[第1問] 期中における基本的な取引を示して、簿記の5つの要素に的確に分類して、資産・負債・資本の増減と、収益・費用の発生または取り消しについて、適切な勘定科目を用いて仕訳によって示すことができるかどうかを問う標準的な設問です。基礎的な理解力を問う設問であったため、比較的正答率は高かったようですが、設問の内容を把握できずに失点している答案が散見されました。
[第2問] 第2問は、小口現金出納帳への記帳(週末の締め切りを含む)を出題しました。小口現金出納帳の出題は、平成12年度の第95回の検定試験以来でしたので、戸惑われた受験者もいたかもしれませんが、問題文の指示に基づいて落ち着いて記帳していけば、スムーズに解答できたでしょう。 小口現金出納帳は、用度係が小口現金の補給と支払いの明細を記録するために作成する補助簿です。したがって、単に問題が解けさえすれば良いのではなく、そもそも何のために存在する帳簿なのか、何を記帳しなければならないのか、あるいは記帳された金額は何を意味するのかを常日ごろから考えながら解くように心がけてください。 まず、11月1日時点での前週からの繰越額¥50,000を受入欄に記入します。受入欄に全く記入されていない答案が散見されました。次に、資料から支払いに関する記帳を順次行いますが、本問ではすでに日付欄と摘要欄が埋められていますので、支払欄と内訳欄のみを記帳します。消耗品費は文房具など事務で使用する物品の代金で、この他に通信費あるいは交通費に分類できない支出は雑費となります。支払欄は比較的よくできていましたが、内訳欄で切手・はがき代を消耗品費としたり、新聞購読代を通信費としている答案が見受けられました。 1週間の支払額を、支払欄を合計して計算しますが、これは内訳欄における個々の費用の合計額と一致しますので、必ず検算してください。その上で、本問は週末補給の場合ですので、支払額と同額の小切手を受け取って受入欄に記帳します。なお、場合によっては週明けに補給が行われることもあります。受入総額から支払総額を差し引いて次週繰越の金額を算出しますが、本問では常に¥50,000になります。最後に、受入欄および支払欄の合計額を合わせて締め切ります。この締め切りができていない答案が非常に多かったです。採点箇所の関係上、点数が高かった方でも正しく締め切っている答案は少数でした。 なお、11月8日の前週繰越の記帳も忘れないで行ってください。 [第3問] 本問は、月初の合計残高試算表に月中の取引を加え、月末の残高試算表を作成するという問題です。本問は仕訳と転記が適切に行われていれば自動的に解答できるものであり、何ら難しい点のない、簿記3級の内容の基礎的な理解を問う極めてオーソドックスな問題でした。 それゆえ、月中の取引の意味をきちんと理解し、それらをきちんと仕訳することができ、その結果を正確に転記できれば解答はおのずと出来あがります。ただ、取引例が多いかもしれませんので、慌てずに落ち着いて正確に取引の処理をしてゆけばよいでしょう。多量の取引を所定の時間内に正確に処理をするということも、経理担当者としては欠かせない能力であることも理解をしてください。これら取引のうち、あえて注意をする必要があるとするならば、月中の16.および21.の取引でしょう。解答にさいして注意をしなければならない点は、月初の試算表は「合計試算表」ですが、解答として作成を求められている試算表は「残高試算表」であるという点です。 また、月初の試算表上にあった勘定科目で月末の試算表上では消滅している科目や、逆に、月初の試算表上にない科目で月末の試算表上に現れる科目もあるので、これらについても十分に注意を払う必要があります。 [第4問] 本問は、三伝票制に基づいた伝票会計の基礎的な理解を問う問題です。 伝票会計として、3級では、三伝票制および五伝票制に基づいて、取引がどの様にして起票に結びついていくかを問います。しかし、単に伝票の記入法を知るだけではなく、取引の性質や起票のタイミング、また補助元帳など帳簿との関連を知ることも基本の学習としては重要です。さらに、伝票会計では、一部振替取引においての起票の方法は2つあることに注意してください。 内容として、本問では各取引における振替伝票の起票を求めています。起票にあたっては、取引のうち現金の入出金を伴う部分は「入金伝票」、「出金伝票」とし、そうでない部分を振替伝票とします。(1)では、取引の一部がすでに入金伝票に起票済みであり、科目名の指定から考えて取引を分解して起票する方法と分かります。また、(2)では全額が振替取引となりますので、仕訳を正確に行うことで振替伝票への起票ができます。両問とも、基礎学習の段階で必ず理解していなければならない程度の問題ですので、受験者としては確実に正解することが求められます。 なお、問題文において特に指示をしておりませんが、(1)入金時の科目名に「売上」の指示がありますので、商品売買は三分法による記帳法となり、(2)では「仕入」を使用します。試験問題にあたる上では、問題の状況から考え、より適切な方法で処理することが求められますので注意してください。 [第5問] 本問は、決算整理前の残高試算表および決算整理事項その他の修正事項にかかわる資料に基づいて、8桁精算表を正しく完成させることができるかどうかを問うた問題であり、標準的な精算表作成問題であるということができます。 解答に当たっては、次の点がポイントとなります。
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