ビジネス英語の必要性

経済社会のグローバル化が進展し、企業活動は、業種や規模にかかわらず、多かれ少なかれ海外との関わりを持つ時代になっています。また、IT(情報技術)の発達が、ビジネスの国際化を加速しています。特に、インターネットの普及により、ビジネスの現場における通信手段の利便性やコスト優位性は飛躍的に向上しました。Eメールは、時差や距離を気にすることなく、国内外の企業や人々との連絡・情報交換を容易にしています。
世界共通の社会インフラといってもよい、こうした情報基盤を活用して海外との情報交流を円滑に行うためには、コミュニケーション・ツールとしての英語力を身に付けることが不可欠です。文化や商習慣が違うさまざまな国・地域の人々とビジネスを進めるうえで大切なことは、相手が発信する情報を正しく理解するとともに、自分の意図するところを相手に正確に伝えることです。

日商ビジネス英語検定1級の作問方針

こうした考えのもと、日本商工会議所ではビジネス英語検定を実施し、ビジネスパーソンの能力向上に役立ててもらっています。試験は1級~3級までの3段階に分かれ、2級・3級については公式テキストや公式問題集などを参考に勉強することができます。1級については学習の指針となるよう、作問方針をお示しします。

ビジネスの現場に即した内容(3つの分野とそれぞれの特徴)

日商ビジネス英語検定1級は、「ビジネス英文書作成」「長文読解」「国際取引実務」と、大きく分けて3つの分野においてその能力を問うことにしています。
「ビジネス英文書作成」は、商取引や会社勤務上の具体的シーンを提示しますので、それぞれに関して適切な英文のビジネスレターやEメールを作成するものです。レターの作成形式や構成上の注意点等は2級、3級のテキストでしっかり学んでおけば大丈夫です。
「長文読解」は、400~500単語程度の英文を読んだうえで、筆者の主張や意見を簡潔にまとめたり、一部分を和訳したりするものです。出題文は時事問題および経済や経営に関するさまざまな内容を取り扱います。
「国際取引実務」は、主に輸出入の実務で必要となる知識として、用語や取引方法、手続きの流れなどの理解力を問うものです。貿易取引の仕組みはもちろんのこと、契約書の作成など具体的な業務についても把握しておくことが必要となります。

以下で、各分野について、さらに具体的に説明します。

ビジネス英文書作成

本分野で学んでほしいことは、主に国際業務で使用する英文レターやEメール等を使ったビジネスコミュニケーションです。そのため、海外の取引先照会や取引先の選定、商品の売り込み、信用調査、引き合い、オファーやカウンター・オファー、信用状開設等の場面で必要とされる英文レターやEメールを実際に作成する能力などを問います。
本分野では、実際に、英文レターやEメールを作成してもらいますので、基本的な英文レターの書式に関する知識が必須です。また、ビジネスの現場では、海外の企業との商取引だけでなく、社内外の英語によるコミュニケーションを円滑に行うための文書作成力を培うことが重要です。

長文読解

本分野で学んでほしいことは、英語の論評や解説を読んで、筆者の論理展開を理解する力を持つことの大切さです。
具体的には、新聞や雑誌のほか、話題となっている学術論文やビジネススクールで用いられる教材等を調べておくことも効果的です。
また、普段から問題意識を持って、英語と日本語の両面からさまざまな情報に接していることが必要で、学習を積み重ねることで理解力は格段に高まります。例えば、既に日本語で得ている情報と同じテーマの英語の文章を読んだとき、使われている単語や文体が難しかったとしても、内容は比較的容易に理解できるはずです。
本分野が求める英語のスキルは、ビジネスコミュニケーション能力の基盤となる領域であり、とても重要です。読解力が向上すれば、他の領域のレベルアップも容易になります。読むことにも時間をかけて、ビジネス英語の総合力向上を目指してください。

国際取引実務

本分野で学んでほしいことは、主に貿易や国際マーケティングについての知識や仕組みです。例えば、貿易規則の定義や売買契約、貿易書類、貨物・貿易保険、貿易決済、通関知識など多岐にわたります。加えて、貿易に関連した国際金融、国際法務、港湾、航空、クレームなども重要です。
実際に自分が商取引を行う際に、どのような知識を持って進めなければいけないかを意識してください。また、制度や仕組みが改定されたときには、いかなる意図に基づくものなのかを考えることも大切です。
当然のことですが、海外との取引は日本語で行うというわけにはいきません。そのため、日ごろから一般英語はもちろんのこと、ビジネス英語についてもしっかりと読解できるようにしておいてください。