電子メール利用に関するアンケート調査結果について
平成14年9月
日本商工会議所
日本商工会議所は、電子メール等を利用したデジタル・ビジネス・コミュニケーションを円滑にすすめるための技能や知識などについて研究を進めるため、企業現場の実情を把握するためのアンケート調査を実施した。
調査は、日経株価指標の対象銘柄となっている企業225社と情報化推進に積極的に取り組んでいる中小企業183社、合計408社に郵送で調査票を送付し、111社から回答を得たうえ、必要に応じて電話ヒアリングで補足した。
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【調査の概要】
(1)調査目的
- 企業における電子メール等の利用実態を把握し、電子メールによる円滑なコミュニケーションを図るための技能や知識について研究する際の参考とする。
(2)調査期間
- 平成14年7月10日〜7月31日
(3)調査対象
- 全国の企業408社
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| ・大企業 : |
日経株価指標の対象銘柄になっている企業225社 |
| ・中小企業: |
オープンコンサルティングプロジェクト(OCP)よりインターネット上で情報化コンサルティングを受けている中小企業183社
| ※ | オープンコンサルティングプロジェクト(OCP):
中小企業の情報化を推進するために、IT関連企業が提唱し、協賛企業/団体で推進するビジネス創造プロジェクト |
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(4)回答企業数
- 111社(回収率 27.2%)
- 大企業 :45社(回収率 20.0%)
- 中小企業:66社(回収率 36.1%)
(5)調査方法
- 郵送によりアンケート調査票を送付し、FAXで回答票を回収。必要に応じて電話で追加ヒアリングを行った。
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1.電子メールの利用状況
- 回答のあった企業のうち、「ほぼ全員が電子メールを利用する」との回答が、大企業で約9割(40社88.9%)、中小企業でも約7割(46社69.7%)に達した。「電子メールはほとんど利用していない」との回答は、大企業・中小企業ともゼロで、ビジネスにおける電子メールの普及が覗える。
1.貴社の電子メールの利用状況について回答ください。
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全体 |
大企業 |
中小企業 |
| ほぼ全従業員が電子メールを利用している。 |
86(77.5%) |
40(88.9%) |
46(69.7%) |
| 一部の部署、一部の従業員が電子メールを利用している。 |
25(22.5%) |
5(11.1%) |
20(30.3%) |
| 電子メールはほとんど使用していない。 |
0(0.0%) |
0(0.0%) |
0(0.0%) |
| 計 |
111(100.0%) |
45(100.0%) |
66(100.0%) |
2.電子メール等に関する規則・ガイドライン等
- 社内での電子メール等に関する規則・ガイドラインは、大企業では8割近く(35社77.8%)、中小企業では4社に1社(17社25.8%)が設けており、「適切な事例等があれば参考にして設けたい」という企業を合わせると、大企業の9割以上(41社91.1%)、中小企業で約7割(45社68.2%)の企業が、こうした規則・ガイドライン等の必要性を感じている。
- なお、既に規則・ガイドラインを設けている企業に対し、その内容を電話ヒアリングしたところ、操作ミスを防止するためのマニュアルやウイルス感染時の対応マニュアル、私用メールの禁止などのモラルを謳ったものなど、企業ごとに含まれている内容が大きく異なっている。
2.貴社内での電子メール等に関する規則・ガイドライン等についてご回答ください。
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全体 |
大企業 |
中小企業 |
| 電子メール等に関する社内規則・ガイドライン等を設けている。 |
52(46.9%) |
35(77.8%) |
17(25.8%) |
| 社内規則・ガイドライン等はないが、適切な事例等があれば参考にして設けたい。 |
34(30.6%) |
6(13.3%) |
28(42.4%) |
| 社内規則・ガイドライン等を設ける予定はない(各自の責任で運用させている)。 |
25(22.5%) |
4(8.9%) |
21(31.8%) |
| 計 |
111(100.0%) |
45(100.0%) |
66(100.0%) |
3.電子メール等によるトラブル事例(複数回答可)
- 電子メール等によるトラブルとして、ウイルス感染を揚げた回答が60社54.1%(大企業24社53.3%、中小企業36社54.5%)と最も多く、半数以上の企業が経験していた。
- 次いで、操作ミスによる誤送信が44社39.6%で、特に大企業では26社57.8%とウイルス感染を上回っており、電話ヒアリングから、社内連絡の際の送付先間違い(社内アドレス帳上の同姓の別人への送り間違い)が多発している結果が得られた。
- 続いて、メールの到達(受信)確認ができないことがきっかけとなったトラブル25社22.5%(大企業15社33.3%、中小企業10社15.2%)と、文書表現等による不快感のトラブル24社21.6%(大企業10社22.2%、中小企業14社21.2%)がほぼ同数の回答、文意が伝わらなかったことによるトラブルが10社9.0%(大企業5社11.1%、中小企業5社7.6%)となっている。
