
れることから、超過累進税率の適用を緩和する必要があるため、給与所得とは別の
所得類型とされています。

 
1) 適 切  退職所得は、上記のような趣旨から、原則として他の所得と分離
        して所得税額が計算されます。

2) 不適切  退職所得が他の所得と別の所得類型を持つ特徴として、退職所得
        控除額の存在が挙げられます。支払を受ける退職一時金から、受
        け取った金額に応じて定められている退職所得控除額を控除した
        額の2分の1を退職所得として課税されます。

3) 適 切  退職所得は、上記の定義より「一時に受ける」所得ですから、退
        職金を年金形式で受け取る場合は、雑所得として扱われます。
       

4) 適 切  「退職所得の受給に関する申告書」の提出がある場合には、課税
        退職所得金額に応じて、「退職所得の源泉徴収税額の速算表」の
        「税額」欄の算式に従い計算した額が、源泉徴収する税額になり
        ます。
        「退職所得の受給に関する申告書」の提出がない場合には、退職
        金に対し支給額の一律20.42%の税率で所得税(復興特別所得税
        を含む)が源泉徴収されます。

《解答》 2)