[第1問]
[第2問] 本問は特殊仕訳帳に記録された取引の普通仕訳帳上での合計転記の考え方を問う問題です。一見難しそうに感じるかもしれませんが、解答のポイントは、特殊仕訳帳に記載される勘定科目相互間の関係と、合計転記した場合の二重仕訳金額の関係であり、これらの点をきちんと理解していれば難なく解ける問題でしょう。 合計転記のさいに控除される二重仕訳金額を発生させる勘定科目間の関係は、具体的にいえば、答案用紙の普通仕訳帳の記載順序に従って、@当座預金出納帳貸方の[売上]⇔売上帳借方の[当座預金]、A当座預金出納帳借方の[仕入]⇔仕入帳貸方の[当座預金]、B売上帳借方の[受取手形]⇔受取手形記入帳貸方の[売上]、C仕入帳貸方の[支払手形]⇔支払手形記入帳の借方[仕入]、がそれぞれ金額的に対応しているという形で示すことができます。この関係にもとづき、まず、当座預金出納帳借方の[仕入]の金額と売上帳借方の[受取手形]の金額が把握され、次いでその他の( )の金額も順次判明することになります。ただし、この関係だけで把握できないCの金額は、@〜Bの金額の合計と、合計転記のさいに控除される二重仕訳金額の差額として求めます。この点は若干の応用能力を問うものです。 余談ながら普通仕訳帳の最下段に記載された、控除される二重仕訳金額と借方記入合計金額および貸方記入合計金額を用いれば、( )に記入した金額を含めて控除される二重金額およびその他の金額についての確認の作業も試験時間内には可能です。解答にさいしては、このような情報の活用にも意を払うとよいでしょう。 [第3問] 本問は、〔資料T〕の残高試算表から、〔資料U〕の決算時に未記帳となっている事項を処理し、さらに〔資料U〕の期末整理事項を処理した上で、貸借対照表を完成させる標準的な問題です。〔資料U〕および〔資料V〕で要求されている処理は、いずれも基本的なものばかりですが、貸借対照表を完成しなければならない分だけ、スピードが要求される問題となっています。貸借対照表を完成させる問題については、しばらく出題されていなかったこともあり、正答率は高くなかったようですが、2級では区分損益計算書および貸借対照表に関する知識も必要になってきますので、普段からこれらの作成について練習を積んでおく必要があります。 〔資料U〕の未記帳事項の処理については、いずれもこれまでに出題されたことのあるものばかりです。1のように退職金を支払う場合で、退職給付引当金が設定されている場合には、これを取り崩す処理を行います。本問では、問題の難易度との関係から、当期中に退職した従業員に対する退職給付費用は発生していないこととしましたが、退職給付費用が発生している場合には、退職給付引当金を取り崩すとともに、当期中に発生した退職給付費用も計上しなければなりません。 また、3の未渡しとなっている小切手が発見された場合は、現金預金を増額する処理が必要となりますが、本問のように費用の支払いのために小切手が振り出されている場合には、当期に発生した費用については修正を加えずに、未払金の増加として処理しなければならないという点も重要です。 〔資料V〕の決算整理事項は、これまで何回も出題されてきた内容がほとんどです。ただ、5の社債発行費用の処理と、8の費用の前払分の処理については、若干注意が必要です。社債発行費を繰延資産として計上した場合、旧商法の下では発行後3年以内に毎期均等額以上を償却することとなっていましたが、平成18年に企業会計基準委員会が公表した「繰延資産の会計処理に関する当面の取扱い」(実務対応報告第19号)により、償還期間にわたって償却しなければならないこととなっています。また、前払費用のうち、貸借対照表日の翌日から起算して1年以内に前払いした金額に対応するサービスを受けることができない部分については、1年以内に対応するサービスを受けることができる前払費用とは区別し、長期前払費用として固定資産に計上する必要がある点にも注意する必要があります。 〔資料U〕および〔資料V〕の処理はいずれも基本的なものばかりですが、問題の指示に従わなかったり、内容を誤解したり、不注意なミスをしていては、貸借対照表を完成することはできません。正確で最新の知識にもとづいて、的確に、しかもスピーディーに処理することができるよう、出題範囲全般にわたって繰り返し練習を積んでおくことが重要です。 [第4問] 第4問は個別原価計算の問題であり、製造指図書を手がかりに製造原価報告書と月次損益計算書を作成する問題です。個別原価計算では、その基本的な手続きとして受注した製品ごとの原価を順次計算することになります。ここで、これらの受注製品は、あるものは完成し、あるものは未完成となります。また、完成品の中でも販売されるものと在庫として保有されるものがあります。本問題により、このような一連の基本的手続きを理解しているかどうかが判明します。 この問題では、このような製品や仕掛品の状況を備考欄から判断し、金額計算を行うこととなります。ここで、重要になるのが、製造間接費については予定配賦を行うことから、実際発生額と予定配賦額との差異が生じることです。この金額を適切に計算し、製造原価報告書と月次損益計算書において処理することができなければなりません。さらに個別原価計算では、仕損が発生することがあります。それをどのように処理するかという点の理解が不可欠です。そこで、この問題では、補修により合格品にできる場合を想定して出題しました。 [第5問] この問題は、総合原価計算の中で、等級別総合原価計算に関する出題です。等級別総合原価計算は、同一工程で同種製品を生産する場合に適用する原価計算です。同種製品であることから、形状や大きさなどで製品を分け、それら等級製品ごとの原価を計算します。ここで、この等級製品について等価係数を設定する点が特徴です。この等級別原価計算は、実際に多くの企業で適用される原価計算方法であることから理解が必要であり出題しました。 この問題では、最初に単一工程の単純総合原価計算により、製品原価を計算することとなります。その後、等価係数を使って各等級製品として識別して製品原価を計算します。そのためには、問題文にある方法のとおり、積数の比で原価を配分すればよいのです。基本的な総合原価計算の延長上で理解することができる問題です。 |