外貨建の営業取引および外貨建売上債権・債務の決算時の換算

外貨建の取引は、これまですべて1級の範囲とされ2級では扱われていませんでした。しかし、企業活動のグローバル化はますます進み、大企業に限らず中小企業においても、海外からの原材料や商品の仕入や海外市場への商・製品の販売などグローバル化がどんどん進んでいます。また、為替相場の変動にさらされて、企業の業績が為替相場次第で大きく左右されることから為替リスクをヘッジするために為替予約を締結する企業も多数に上っています。

このように外貨建取引はもはや一部の大企業に限られたものではないことを踏まえ、今回の見直しでは仕入れや売上げなど企業の営業活動に関連する基本的な取引に限って2級の出題範囲に含めることになっています。したがって、近年では外債や外国企業の株式への投資も活発になっていますが、外貨建の有価証券の取引や外国の金融機関からの借入金、あるいは外貨建の貸付金の取引など資金の調達・運用に関連する財務活動に係る取引については、すべて1級の出題範囲に残しています。為替予約の処理についても、2級では為替予約で生じた差額はすべて予約日の属する期の損益として処理する簡便な方法に限られています。

<仕訳例1>外貨建取引と外貨建金銭債権の換算
(1)3月10日、フランスの得意先に商品1,000ユーロを輸出し、代金は掛けとした。代金の決済日は4月30日の予定であり3月10日の直物為替相場は1ユーロ¥120であった。なお、商品売買の記帳は3分法による。

(2)3月31日、決算日を迎えた。この時の直物為替相場は1ユーロ¥125である。

(3)4月30日、フランスの得意先より1,000ユーロの送金があり、銀行で円貨に両替し当社の当座預金口座に入金された。この時の直物為替相場は1ユーロ¥128であった。

No. 借方科目 金額 貸方科目 金額
(1) 売掛金 120,000 売上 120,000
(2) 売掛金 5,000 為替差損益 5,000
(3) 当座預金 128,000 売掛金
為替差損益
125,000
3,000

<仕訳例2>為替予約の振当処理
(1)2月1日、イタリアの仕入先から、商品6,100ユーロを掛けにて輸入した。この時の直物為替相場は1ユーロ¥130であった。掛け代金の決済日は4月30日の予定であり、商品売買の記帳は、販売のつど売上原価勘定に振り替える方法による。

(2)3月1日、円貨による支払額を固定化するために取引銀行との間で6,100ユーロを1ユーロあたり¥136で購入する為替予約契約を締結した(為替予約の決済日:4月30日)。振当処理によることとするが、直先差額は重要性が乏しいため予約日の属する期の損益として処理する。なお、この時の直物為替相場は1ユーロ¥137であった。

(3)4月30日、輸入代金6,100ユーロの支払日を迎えた。当社は取引銀行と為替予約契約にもとづき、イタリアの仕入先に6,100ユーロを送金し、当座預金から決済した。なお、この時の直物為替相場は1ユーロ¥139であった。

No. 借方科目 金額 貸方科目 金額
(1) 商品 793,000 買掛金 793,000
(2) 為替差損益 36,600 買掛金 36,600
(3) 買掛金 829,600 当座預金 829,600