[第1問] 一般的な仕訳の問題で、問題文で与えられた文章をじっくりと読み、取引を正確に把握することができれば、解答を導き出すことはそれほど困難ではありません。目新しい問題も特になく、2級の範囲を偏ることなく学習していれば、それほど難しくはなかったと考えます。
[第2問] 特殊仕訳帳および普通仕訳帳の記入内容から残高試算表を作成する問題であり、帳簿組織に関する基本的な理解を問う問題です。 解答にあたって最も重要なポイントは、特殊仕訳帳および普通仕訳帳の記入内容から残高試算表を作成するにあたって、二重転記に該当するものを排除し、各勘定の9月中の増減を正確に集計することにあります。まず、特殊仕訳帳の特別欄のうち、当該勘定について別の特殊仕訳帳が用いられている場合には、特別欄の金額の転記は二重転記になるので、排除する必要があります。現金出納帳の売上欄と仕入欄、仕入帳の現金欄と支払手形欄、売上帳の現金欄と受取手形欄、支払手形記入帳の仕入欄、受取手形記入帳の売上欄がこれに該当します。なお、支払手形記入帳および受取手形記入帳は、特殊仕訳帳としては、それぞれ支払手形勘定の貸方増加の取引および受取手形勘定の借方増加の取引を記入する帳簿として扱われ、減少取引の転記には利用されない点に注意する必要があります。 また、普通仕訳帳の記入内容のうち、9月15日の取引の一部は当座預金出納帳にも記入され、9月25日の取引の一部は現金出納帳にも記入されています。したがって、これらの取引の集計にあたっても、二重転記にならないように注意する必要があります。 [第3問] 本問は、未達事項整理前の本支店の残高試算表の作成を求める問題であり、本支店会計の応用問題です。本支店会計の基本となる点は、未達事項を整理した後の本店の支店勘定と支店の本店勘定が一致すること、また本店の支店向け売上勘定と支店の本店より仕入勘定が一致するという点です。これらの点を踏まえたうえで、未達事項に関する正確な処理を行うことが、本支店会計のポイントとなります。したがって、本問を解くさい、未達事項の処理がきちんとできるかどうかという基本的な事項の理解が解答の鍵となります。 本問では、[資料W]で未達事項整理後の本店の支店勘定と支店の本店勘定は¥455,000で一致していると明示されているので、未達事項をこれら勘定に記入すれば、この点を手がかりとして未達事項整理前のこれら勘定の金額が逆算できます。これらの金額を計算するためには、未達事項に関する仕訳が正確に行われていることが必須の条件となります。また、本店の支店向け売上勘定と支店の本店より仕入勘定は、未達事項を整理すれば一致することになるので、この点も未達事項整理前の金額を逆算すれば求められます。これらの金額を求めれば、おのずと(a)、(c)および(f)の金額は差額として求めることができます。 本支店合併損益計算書上での売上総利益の計算は、未達事項を考慮に入れた、支店の期末棚卸高の原価を求めるために、支店の期末商品棚卸高に含まれる内部利益の金額を正確に求めることができるかどうかがポイントとなります。 全体としてこの問題の得点率は高くありませんでした。本支店会計の基本についての理解の確認をもう一度きちんと行ってほしいと思います。 [第4問] 本問は、個別原価計算における原価計算票と勘定記入との基本的な関係を理解できているかを問う問題です。製造指図書ごとの着手、完成、引渡しの記録から、9月末(10月月初)と10月末のそれぞれの時点において各製造指図書番号の表すオーダーが、仕掛品なのか、製品なのか、販売されたものなのかを判断できるかという点と、9月と10月の原価計算票の要約を比較することにより、各月における直接材料費、直接労務費、製造間接費の金額を逆算できるかという点がポイントです。非常によくできているようでした。 [第5問] 本問は、直接原価計算および原価・営業量・利益関係の分析からの出題ですが、思いのほか出来が悪かったようです。問1では直接原価計算方式の損益計算書の作成を問うています。月初在庫はないため、 (当期製品変動製造原価/生産量)×月末在庫 によって月末製品有高を求めます。変動販売費と固定費は問題文通りの額を計上します。 問1で作成した損益計算書に基づき、問2は損益分岐点売上高を、問3は売上高営業利益率を求めさせています。問4の安全余裕率は、問2を利用すれば簡単に解くことができます。 基本的な問題が解けないことは致命的です。2級は第5問まであります。第5問は基礎知識があれば計算には時間がかからない問題でした。時間切れにならないように、問題全体を見てから解答順を決めるなどの受験時の工夫も必要です。そのような能力を養うためには、問題を数多く解くことが求められます。 |