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平成15年度後期の講評と今後の学習の指針(第19回1級、第32回2級)
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平成15年12月26日
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| 10月4日(土)、5日(日)に実施された今年度後期2級(第32回)と、同5日(日)に実施された1級(第19回)の検定試験について、「ビジネス文書科目」を中心に講評し、あわせて学習の指針を探ってみたいと思います。 なお、合格率は1級が12.2%(前回12.9%)、2級が12.5%(同32.5%)でした。 まず1、2級を通じて感じた疑問と問題点から述べてみます。 | |
| (1) | 問題文や指示文、選択すべき文章を十分に読み込んだか。 問題の意図や指示を理解しないまま問題に着手したことで、正確に答えられなかったという解答が多数見受けられました。この傾向は、ビジネス文書科目だけでなく日本語科目、常識科目にも見られます。何度も述べているように、示された問題文、指示文はしっかり読み込むことがなによりも大切。そのために要する時間は、さして(たいして)長いものではありません。 |
| (2) | 指示文を素直に読み、また指示された作業を忠実に実行したか。 例えば、「@ ○○○・・・のタイトルとして A『□□□・・・・・・』と入力し、 文字サイズを B 1ページのタイトルと同じ大きさに 拡大して、C センタリングしなさい」という指示があった場合、これら4つの作業は一連のものですから、一つひとつ順序よく処理すればいいのです。ここでは、@位置の確認、A入力、B文字サイズ(1ページのタイトルをコピーして書き直してもよい)、C配置 というように、それぞれ異なった機能と技能が求められているのですから、その意味を理解して順に解答すれば迷うことなどないはずです。いずれかが欠ければ、得点の可能性が低くなるのは当然でしょう。 |
| (3) | 全体を見通した時間の配分が的確だったか。 時間配分を考えずに解答作業を進めたため、最後まで到達できずにあきらめたという受験者の声も聞かれました。受験学習のなかで、時間の配分を練習しておくべきです。この学習で時間配分を考慮しない人が多いようです。 例えば、半分まで進んだところで、一つの指示に長い時間を費やしたりすれば、あとに残るのは焦りだけ。いったん、先を解答してから残りの時間で考えるという方法もあるはずです。受験対策で自分なりの方法を考えてください。 |
| (4) | 与えられた条件が理解できたか。 ビジネス文書科目は、まず問題(作問者)の意図を認識するところから始める必要があります。これまでも、すべての級の問題の始めには、「この問題のテーマ」や「出題の趣旨」を詳しく述べています。 今回の2級は「売上報告書」の作成と変更、また、1級は「概要書」の作成でしたが、ここで解答すべき事柄やデータは、問題文や事前入力データのなかに示してありました。例えば、1級では記述すべき項目とその内容が、また2級ではレイアウトのほか作成順序、書き方がというように多くのヒントがありましたから、問題文や指示文を素直に読み進めさえすれば理解できたはずです。「売上報告書など見たことがない」(2級)、あるいは「概要書など書いたことがない」(1級)というのでは、受験する意味がありません。示してある問題文や指示文、前提条件などのなかから解答すべき意図やヒントを探し出すことができれば、作成経験などなくとも解答できるように作問してあるのです。特定分野の専門的事項を作成するわけではないのですから。 ビジネス文書の作成は、与えられた条件のもとでビジネスで通用する形式と内容にしなくてはならないのです。 |
| (5) | 文章表現と文体の統一の意味を理解していたか。 文章を選択したり文体を統一したりすること、すなわち文章表現にかかわる課題に、多くの未解答と誤りが見られます。ここは、操作技術ではなく日ごろ蓄えた文章能力が求められる箇所ですから、落ち着いて冷静に答えなければなりません。 例えば、箇条書きは原則1件1行で、「で・ある体」や「体言止め」を用います。文体の統一は、「です・ます体」であれば全文を「・・・です。」「・・・ます。」で記述すること。「で・ある体」や「当社」「弊社」「わが社」なども同じです。これが混在する文章は読みにくいばかりでなく、書き手の文章能力が疑われてしまいます。(後述「実践・日本語ゼミナール」141-142ページ参照) これらの課題は、日本語表記の基本を問うものですから、受験対策だけでなく教養のつもりで学習してほしいものです。また、この検定の重点項目でもあることを認識してください。日本語科目も同じ趣旨です。 |