- また、トラブルには至らないものの、文書の不備や文書表現等による受発信者間の意識相違を多くの人が経験していることが電話によるヒアリングからわかった。
- 過去にトラブルはないとの回答は、わずか17社15.3%(大企業5社11.1%、中小企業12社18.2%)に過ぎず、本アンケートの設問1でほぼ全員が電子メールを利用している回答が9割近くを占めた大企業の方が、中小企業よりも相対的にトラブル経験が多くいことから、電子メールの普及に従ってトラブルが増加することが予想される。
3.電子メール等によるトラブル事例についてご回答ください。(複数回答可)
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全体 |
大企業 |
中小企業 |
| メールの送受信によりウィルス感染してしまった(またはさせてしまった)。 |
60(54.1%) |
24(53.3%) |
36(54.5%) |
| 操作ミスによる誤送信等を行なってしまった(無関係な宛先への送付など)。 |
44(39.6%) |
26(57.8%) |
18(27.3%) |
| メールの到達(受信)が確認できずトラブルとなった。 |
25(22.5%) |
15(33.3%) |
10(15.2%) |
| メール文書の表現等で不快な思いをした(またはさせてしまった)。 |
24(21.6%) |
10(22.2%) |
14(21.2%) |
| メール文書で意図した内容が伝わらずトラブルとなった。 |
10(9.0%) |
5(11.1%) |
5(7.6%) |
| 当事者以外への機密情報(文書)の漏洩があった。 |
2(1.8%) |
1(2.2%) |
1(1.5%) |
| その他 |
6(5.4%) |
2(4.4%) |
4(6.1%) |
| 過去にトラブルはない 。 |
17(15.3%) |
5(11.1%) |
12(18.2%) |
全体:n=111 大企業:n=45 中小企業:n=66
(「その他」の主な内容)
- 容量の大きなファイルを送付し、サーバーの運用が遅滞した。
- 私用メールのやり取りのために業務が滞った。
- 個人的な情報を第三者に開示された。
4.電子メールを利用したビジネス円滑化に必要な知識・能力(複数回答可)
- 本アンケートの3の設問でウイルスによるトラブルを揚げた回答が多かったこともあり、ビジネスの円滑化に必要な知識・能力としてウイルス対策やセキュリティに関する基礎知識を揚げる回答が81社73.0%(大企業28社62.2%、中小企業53社80.3%)からあったが、それを上回る96社86.5%(大企業37社82.2%、中小企業59社89.4%)からビジネス常識、ネットワーク利用に関するマナーが揚げられ、文書作成能力も67社60.4%(大企業26社57.8%、中小企業41社62.1%)が必要な能力として回答しており、中小企業では過半数から必要とされている。
- また、いずれの回答も大企業よりも中小企業でのニーズが高い。
4.電子メールを利用してビジネスを円滑に進めるために必要と思われる知識や能力をご回答ください。(複数回答可)
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全体 |
大企業 |
中小企業 |
| ビジネス常識、電子メール・ネットワーク利用に関するマナー |
96(86.5%) |
37(82.2%) |
59(89.4%) |
| ウイルス対策などセキュリティに関する基礎知識 |
81(73.0%) |
28(62.2%) |
53(80.3%) |
| ビジネス文書作成能力 |
67(60.4%) |
26(57.8%) |
41(62.1%) |
| ソフトウェアやネットワークなどに関する基礎知識 |
44(39.6%) |
13(28.9%) |
31(47.0%) |
| その他 |
1(0.9%) |
0(0.0%) |
1(1.5%) |
全体:n=111 大企業:n=45 中小企業:n=66
(「その他」の主な内容)
- ネット上に限らず、他者への配慮
5.電子メール活用能力を評価する指標の必要性
- ビジネス用途での電子メール活用スキルを客観的に評価する指標について、就職試験や採用基準として活用するとの回答は、大企業では1社もないものの、中小企業では8社12.1%が希望しており、社内教育・業務効率化のため取り入れるとの回答では、大企業でも8社17.8%、中小企業で27社40.9%が希望しており、以上を合わせると中小企業では過半数の企業が電子メール活用能力を評価する指標を求めている。
- また、個人的なスキルチェックとして活用するとの回答22社19.8%(大企業10社22.2%、中小企業12社18.2%)を合わせると、全体の約6割、中小企業者の約7割が、この指標の活用を希望している。
5.ビジネス用途での電子メール活用スキルが客観的に評価できる指標(資格)があれば活用されますか。
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全体 |
大企業 |
中小企業 |
| 就職試験や採用基準の一つとして活用したい。 |
8(7.2%) |
0(0.0%) |
8(12.1%) |
| 社内教育、業務効率化の一環として取り入れたい。 |
35(31.5%) |
8(17.8%) |
27(40.9%) |
| 個人的なスキルチェックとして活用したい。 |
22(19.8%) |
10(22.2%) |
12(18.2%) |
| あまり必要としない。 |
46(41.4%) |
27(60.0%) |
19(28.8%) |
| 計 |
111(100.0%) |
45(100.0%) |
66(100.0%) |