IT(情報通信技術)や活用技術の進展とともに、「日本語文書処理技能(日商文書技能)検定試験」(以下、日商文書技能検定)で出される問題も年々変化してきました。とりわけ近年は、試験に使われる機器の主流がパソコンになったことから、筆記の「常識科目」と実技の「ビジネス文書科目」は、「ビジネスコンピューティング検定試験」の「知識科目」や「実技科目」と重複する分野から出題されることが多くなりました。これは、試験のために学習しなければならない分野が確実に広がってきたことを意味します。
最近、この「日商文書技能検定」を「ワープロ専用機の検定」と勘違いしているひとを見かけます。「日商文書技能」とは、「文書や文章を取り扱う技術と知識」のことですから、パソコンや場合によってはインターネットも試験のツール(道具)です。この検定はこれらのツールを使いこなしてビジネスの第一線で活躍できる技能を習得するために実施されているものですから、この主旨を十分に理解できれば、受験や受験対策にあたっても優位性が確保できるはずです。
さて、ビジネス分野における文書処理には、文章やデータを使って文書に作りあげる作業のほか、これを整理したり、加工、分析したりする作業も含まれます。したがって、日本語ソフトや表計算ソフト、eメールなどを自在に活用できる技術と知識は、会社などの日常業務にとってなくてはならない技能なのです。
検定試験では、筆記(日本語科目・常識科目)と実技(入力科目・ビジネス文書科目)の4科目が、一定レベル以上で、バランス(均衡)よく習得しているかどうかを判定します(4級は実技2科目)。上述したようなビジネスにおける業務を実行するためには、いずれかが特出していても他のどれかが欠けてしまえば仕事になりません。これが、4科目のすべてに合格点をとらなければ「合格」にならない理由です。
平成12年度に出題された各科目の傾向と、今後の方向を考えてみることにしましょう。
1. 入力科目(1級〜4級)
先の改訂によって、各級ともに出題文字数が大幅に減少したことから、科目合格率は改訂前に比べきわめて高くなりました。改訂前のように「入力科目が第一の関門」ではなくなったといえるでしょう。
ただし、出題文字数が減ったからといって、入力の練習をおろそかにしてもよいということではありません。タッチタイピングの完全習得と毎日の練習は、依然として不可欠です。
タッチタイピングを習得には、「キータッチ2000テスト」の練習用フロッピーデスクがお勧めです。3級や4級の受験を目指すひとは大きな効果が期待できるでしょう。(お問い合わせ先は「カリアック」)
3.一般文書科目(4級)
日商文書技能の入門級である4級は、「公表練習問題(5題)」が前年度の終わりごろに、各地の商工会議所から配布されます。
問題は、この練習問題とよく似た問題がだされます。練習問題さえ時間内にできれば、試験は十分に答えられます。5題のうちの1題だけを重点的に練習しておけば、ほぼ万全といえるでしょう。
4.日本語科目(1級から3級)
日本語の乱れが社会問題化しています。このようなことから、日本語科目は「文章理解」と「表記・表現」の二つの領域を設定しています。それぞれに異なる形式で出題することで、正しい日本語を習得していただこうと考えているからです。
まず、「文章理解」の問題文は、やや長い文章を読んで作者の意図を選択したり文中に入る適切な言葉を選択したりします。「それ」「あれ」などの代名詞が指す名詞や動詞などが出題されたこともあります。文章を読みこなす能力が求められるわけですから、文章をしっかりと読む習慣を身につけることが受験対策です。
「表記・表現」の課題には、漢字の読み、同音異義語・同訓異字の選択、慣用句の正しい使い方、適切なかな遣い、敬語の表記などがありますが、最近はこれらに加えて、(初歩的な)語句の意味や正しい言葉遣い、文法上の表記法、反対語なども出題されています。
日本語科目で出題される各級の標準は、高校時代に勉強したレベルが標準で、上位級になるにしたがって難易度が少しずつ高くなると考えておけばいいでしょう。
毎回最後に出題される不適切な表記の誤りの修正は、問題文の誤りを修正するものですから、例えば、漢字の誤りは漢字に、ひらがなや送りがなの誤りはそのか所をというように、あくまでも誤りの表記を修正するだけものです。注意してください。
出題形式は択一式ですから、2つのうちから1つを選べばいいのです。自信がもてない課題は後回しにして、わかる問題から順々に答えるようにすればいいでしょう。時間が余ったら残した問題に戻るようにします。試験時間はわずかですから、瞬間的に判断できるような訓練をしておくと効果があるようです。
受験日が決まったら、その日までのスケジュールをしっかり立てて、確実に実行すること。これが最大で唯一の作戦です。