有価証券

これまでの日商簿記検定では、3級においては「売買目的有価証券」のみ、2級においては売買目的有価証券に加えて「満期保有目的の債券」について、売買取引や期末の評価の処理が問われてきました。しかし、「金融商品に関する会計基準」では、ほかに「子会社株式・関連会社株式」および「その他有価証券」も規定されており、多くの会社がその他有価証券などを保有しています。そこで、保有目的にもとづいた4つの区分による有価証券の期中取引および決算時の処理などは、いずれも2級以上での範囲とされました。

なお、3級で想定している個人企業では、短期的な時価の変動によって利益を得るために投機的な売買を頻繁に繰り返しているような「売買目的有価証券」を現実には保有していることはほとんどありません。そこで、3級では単に「有価証券」勘定を用いた売買取引に限定するとともに、期末までに一連の取引は終わっているとみなして期末時点の評価は出題しないこととされています。

<仕訳例>
(1)愛知商事株式会社は、豊橋商事株式会社の株式200株を@¥1,000で取得し、代金は小切手を振り出して支払った。なお、愛知商事株式会社はこれまでに豊橋商事株式会社が発行する株式の過半数(50%超)を取得している。

(2)静岡商事株式会社は、新たに浜松商事株式会社の株式1,000株を@¥550で取得し、代金は手数料等¥6,000とともに小切手を振り出して支払った。なお、浜松商事株式会社の発行済株式総数は4,000株である。

(3)岐阜商事株式会社は、長期利殖目的で養老産業株式会社の株式1,000株を@¥830で取得した。なお、買入手数料等¥9,000を含めた代金は4営業日内に証券会社に支払うことにした。

(4)①日商商事株式会社は、得意先である東京商事株式会社との取引の開始にあたり、同社との長期にわたる取引関係を維持するために、同社の株式10,000株を1株当たり¥1,200にて購入し、取引費用¥80,000とともに現金にて支払った。
②決算にあたり、東京商事株式の時価評価を行った。当該株式の時価は、1株当たり¥1,500である。全部純資産直入法によることとする。
③翌期首に、②についての再振替仕訳を行う。

 

No. 借方科目 金額 貸方科目 金額
(1) 子会社株式 200,000 当座預金 200,000
(2) 関連会社株式 556,000 当座預金 556,000
(3) その他有価証券 839,000 未払金 839,000
(4)-① その他有価証券 12,080,000 現金 12,080,000
(4)-② その他有価証券 2,920,000 その他有価証券評価差額金 2,920,000
(4)-③ その他有価証券評価差額金 2,920,000 その他有価証券 2,920,000