| (6) | 「出題のポイント」が十分に検討されていたか。 この検定試験のすべての級と科目は、年度ごとに発表される「出題のポイント」に示された機能と技能から出題されます。つまり、ここのある項目以外からは出題されないのです。この検討が不十分だと解答に窮(きゅう)することもあるでしょう。これを検討していなかったと思われる解答が目立ちます。 特に、図形処理と文体の統一(箇条書きや体言止め、で・ある体など)は、必ず、そして十分に準備してほしいものです。 |
| 次に、この検定試験におけるここ二、三年の傾向を考えてみましょう。 | |
| (1) | とりわけ目立つのが、入力科目が原因の不合格です。かつての変更で入力文字数が大幅に減少しましたから、科目合格者が増えて当然なのですが、逆に減っています。各級の入力文字数は、考えているほどやさしいものではありません。侮(あなど)ってはなりません。今回の2級の合格率は前回に比べ20ポイントも下回りましたが、この原因の一つが入力科目であったことを肝に銘じていただきたいと思います。入力操作の向上は、タッチタイピングによる毎日の練習あるのみなのです。 |
| (2) | 日本語科目が難しいという声をよく耳にします。しかし、この認識にもいささかの疑問があります。国語力、すなわち日本語の理解力と表記力が、全体的に低下していることは、多くの識者が指摘しているところです。しかし、この検定の日本語科目においては、多角的な出題にもかかわらず合格率は安定的に推移していて、減少傾向はみられません。必ず出題されている「やや難しいと思われる問題」だけをとらえて「難しくなった」というのは誤りです。それよりも、合格できなかった人は、その原因が「自身の国語力の不足にある」と自覚し、漫画やテレビゲームで楽しむ時間を少しだけ削って、文章を読む習慣を身に付けるべきでしょう。これは、指導者の皆さま方にもぜひご理解いただきたい点でもあります。 |
| (3) | 常識科目も合格率が安定しています。ただし、今日のイノベーション(技術革新)の急速な進化を考えると、常に新しい知識や情報の習得が必要であり、立ち止まることは許されません。ましてや、商工会議所が行う検定試験ですから、産業界の常識が理解できなければ受験の意義は薄れてしまいます。ただし、ビジネス文書科目をふくめて、ビジネス実務で十分に理解されていると考えられるものが出題されますから、基本的には、機能や情報の知識は発表されてから2年間程度以上を経過したものと考えていいでしょう。 また、この科目の基本は、ビジネス実務で通用する文書を作成したり処理したりするための常識を問うものですから、ハードウェアやソフトウェア、通信などの技術的な知識よりも文書処理に関する出題数の方が多いことを理解しておくことも大切です。 |
| 最後に、平成16年度から変更される内容をお知らせします。 | |
| (1) | 2級ビジネス文書科目の解答時間が、これまでの30分間から40分間になります。延長された10分間分は、前述したような文章の作成や表記を問う内容になると思われます。また、従来から本稿で述べている「箇条書き」「体言止め」などの文体の統一は、出題の可能性が高いと予想されます。十分に準備してください。 |
| (2) | 入力科目に、免除制度ができました。対象検定は商工会議所の「ビジネスキーボード認定試験」で、3級が「ビジネスキーボード認定試験の日本語科目」の「C評価以上」、2級が「ビジネスキーボード・・・」の「B評価以上」、1級は「ビジネスキーボード・・・」の「A評価以上」などとなっています。詳しくは、案内書、当ホームページなどで来春発表になります。 |
| (3) | 1、2級の「事前入力データ」の記憶媒体が、フロッピーディスク(FD)限定から他の記憶媒体も可能になります。ただし、使用できる記憶媒体は実施する商工会議所や試験会場によってその扱いが異なります。受験申し込みの際に、十分に確認するようにしてください。間違えると大変です。 なお、試験関連のデータを、使用した記憶媒体に保存したまま持ち出しますと失格になりますから、保存したデータを完全に削除する操作を習得しておいてください。 |
| (4) | 「出題のポイント」が変更されます。(2)とあわせて、案内書、当ホームページ、各地会議所のホームページなどで、来春発表になりますので、しっかりと確認してください。 |
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今年度1年間の講評は、新年度に入ってから行いますが、16年度前期2級(第33回)を目指す受験者、指導者の皆さんは、今回と前回の講評を参考にして対策を進めてください。前回の講評でも述べましたが、日商監修の参考書「実践・日本語文書ゼミナール」で勉強すれば、ビジネス文書科目だけでなく日本語科目と常識科目にも必ず役立ちます。特に、1、2級の合格を逃した人は一読に価するはずです。
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以上
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